- 2015-8-16
- おすすめ記事, その他・雑談, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
日曜日なので恒例の雑談を。
(日曜日は小ネタか雑談になることが多いです<(_ _)>)
今日はお盆最終日の日曜日にあたりますが、私の場合はこのお盆の期間中、残念ながら「お盆休みだ!やったー!」とか「夏だ!実家に帰って友達に会おう!」という意味でのワクワク感は全くありませんでした。なぜなら、いつも通り仕事をしていたからです(実家には平日に帰る予定)。
私はひねくれ者なので、みんな(=世間一般)と同じように働いて、みんなと同じように休みを堪能する自分が嫌すぎて、ある時期からそれとは逆の働き方ができるワークスタイルを志向してきました。
そのワークスタイル自体はもうずいぶん前に実現したのですが、その結果どうなったかというと、
たとえば今日のような連休の最終日の夜に「明日から仕事かぁ。憂鬱だなぁ(。´Д⊂) 」といった気分になることが一切なくなったのでした(前はよくありました)。
これは日曜の夜に気分が低下してしまう、いわゆるサザエさん症候群というやつですが、ではなぜこのようなサザエさん症候群になってしまう人が多いのか考えてみると、
その大きな理由の一つは「会社に出社する必要がある」からではないかと思うのです。
もし月曜日は在宅で仕事をしてもOKだったとしたら、そこまで憂鬱になる人は多くなかったのではないでしょうか。
しかしここで若い人に朗報があります。
今の中高校生が大学を出て社会人になる頃には、日曜夜のサザエさん症候群は減少している可能性が高いのです。
理由は、今後は「在宅勤務」(=「テレワーク」ともいいます)がものすごく増えることが予想されるから。
もちろん職種によっては出社が絶対必須の場合も少なくありませんが(たとえば接客業など)、デスクワーク型の仕事でPCを使って仕事をする頻度が高ければ、必ずしも9時-17時で出社しないといけないという必然性は現代ではかなり薄れてきているのです。
繰り返しますが、もし、お盆明けの月曜日に、朝9時に出社する必要がなかったらどうでしょう?
月曜日の午前中は自宅で仕事ができて、午後から出社だったとしたら?
あるいは、連休や長期休暇明けは、数時間~半日だけ在宅で仕事をして体を慣らし、その翌日から本格的に仕事ができたら?
そんな調整が自由にできる働き方が可能だったら、おそらく日曜夜にサザエさん症候群に陥る人は激減するのではないでしょうか。
もし「出社なんて社会人なら当たり前だろ」などと、頭から「出社する」という行動に対して一切疑問を持ったことがない人がいたら、失礼ながら「時代の流れを理解していない」可能性が非常に高いです。
たとえば、つい3日ほど前にもこんなニュースがありました。
(朝日新聞デジタル 8月12日(水)11時18分配信)
記事を引用しますと、
「リクルートホールディングスは10月から、在宅での勤務を日数の制限なく、約400人の全社員がだれでも選べる仕組みを導入する。
管理職も可能で、育児や介護などの特別な理由がなくてもいい。
柔軟な働き方を認め、多様な人材に働きやすい環境を整える。
(中略)
リクルートでは、在宅勤務を選んだ場合、会議など出勤が必要な場合を除いて、原則的に自宅など好きな場所で仕事ができる。
社内の連絡は電話やメール、テレビ会議などで行い、1日に1回は仕事の状況を上司に報告する。」
・・・うーん、さすがリクルートという感じです。たしかに在宅勤務は広がりつつありますが、このリクルートが導入する「日数制限がなく、全社員を対象とする在宅勤務」の導入は、個人的にはかなりすごいと思います。
さらに2週間ほど前には、以下のような番組の放送もあったようです。
▼「もう会社には通わない~在宅勤務“革命”~」(2015年8月3日 クローズアップ現代)
↑満足度の+40%は当然として、一人当たりの売上げまで+26%になっているのはすごいですね。
・・・とまあこのように書くと、在宅勤務が「先進的な働き方」のように感じる方もいるかもしれませんが、この流れはもう大昔から予見されている流れなのです。
