- 2011-4-19
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こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
昨日の記事、いつもの4倍くらいの長い記事で、書いててヘトヘトでした。
あの記事は「番外編」ってことで、お祭り半分の記事でしたが、まだご覧になってない方は、こちらからどーぞ。
<前回の記事>
【番外編】お前らの質問にまとめて回答するぜ!
ここ数回のタイトルがやたらワイルドになってますが、遊んでるだけですのでお許しを。
ワイルド系タイトルに飽きたら、次はお姉系口調のタイトルでいくつもりですが(!?)、まあ気にしないで下さい。「どんだけ~」とかは言いませんので。
本日はもう手短にサクっと行きたいと思います。
復習の話。
復習の重要性については、これまで何度かこのブログでも取り上げました。
復習を考える上でとくにポイントになるのは、
エビングハウスの忘却曲線
です。この名前、住宅メーカーの話ではありませんよ。エビングハウスさんという人名です。
この忘却曲線の話も、以前くわしく説明しました。
簡単にいいますと、人間の脳は、覚えたことを
1時間後に56%を忘れる
1日後に74%を忘れる
1ヶ月後に79%を忘れる
というものです。
つまり、覚えた直後から1日の間に、ものすごい勢いで忘れていくということ。
そしてその後は、「1日後74%→1ヶ月後79%」となっているように、最初に一気に忘れたあとはなだらかに忘却していくというわけですね。
したがって重要なのは、
新しいことを記憶したら、その直後から1日以内のなるべく早い段階で1度復習をする
ということです。「なるべく早い段階で」と書いたのは、1日後ではもう遅いから。
だって1日たった段階では、もう74%を忘れているわけです。その時点ではもう遅い。
そもそも1時間後でもすでに半分以上を忘れてしまうのですから、理想は、覚えてから1時間以内に一度復習して忘却をいったん食い止め、
さらに24時間たつまでにもう1度復習をすること。つまり、24時間以内に2度の復習をするわけですね。
これでその後の忘却率がぜんぜん違ってきます。ようするに、記憶に残りやすくなるってわけです。
で、今回とくに強調したいのは、忘却率を食い止めるという理由とはまた別に、もう1つ「早いうちに復習をするメリット」があること。
それは何かというと、覚えてから早い段階で復習をすると、
復習がすごくラクにやれる
というメリットです。
これ、意外に見落としがちなんですが、復習するタイミングによって、心理的な負担がまったく違ってくるのです。
ちょっと考えてみてほしいのですが、1日後に74%を忘れているということは、
その1日後の時点で復習したら、7割くらいはまた一から勉強するのとあまり変わらない感じがするわけです。これはけっこうしんどいですよ。
でも、記憶した直後であれば、当然まだ大半を覚えているので、復習するにしてもすごくラクです。「さっきやったことをまた確認する」だけですから。
勉強とは違うんですが、私がライター(雑誌等の記事執筆の仕事)をしていたときに、インタビューをすることが多かったんですね。
インタビューの時間は、案件によりますが1時間とか、長ければ2時間くらい。
で、そのインタビュー中、ずっと相手が話した内容をメモしていくわけです。そして、そのメモをあとで読み返して文章に直す、という流れ。
好きな仕事だったんですが、この「メモをあとで文章に直す」というのが非常にくせ者でして、
インタビューして3日、4日してからそのメモを読み返しても、もうなんかぜんぜん記憶が残っていないんですよね。自分が書いたメモなのに、
「なにこの文字?こんなこと聞いたっけ?」みたいになる(笑)。
たとえばいろいろ忙しくて、インタビュー後1週間ほどたってからようやくメモを文章に直す、なんてときはもう地獄。
話した内容の記憶が全然ないのです。メモを見てもあまり思い返せない。
そういうことがあってから、インタビューしたその日のうちに原稿の執筆に入るようにしました。するとどうでしょう!さっきインタビューしたばかりですから、覚えてる覚えてる(ノ∀`*)ノ
すっごくラクにスラスラと原稿が書けるんです。
これはつまり、インタビューの内容が記憶にたくさん残っている段階で書き始めたために、
「内容を思い出す」という無駄な労力
をかけなかったからといえます。
逆に言えば、それくらい「内容を思い出す」というのは、(私に限らず誰でも)心理的にはしんどい作業だということ。
受験勉強もまったく同じです。
復習というのは、たしかに予習とくらべれば負担は少ない作業ですが、
同じ「復習」の中でも、「内容を思い出す」という割合が大きいタイミングと、小さいタイミングがあり、
その割合が大きくなるに比例して、心理的な負担も大きくなります。
だからこそ、どうせいずれ復習をすることになるなら、「内容を思い出す」割合が小さい、
記憶してから数時間以内
に一度さらっとでも復習しておくのが、無駄に負担のかからない、うまいやり方だといえます。
まとめると、覚えてから早い段階で復習をするのは、
▼「記憶の定着率が高い」という効率面
▼「内容を思い出す」負担が小さいという心理面
の2つの意味でメリットのある、賢いやり方だといえるのです。
どうせ復習することになるなら、ラクなやり方でやってしまいましょう。