- 2014-11-25
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こんにちは、中西です。
先日、安倍総理が衆議院の解散を宣言し、解散総選挙が行われることになりました。この選挙によって始まる“ほぼ確定した日本の未来”と、その未来に間違いなく大きく左右されるであろう現受験生向けに、今どうしてもお伝えしておきたいと思ったので書くことにしました。
以下の内容で少し政治経済の話が入りますが、言うまでもなくこのブログは受験生向けのブログですので、安倍政権や解散総選挙などの議論ではなく、あくまで受験生(とくに浪人生・高校3年生の大学受験生、またその予備軍の高校1~2年生)にとって、超近未来の人生をどう認識し、どうすごさないといけないのか・・という視点で書いていきます。ご了承を。
ちなみに、いま「超近未来」と書きましたが、これはどれくらい近未来の話になるかというと、「3ヶ月後から」になります。今この文章を執筆しているのが11月末ですので、3ヶ月後の2月末には大半の大学受験生が受験を終えていることでしょう。以下は、そのタイミングからスタートする話なのです。もはや「超近未来」というか「このあとすぐ!」レベルの現実の話といえます。
今回のキーワードは「消費税の再増税」です。なぜ受験生向けの勉強法・集中法を語るブログで消費税の話が出てくるのか、大学受験が終わったあとのバラ色の大学生活とどう関係しているのか。そう思われる方も少なくないと思われますが、「消費税の再増税」は恐ろしいほど現大学受験生の未来に関わっています。
その事実を“正確に”認識できている大学受験生・高校生はほとんどいないでしょうし、ましてその対策まで理解できている大学受験生など皆無に近いのではないかと個人的に思っています。
残念ながら学校や塾の先生でも、これを受験生たちの近未来に起こる出来事としてきっちり説明し、具体的にこれからどうすればいいのかまで教えてあげられる方が果たしてどの程度いるのだろうかと思わずにはいられないのです。もし以下の内容に同意いただけた教育関係者の方は、ぜひご遠慮なく今回の内容を生徒さんに教えてあげて下さいませ。
前置きはこの程度にして、さっそく本題に入ります。政治経済の話が少し入るのでもしかするとちょっと難しく感じる人もいるかもしれませんが、あなたの未来にダイレクトに関わる重要な話なので、どうか最後まで読んでみてほしいと思います。
<安倍総理の再増税の話がムチャクチャすぎる理由>
ご存じの通り、今年の4月から消費税が8%に上がりましたが、引き続き来年10月から10%に再増税するかどうかについて、安倍総理はそれを延期させる決断をしました。
もともと再増税の判断には「景気条項」と呼ばれる指標があり、簡単にいうと「10%に再増税するかどうかの判断は、4~9月までの景気の状態を見て決める」という条件がありました。
ところが、4月に消費税を増税したあと景気はどうなったかといえば、GDPは2期連続でマイナスになるなど、もうどこからどう見ても景気は悪化しているという状況に陥ったのです。
こんな状態ではとても増税なんてできる経済状況ではないということで、来年10月の再増税は延期となり、それを含めたアベノミクスの信を問うため(?)なのか何なのかわかりませんが、衆議院を解散し、解散総選挙をすることになっているのが、今現在の状況です。
問題はここからです。安倍総理は衆議院を解散させる際、「2017年に景気判断条項なしで増税を実施する」と宣言したのです。さらに、解散後の記者会見でもこう明言しています。
「平成29年4月から確実に消費税を引き上げることといたします。今回のような景気判断による延期を可能とする景気判断条項は削除いたします」
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1121kaiken.html
・・・つまり、簡単に言うと安倍首相はこう言ったわけです。「今回は景気を事前にチェックした上で増税するかどうかを決めるっちゅう約束をしとったから、しぶしぶチェックしてみたったんや。そしたらビックリするほど景気が悪くなってたさかい、もう再増税を延期するしかなかったんや。そやけどな、2017年4月にはわしゃそんな約束はせえへんで。何があっても絶対に消費税を10%に上げたるさかいな。」ということです。さらにいえば「こう明言して衆議院を解散したんやさかい、わしら自民党が選挙で勝ったら、国民はもう消費税の再増税を認めたってこっちゃで」(注:関西弁に悪意はありません(-_-)中西は関西出身です)。
個人的には「なんて恐ろしいことを言う人が総理をしているんだろう」と思わずにはいられませんが、しかしだからといって選挙では政権運用能力がない他の党に入れるわけにもいかない・・・・というのが多くの有権者の判断になるでしょう。
ということで、死ぬほど苦渋の消去法ですが、今回の選挙では自民党が勝つことはほとんど明らかといっても過言ではないですし、よって第三次安倍内閣が発足するのも確定的だといえます。
その結果、第三次安倍内閣は2017年4月に、極めて強引に、極めて恐ろしいタイミング(8%の増税によって景気がより悪化しているタイミング)で、「消費税再増税」を成し遂げることになるでしょう。
ここまでの話を一言でまとめますと、ようは「2017年4月の消費再増税が、ほぼほぼ確定した」ということです。個人的には9割をはるかに超えていると思います。
さて、この「2017年4月の消費再増税が、ほぼほぼ確定した」という状況は、いったい何がどうなることを意味するのか。