その一番の名著は「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか 」(ダニエル・ピンク著)ですね。
私はこの本はもう12年くらい前に読みましたが、当時は凄まじい衝撃を受けたものです。受けた衝撃度だけでいえば、私が今まで読んだ本の中でもトップ3に入るくらいの衝撃でした。
この本はフリーエージェント(フリーランス、一人ビジネス、少人数型の企業・個人事業主タイプの働き方)のアメリカにおける当時の状況の調査結果と今後の流れを考察したものですが、現在では当時この本で予見されていた状況がかなり一般化してきています。
そしてフリーランス的な働き方だけでなく、現在社員として働いている方でも、在宅勤務の可能性を考えたい人にとっては、今でも非常に興味深く読める本だと思います。ただし価値観がヤバイくらいにぶち壊されて人生が変わる可能性があるので、注意した方がいいかもしれません。
今までこの本は安易に高校生に紹介できる本ではないと思って紹介してきませんでしたが、時代の流れがだいぶこの本に追いついてきたのでもういいかなという感じになってきました。(ただし大学受験生で興味がある人は、大学に入ってから読んで下さいね。)
なお、社員としてではなく経営者(将来的な起業予定の人含む)としての視点で、社員やスタッフさんの在宅勤務の可能性を考えたい方は(読者さんでそんな人がどれくらいいるかよくわかりませんが。。)、隠れたスーパー名著「奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ」(リカルド・セムラー (著), 岩元 貴久 (翻訳))が個人的には激しくおすすめ。
余談ですが翻訳の岩元貴久さんも起業家の方ですね。今回岩元さんは翻訳者ですがご本人も著書を出されていて、岩元さんの本も10年以上前に読んだことがあります。
「奇跡の経営」は、ブラジルでリクルートのように社員全員を在宅勤務などができる形で自由に働かせて成功している会社の話です。性悪説ではなく性善説にたって、社員を信じて自由に働いてもらっても成功できる、という事例。
この本も働くことに対する価値観が完全にぶち壊れる可能性が高いので、その意味では覚悟をしておいた方がいいかもしれません。
まあ本の内容をどう解釈するかはその人次第ですし、本を読んで壊れた価値観があるなら、それで良かったということでしょうけど。。。いずれにしろ、在宅勤務や働き方を根本的に検討中の方にはおススメです。
これからの時代、正社員だからといって、何も会社で朝から夜までずっと顔を突き合わせていないと仕事ができないわけではないはずです。
「会社に出社して9時-17時で働く」という決まりは、みんなで同じように仕事をすることで規格大量生産をしていく高度成長時代の発想がそのまま残っているだけで、今の時代には合わなくなりつつあります。
仕事はパフォーマンスの問題ですから、その人が価値を生み出しているのであれば、「会社で働く」「9時-17時で働く」必要性は必ずしもありません。
もし会社が在宅勤務をやれる可能性がある事業形態なのに一切それを検討しようとしないとしたら、それは経営者側の怠慢というよりは、社員を全部自分の思うように管理したいという経営者のエゴか、「在宅勤務なんてさせたらロクに仕事をしないに決まっている」という時代遅れの発想をしているか、社員を信用していないかでしょう。
在宅勤務ができれば、サザエさん症候群の減少どころではなく、人によっては日常的に人間関係のストレスも激減するでしょうし、育児や介護などでずっと家を空けるのが難しい多くの人が救われる可能性が高いのです。なんせこれからは介護大国になりますからね。
この「在宅勤務」の流れは世界的な流れですので、大きな流れとしてはもう止められないと思います。その意味で、今の高校生くらいの人はとても面白い時代に生きているのです。
上記のリクルートのように世の中の大半の企業が「在宅勤務を日数制限なくOK」としていったら、最終的にどうなるか?
