- 2011-2-22
- 勉強のモチベーションアップ, 受験を突破するマインドセット, 潜在意識・自己暗示の活用, 特集カテゴリ2(倉庫)
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こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
ここ3回ほど、シリーズで
「脳は同じ言葉の繰り返しに弱い」
という特長を利用して、勉強に集中する方法をお話しております。
<これまでの記事>
「お祈り」と「催眠術」の共通点は何でしょう?
アホな「尊師」にも天才の「孫氏」にもなれる、脳のすごいカラクリとは?
脳をだまして集中する「同じ言葉の繰り返し」術
ここまでの話をポイントだけ復習しますと、
「お祈り」も「催眠術」(だんだん眠くなる~眠くなる~)も「同じ言葉の繰り返し」を利用するものであり、
カルト宗教が「尊師ー尊師ー尊師ー尊師ー尊師ー」などと信者を「洗脳」するのも、
子供の頃から「お前は天才だ!」と何度も言われ続けて天才事業家になった「孫氏」が受けた教育も、
「東大合格!」と大きく書いた張り紙を「しょっちゅう見る」ことも、
すべて「同じ言葉の繰り返し」によるパワーを利用した、心理学用語でいうところの
アファーメーション(深層自己説得)
と呼ばれる、いわゆる「自己暗示」の1つだという話でした。
「めざせカッちゃん甲子園!」
と好きな女の子に色紙に書いてもらって壁に貼っておくのも(笑)
毎日何度も眺めるなら「同じ言葉の繰り返し」を脳に送りこむ、
という意味にいおいて、一定以上の効果があるといえるのです。(例えが古すぎ?今の中高生知ってるかな・・・)
これはそんなに難しい話ではなく、大半の人が多かれ少なかれ無意識のうちにおこなっている「自分に言い聞かせる」という行為のことです。
部活の大会や試験の本番など、何か「ここぞ」という時に、自分の心を落ち着かせたりベストな状態に保つために、
「大丈夫、きっとうまくいく!」
とか
「絶対この試合で勝つ!」
などと、「何度も」自分言い聞かせたことってあると思います。それと同じです。
勉強でも、「今日中に絶対このTodoリストを全部終わらせる」と何度も頭の中で繰り返し言い聞かせて勉強をスタートすると、達成率がぜんぜん変わります。
あるいは休憩が終わったあとに、キッチンタイマーで時間を設定して、「今から○分間集中するぞ!」と何度も繰り返してから勉強を始めると、やっぱり集中度がぜんぜん変わってくるのです。
これ、何をやっているかというと、
潜在意識に働きかけている
ということなのです。
意識には、表面に出ている意識である「顕在意識」と、そのさらに奥にある「潜在意識」があります。
そして重要なのは、人間は「潜在意識」が99%以上を占めているという事実。
全体の割合でいえば潜在意識が圧倒的に支配しているのですが、我々はそれをうまく利用しきれていません。
その有効な利用法の1つが、「同じ言葉を繰り返す」という行為なのです。
たとえば私は大昔、「次の試験で学年で1番になる」というあまりにも無謀な目標を立てたことがあります。
そのときはもちろん、上記のような脳の仕組みなど何も知りませんでしたが、試験勉強の期間中ずっと
「絶対オレは1番になる、絶対オレは1番になる、絶対オレは1番になる」
と何百回、何千回と心の中で繰り返しておりました。
このとき脳の中で何が起こっていたか?
「学年1番になる」というのは、そのときの私からしたら、あまりにも無謀な挑戦でした。したがって、目標を立てた時点では、それはあくまで理想の夢物語。
そんな状況で「学年で1番になる」と思ってみたところで、潜在意識のレベルでは
「といっても、さすがにそれは無理」
「ありえへんしそんなん」
みたいな感覚が沸き起こります。だって、これまでの「現実」とは違う「理想」を言葉にしてみただけだから。
これまでの「現実」をよく知っている潜在意識からしたら、
「あんた、今までの自分のレベルわかってる?無理無理」
と言いたくなるわけです。潜在意識が、そう言ってその「理想」のイメージを払いのけようとします。
しかし、その払いのけようとする力に負けずに、何度も「同じ言葉」を繰り返す。
するとどうなるか?
何度も何度も「学年で1番になる」と繰り返しているうちに、潜在意識は、少しずつだまされていくのです。つまり、
「100%無理無理!」
↓
「だから無理だっての」
↓
「そんなに言うなら、まあどうかな」
↓
「そこまで言う?ちょっとなら可能性あるかもね」
↓
「あるいはひょっとしたら、1番行けるんちゃう!?」
↓
「いや、なんか行けそうな気がしてきたわ」
↓
「ちょっと待って、いけるんちゃうか!?」
↓
「いや絶対1番になれるで自分!」
↓
「絶対1番になれる!」
みたいに、潜在意識はまんまと騙されていきます。
こうして何度も何度も同じ言葉を繰り返すことで、最初に「学年で1番になる」と思った瞬間に感じた「違和感」が、
いつのまにか、徐々に薄れて行き、ついには「それが当たり前」「1番になるに決まっている」と思い込めるようになります。この
「1番になるに決まっている」
とまで思えるようになったら、あなたの勝ちです。
「思い込むだけで、現実的な努力をしなけりゃ意味ないじゃん」
と思ったあなたは鋭い(笑)。そうです、思い込むだけでなく、「現実的な努力」をしなきゃ何も変わりません。
ところが、実際はこの「1番になるに決まっている」と思い込んだ瞬間から、
「現実そのものが変わってくる」
という事態が起こるのです。
(次回に続く!)
次回記事⇒ 脳が作り出した「解釈」で現実を変える方法