- 2012-3-18
- 1ヶ月100記事企画, おすすめ記事, 効率的な勉強法~中上級編~
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
私の高校時代、同じクラスに2人の極端な友人がいました。
A君は、勉強法の超マニアでした。めっちゃ勉強法だとか、参考書がどれがいいかといった情報に詳しいのです。なんでも知ってました。
が、このA君、それほどまでに勉強法や参考書情報に詳しいくせに、成績がぜんぜん良くなかったのです。ふつう以下でした(^^;)
彼は、単に「勉強法が好き」というだけで、勉強自体はあまりしていなかったのです。
いっぽう、B君は、勉強法なんて一切興味なし。良い参考書情報なんてものにも興味を持たず、
ただひたすら、学校が用意した教材と、学校の課題だけを、しっかりとやっていました。
で、そのB君の成績はどうだったかというと、お察しのとおり、かなり良かったのです。
これはある意味で当然で、学校が用意した教材を、先生が言うとおりにしっかりとこなしてきたわけですから、成績がよくなるわけです。
やはり、「勉強法を知っているが、勉強量は少ない」だけの人より、
「勉強法は知らないが、勉強量は多い」人のほうが強いわけです。なんの世界でもそうですが、実践した者が勝つのは道理ですね。
ところが、私は今、この2人の友人を思い返してみて、「2人とも」良くなかったなぁと思うのです。
「勉強法マニアのA君がダメなのはわかるが、成績がよかったB君もダメなのか?」
と思われるかもしれませんが、今思うと、B君のスタンスもよくないのです。
「守・破・離」という言葉をご存じでしょうか?
これは、物事をマスターしていく上でのプロセスを表した昔からある言葉なのですが、
守・・・すでに実績のある方法の型を忠実にマネる
破・・・その型を自分自身に合ったスタイルにするために試行錯誤する
離・・・自分に合ったオリジナルの方法を確立すること
という意味です。
私は勉強法をマスターする場合も、多かれ少なかれ、これと同じプロセスをたどる必要があると考えています。
世間で言われている勉強法も、一度マネしただけでは自分の中でしっくりこないことも少なくありません。
それについては、試行錯誤と微修正を繰り返しながら(=破)、最終的に自分に合った形にしていけばいい(=離)のです。というか、必ずそうする必要があるのです。
先の勉強法マニアのA君は、この「守」の、さらに導入部分でしかない「まず知る」というところしか実践していません。よって成績が伸びないのは当然ですね。
私が勉強法否定派のB君のスタンスも良くなかったと考えるのは、この守・破・離でいうところの、
いきなり「離」の「オリジナルのやり方」に入っていたからです。
もちろん、「学校で指示されたやり方に従った」という意味では、厳密な意味でB君オリジナルではないのですが、
世間にあふれている勉強法や参考書情報を一切無視して、学校が言うことだけを真正直に(悪くいえば鵜呑みにして)やっていただけですから、
広い視野に立って考えると、B君のスタンスも「我流」でしかないと私は思うのです。少なくとも「我流になっていないか検証する」プロセスが抜けています。
で、B君の勉強のやり方は、実際「我流」だったのです。
彼は、学校の成績こそ良かったのですが、受験では「B君なら絶対あの大学には合格するに決まっている」と言われる大学を受験しました。
が、その結果、B君は不合格になってしまったのです。
当時は「なぜB君があの大学を不合格なんだ??」とみんな驚いたものですが、今はハッキリわかります。学校の指示に素直すぎたのです。
学校の言われるがまま勉強をしていたので、学校の成績は良かったのですが、大学受験の勉強法としては、それが正解ではなかったということです。
よって、勉強法マニアのA君タイプも、勉強法否定派のB君タイプもダメなのです。
性格的には2人ともとてもいい奴でしたが、どちらのタイプも、そのスタンスでは、合格する確率は低くならざるを得なかったわけですね。
大事なのは、正しい勉強法を知り、実践しながら試行錯誤をして、自分にあったやり方を見つけていくこと。
極端なマニアでも、極端な否定派でも成功できません。正解は、その中間のところにあるからです。
これから受験勉強をしていく人は、このバランス感覚をよくよく覚えておいてほしいと思います。
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