それは、正社員としての社会的な信用と安定を手にしながら、これまでフリーランスや少人数企業の起業家や一部の個人事業主しか手に入らなかった、かなり自由度の高いワークスタイルを実現させることができるようになることを意味します。
つまり、「安定」と「自由」という、これまで相反する要素という側面が強かった2つの“おいしい働き方”を、同時に手に入れられるようになるということです。
21世紀に入って早15年、正社員とフリーランスの“おいしいとこ取り”をしたような、20世紀には全く考えられなかった働き方ができる可能性がいよいよ高くなってきました。
こういう流れは前向きに考えて、「面白い時代になってきたぞ!」と解釈したほうが楽しいですね。
たださすがに、大学卒業したての新社会人なのに、社会人になった当初から「オール在宅勤務で一人で仕事」なんてことをやってたら全然ダメですが、
(現場で長時間顔を突き合わせて仕事をして、初めて理解できること・学べることが山のようにあるため。実際は新卒の社員にいきなりそんな働かせ方をさせる会社はまずないでしょうし、あったらむしろ新人を育てる気がないブラック企業のような気がしますが。。)
ある程度組織の現場で働いて一定の期間がすぎてきたら、仕事の何割かを在宅に移行させる選択肢を視野に入れていくのは問題ないと思われます。
よく「バブル世代がうらやましい。あの頃に働きたかった」なんて言ってる人がいますが、そういう意味でいうと、今の中学生~高校生くらいの人は、インターネットや携帯電話が普及してネットワークとコンテンツがあふれた面白い時代に、
「社会的な信用」と「経済的な安定」と「働き方の自由」
をすべて享受しながら社会人として働くことができる可能性がある、極めて面白くて幸せな時代に生まれたということになります。
さらに「幸運なこと」に、これからは超がつくほどの人材不足の時代に突入しますので、今後の日本は好景気に突入できる条件が整っています。
安倍首相が消費税増税や外国人労働者を受け入れるようなアホな政策を実行しなければ、今後の日本は総需要に対し供給能力が不足するインフレギャップと呼ばれる状況になりますので、
高度成長期と同じ条件が整い、好景気の時代に入れる可能性が非常に高いのです。しかも東京五輪もありますし。
そうなると、今の中高生が社会人になったら、「安定」と「自由」と「好景気」のすべてを手に入れられる“バラ色”の未来が待っている可能性は決して低くないのです。
そんな感じで日本の若者の働く未来は“本来であれば”明るいはずなのですが、それはあくまで最低限「安倍首相が正しい政策を実行した場合」という条件がついているのが、この国の抱えている大問題であり、本当に憤りを覚えざるを得ない現実です。
残念ながら今のところ安倍首相は「デフレ期の消費増税」という史上最悪の愚策を2017年に実行予定ですので、はっきり言ってその愚策のせいで、本来なら好景気を享受できるはずの日本経済の未来には、暗雲が立ち込めまくっています。
私たちの先祖が戦後70年かけて死ぬような思いの中で働きながら、ようやく築き上げたこの経済大国が、21世紀になってここでさらなる発展を遂げられるにもかかわらず、首相の無知・愚策のために引き続き、“失われた30年”に突入してしまう可能性が高くなっているという、極めて理不尽な岐路に立たされているわけです。
最終的には人材不足と政策など諸々含めて、日本経済がどうなるかは神のみぞ知る話ですが、景気は政策次第ですのでまあともかくとしても、正社員が在宅勤務で働けるという点も含めた「ワークスタイル革命」が今まさに起こりつつあるという意味では、人類史上かつてないほど面白い流れになってきているのは間違いないかと思います。
こちらも有名な良書「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」
不安要素もありますが、時代の流れの“プラスの部分”に目を向けて、明るい気持ちで前向きに、希望を持って生きて行った方が人生楽しめますからね。在宅勤務を含めて、過去に通用したルールや常識などにとらわれることなく、自分の働き方を考えて行ってほしいと思います。
このテーマで伝えたいことはまだまだあるのですが、今日は一旦このへんで。
それではまた。
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