- 2010-12-6
- 勉強の集中力をアップさせるテクニック, 特集カテゴリ1(倉庫)
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
昨日は、私がもう手離せないくらいに愛用している机のスタンドライト「フィルターライト」をご紹介しました。
<前回の記事>
目に優しく、集中力が3倍持続するスタンドライト
このライトは目に優しく、集中力が3倍持続することも実証されている一石二鳥のものでしたが、これを使うかどうかに関係なく、自宅で勉強をする際には、何らかの形で机のスタンドライトを点けて勉強をしたほうがいいです。
単純に「部屋の灯りだけだと勉強するには暗い」という理由でスタンドライトを利用されている方が多いと思いますが、単に机の上が「明るくて見やすくなる」だけでなく、もう一歩踏み込んで説明すると、
部屋全体の明るさより机の上が明るい方が、集中しやすい
ということなのです。
これまでも何度か書きましたが、人間の集中力は「視覚」に非常に大きく影響を受けています。
机の上と比べて部屋全体の照明のほうが暗い場合、部屋の中にある物(本棚やカレンダー、ポスターなどなど)の存在感が薄れます。これによって気が散らなくなるわけです。
逆に部屋の照明がすごく明るいと、部屋に置いてある様々なものに無意識に目が行ってしまうため、知らないうちに無意識レベルで気が散って集中力が落ちやすいのです。
もし映画館で映画を観るときに、館内の照明が明るかったらどうなりますか。落ち着いて映画を観ることなど全くできませんよね。
目の前のおじさんのバーコード頭が見えたり、イチャついているカップルの後姿が見えたりしたら後ろから空手チョップをくらわせたくなります。映画の世界に全然集中できません。
映画館は館内の照明を暗くすることで、目の前のスクリーンの世界に集中して入り込めるようになっているわけです。
したがって、この「映画館効果」を勉強に利用するなら、部屋の照明の明るさは、暗い方がいいということになります。その状態で机のスタンドのみで勉強するわけです。
もちろん、部屋が明るい状態でも机のスタンドをつけることで、相対的に部屋の明るさより机の明るさが勝つわけですが、さらにより一歩踏み込んで、机の上に広げた参考書や問題集に集中したいなら「部屋は暗いほうがよりいい」のです。
ちなみに、昔私が中学時代にこのやり方が集中できることに気づいて勉強していたのですが、友人やら家族から「目が悪くなるよ」と言われまして、それ以来この方法はやらなくなった経緯がありました。
しかし、どうも科学的根拠があってそう言っているのではなく、なんとなく「部屋が暗いと目が悪くなりそうやんかヽ(;´Д`)ノ 」というイメージレベルで言われてる気がして腑(ふ)に落ちなかったのです。
過去このブログでも何十回と言ってますが、この手の「なんとなくのイメージ」だけで勝手におかしな迷信・誤解めいたものが日本中に流布されていることが(とくに勉強の集中力の分野において)少なくありません。
そこで、以前ある有名な照明関係の会社の技術部に、この件を問い合わせてみたのです。つまり、「部屋を暗くして机のスタンドをつけて勉強するのは、目に良くないのでしょうか?」と。で、その技術部からの回答はこうでした。
「明るいところと暗いところを“交互に”見たときに、目の調節機能が大きく使われ、目の疲労につながります」
・・・ようするに暗い部屋と明るい机の上の間を交互に目を行き来させてしまうと、目の調節機能が頻繁に使われるため視力が落ちる可能性があるということだったのです。
その後もいろいろ調べてみましたが、他の専門家の方々も同じ意見でした。
したがって、結論的には「部屋が暗い状態で机の上のスタンドをつけて長時間勉強した」という点で、それが視力低下の直接的原因になるということではないようです。
まあよく考えたら映画館でも、同じ状態で2時間、3時間と映画を観ますからね。周りが暗いだけで簡単に視力が低下するならとっくに大問題になっていたはず。
とはいえ、この「映画館効果」を利用して集中する場合は、できれば数時間おきには目を数分つぶったりして目の休憩をしたほうがいいでしょう(ただし目の休憩をした方がいいのは部屋を暗くした場合に限りませんが)。
また最近では目に優しいスタンドライト(デスクライト)は多数販売されているので、できるだけそういった目に優しいライトを選ぶ方がいいのは言うまでもありませんね。
というわけで、なかなか家で勉強に集中できないという方は、一度部屋を暗くして机のスタンドの明かりだけで勉強をやってみることをおススメします。
机の上だけが明るいので、自然と無理なく目の前の勉強に集中しやすくなりますよ。
繰り返しますが、大事なのは目の前の勉強以外の余計なものが「視界に入らないようにする」ことです。これが集中力を引き出します。
自習室や図書館で勉強に集中しやすいのは、この「余計なものが視界に入らない環境」があるからですね。それに近い環境を作り出せるのが、この「部屋を暗くして映画館のようにする」方法です。
いかにこれまで、「部屋の中の物」が視界に入って無意識レベルで気が散っていたか、さらには勉強の集中力が低下していたか気づくでしょう。
映画館で夢中になって映画を観るような感覚で、勉強に集中して行ってほしいと思います。
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