- 2016-3-11
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こんにちは、中西です。
好きなこと論シリーズ、
本日も続けます。
なお、シリーズの最初にも書きましたが
この話を続けている理由は、私が考える
「集中力を構成する要素」
の土台にある「モチベーション」に
大きな影響を与える話だからです。
<「好きなこと論」シリーズの過去記事>
前回は、
「世間の需要」が無さそうなことが
自分にとっては「好きなこと」
である場合について考えてみました。
ラーメン大好き人間が「ラーメン評論家」
になるなら仕事として成立しても、
習慣的に食べる人が皆無に近い
ソーメンを大好きだった場合、
「ソーメン評論家」
は成立するのかどうか。
このような
「自分の好きなことがマイナー分野」
「世間であまり認知されていないものが大好き」
「それで食べている人の前例が無い」
といった場合の「好きなことで生きていく」
方法について考えてみます。
たとえばあなたが
「夜景」
が大好きだったとします。
いろんな街から見た夜景、
いろんなホテル・ビル・建物から見た夜景。
夜景とはなんと千差万別で美しく、
まさに芸術だと長年思っている。
夜景を見るたびに写真を撮って
コレクションにしていくほどで、
夜景の写真が何百枚たまっても飽きない、楽しいと。
実にマイナーな趣味ですが
それほど夜景が大好きだとします。
ここでもし、あなたが
身近な人(先生や両親・友人など)に、
「俺、夜景が好きだから、夜景で食べていくわ」
なんて言ったらどうなるか。
まあ普通は「一回頭を冷やせ」
「わかった。今夜一回話そう。時間あいてるか?」と言われます(笑)
・・・が、実はそんな状況から
「夜景の専門家として食べて行く」
という、誰もが思いもしなかった生き方を、
実際に実現させている人がいます。
「夜景評論家」の丸々もとおさんです。
丸々さんの仕事ぶりは、私が説明するより
プロフィールを引用した方が早そうです。
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<丸々もとおさんのプロフィール(一部)>
1992年発売の「東京夜景」以来、
夜景に関する著書は30冊を超える。
全国に広がる、工場夜景ツアーの仕掛け人で、
テレビ東京系「ソロモン流」では夜景の賢人として紹介された。
2002年4月に独立。以降、夜景に関する読売新聞の連載、
多数の雑誌連載のほか、
夜景イベント、企業の夜景販促プロモーション、
ホテルの夜景宿泊プラン、レストランや展望台のプロデュース、
不動産コンサルティング、講演会、夜景観光町おこし等、
活動の場を多岐に広げた。
夜景の魅力を観光学、景観学、色彩心理学等、
学際的に評論する独自の夜景学を構築。
昨今は地方都市における町おこし・地域活性化を
積極的に手がけ、神戸市、横浜市、長崎市、川崎市、
香港政府観光局等の夜景観光アドバイザーを歴任。
夜景資源の発掘からリノベーション、
PRに至るまで夜景による観光活性化を行っている。
産経新聞社とは共同で
夜景鑑賞士検定(夜景検定)を立ち上げ、
これまで約3000人にのぼる夜景鑑賞士を輩出。
体験型の工場夜景の仕掛け人で、
日本初の工場夜景ツアーとなった
「工場夜景ジャングルクルーズ」(KMCコーポレーション)は
「かながわ観光大賞2010」の大賞を受賞。
監修を務めた川崎市の工場夜景バスツアーは、
(社)日本観光協会主催
「第二回産業まちづくり大賞」で銀賞を受賞した。
(ウィキペディアより引用、一部読みやすく修正)
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リクルートという会社で仕事をしながら
夜景評論家の活動をスタートさせ、
後に夜景評論家で独立、という流れ。
丸々さんがブレイクする前にも
夜景好きはいたと思いますが
「夜景で食べていく」
なんて発想をもった人間は
いなかったはずです。
もしそんなことを周りに言おうものなら
「夜景で食べていく?
そんな仕事で食えるかよ。現実をよく考えろ」
などと言われたでしょう。
ちなみに上のプロフィールの
「夜景」というワードを「ソーメン」に
置きかえて読んでみてください。
「ソーメン評論家」があながち
ありえない話でもないと感じないでしょうか。
本当に大好きなことなら、
その知識・経験・情報・人脈を
お金にしていくアイデア自体は、
実はいくらでも存在するのです。
しかも現代はネットがあり、
ブログやユーチューブなどで
情報発信も簡単にできるので、
マスコミが「ソーメン特集」をするときは、
検索でソーメンの専門家として
筆頭に名前が表示されるはずです。
すると地方の放送局や新聞も含め、
とくに夏にはメディアから
取材や意見を求められるなど
仕事の依頼が来る可能性は十分あります。
食品メーカーがカップラーメンの
ソーメン版(実際にあった)を出すときに、
監修やアドバイザーとして意見を求められる
可能性もあります。
おいしいソーメンレシピを多数
自分のサイトで紹介しておけば、
そこにアクセスが集まり、そのお客さんを集めて
ソーメン教室を開けるかもしれません。
自分のサイトでおすすめのソーメンを
販売してもいいでしょう。
やり方なんていくらでもあります。
たとえマイナー分野でも、世の中に
自分しか専門家がいないなら(いても少数なら)
実はネット社会ではそれで食べていける
可能性は十分あるということです。
ただマイナーでも「需要」は必要です。
丸々さんの場合は、ある意味
「需要を自分で作り出した」
わけです。
「みんなが気づいていなかったレベルの
『夜景の魅力』を伝えることで、
ホテル・レストラン・展望台・工場など
潜在的な需要のあるところに夜景の魅力を気づかせ、
『夜景の需要』
を自分で作り出した(その良さを気づかせた)」
ということになります。
こうなると「夜景」というジャンルで
丸々さんに勝てる人はいませんので
ほぼ一生食いっぱぐれなくなります。
なんと「食べていけない」どころか
「一生好きなことで食べていける」のです。
それがソーメンなら、あなたしか知らない
ソーメンの良さを伝えていけばいいわけです。
さて、このブログの読者さんには
資格試験の受験生の方も多いわけですが、
この話を聞いて
「そんなマイナー分野で食べていくとか、
新しい仕事やジャンルを作って食べていくとか、
自分には全く関係ないわ」
と思った人もいるかもしれません。
資格というのはそもそもすでに成立している
職業で食べていく世界ですから、
丸々さんのような道なき道を切り開く生き方と、
一見すると真逆の働き方に見えます。
が、上の丸々さんの話を聞いて
「資格試験を受ける自分とは全く関係ない話」
と思った人がいるとしたら、
個人的な見解ですが、ちょっと
危ない状況にいると思います。
なぜなら、丸々さんの話は
「特殊な生き方をしている人」の話ではなく、
本質的には、資格試験を受ける人はもちろん
学生・社会人にも関係なく、
現代に生きる私たち全員の生活や働き方に
大きく関係している話だからです。
好きなこと論シリーズ、もう少し続きます。
To be continued
追記:続きをアップしました⇒「好きなこと」と「資格のリスク」