「消費税が10%になったら買い物が毎回痛いねぇ。。じゃがりこが160円台になるのかな」みたいな話では済まないのです。
実はこの「2017年4月の消費再増税」こそが、まさに現大学受験生・高校生のあなたの未来に、決定的に重大な影響を及ぼすことになるのです。
<消費再増税があなたの未来に何を引き起こすのか>
この2017年4月に強行される消費再増税が何を引き起こすのか。それを理解するためには、消費税とはそもそもどういうものかをある程度以上理解しておく必要があります。
一般的には日本の財政を立て直す財政再建のために、税収を増やすべく消費税を増税する、ということのようです。が、これについて結論から言いますと、現在のようなデフレの状況において、消費税を増税することで財政を再建することなど絶対にできません。絶対に、です。
もしもあなたが世の中のことを知っておきたいと新聞を毎日しっかり読んでいる真面目な大学受験生であった場合、おそらくは「日本は財政難で借金がとんでもないことになっているから、消費税の増税もやむなしか。」といった見解になっている可能性が高いですが、
残念ながら消費税においては新聞の見解は信じてはいけません。消費税に限らず、経済系とくに国の借金問題系の話は本当にひどいものがあり、今回はそこは関係ないので省略しますが、あまりにも無茶苦茶な主張が大新聞各紙でなされています。
そもそも、人類の歴史上において増税で財政再建した国など1つも存在しないのです。これは死ぬほどに重要な事実ですが、こんな基本的なことすら総理はご存じ無いということなのでしょうか。。
いっぽう、逆のパターンならいくらでもあります。つまり増税して失敗した国です。それがたとえば他国の大昔の事例とかならまだわかりますが、97年に増税で大失敗した国がアジアの東のほうにあるではございませんか・゚・(ノД`;)・゚・
97年に橋本政権が消費税を3%から5%に増税して、その後日本は深刻なデフレ時代に突入しました。もともと91年にバブルが崩壊して、その後経済が低迷しているところに“絶対にやってはいけない”消費税の増税をしてしまったからです。
橋本龍太郎は死ぬ前に「財務省にだまされた」と言って死んだそうですが、だまされたも何も、自分がだまされるレベルの経済の勉強しかしていなかっただけだろうとツッコミたくなります。確かな消費税に対する知識さえ持っていれば、最高権力者なのですから財務省(旧大蔵省)がなんと言おうと最終的には凍結できたはずなのです。
橋本首相(当時)の無知から来る消費増税という判断がいったい何人の自殺者を出したのかという話です。97年まで24000人ほどだった自殺者数は98年から突然3万人台になり、以降十数年にわたって3万人以上が続きました。
【 デフレ期の消費増税は、絶対にしてはいけない愚策中の愚策 】
なのです。・・・鬼重要なことなのでもう1回言っておきましょう。
【 デフレ期の消費増税は、絶対にしてはいけない愚策中の愚策 】
です。ふう。。本当はこれをあと100回繰り返したいのですが、画面が縦長になりすぎるのでやめときます。これについては議論の余地など1ミリもないと思うのですが、少なくとも私はそういう見解だという控えめな書き方をしておきます。
(このあたりは去年の消費税増税が決まった10月1日にもブログに書きました。あまりの脱力感とともに。。2013年10月1日の記事「完全なる失策」が決定した日 ※いま再読してみたらこちらの記事で「ここで増税をすれば、間違いなく再び日本経済は失速します。『失速する可能性もある』ではなく、確実に失速します。」と書いてるのですが、増税後はその通りの展開になっています。こんなものは予測が当たったのでもなんでもなく、ただの物理法則です。リンゴを手から離したら下に落ちる、デフレで消費増税したら景気は低迷する。当たり前。)
【追記】
大学受験生・高校生のあなたに、新聞などのマスコミ報道(「日本は借金まみれなので消費税の増税もやむなしか」という方向に持っていく言論)が正しいとは限らないことを“直感的に”理解してもらうために、その反対論の出版物の画像を貼り付けます。こんな感じ↓。ちなみに私は以下の本はどれも読んでませんので念のため。
※タイトルだけで「消費増税の間違い」を指摘していることがわかる本だけ選びました。 タイトルになくても消費増税の間違いを指摘した本はほかにも無数にあります。興味のある方は大学入学後にでも読んでみるといいと思います(最後にも書きますが、今は受験勉強に専念してください)
国のトップが無知ということが、いったいどれほど想像を絶する被害・惨状を国民にもたらすのかという、これ以上ない前例がつい最近にあったにもかかわらず、安倍総理は再びまた、橋本首相と同じ轍を踏もうとしているのです。あまりにも学習能力が無さすぎて、バカバカしすぎて泣けてきます。ティッシュが4箱あっても足りないです。゜゜(´□`。)°゜。
そして、まさにこの頃に起こったある社会的な大きな出来事、つまり97年の消費増税後の深刻なデフレによって引き起こされた“当時の若者たちが直面したある出来事”が、今また再び、現受験生のあなたの近未来に訪れることになるのです。
<97年の消費増税後、若者の間に何が起きたか?>
ようやく、今回のテーマの核心に来ました。ここまでで経済状況の背景の説明はしましたので、ここでは結論を先に言いたいと思います。
97年の消費税増税後、当時の若者の間で何が起こったのか?それは・・・
【 就職超氷河期 】
です。「就職氷河期」とはようするに、デフレのせいで企業が儲からなくなり、全国的に新卒(大学卒業直後の人)の採用を控えるということです。端的に表現すれば、「大学を出ても働けなくなる」ということです。
どこの企業も新たに人を雇う余裕がなくなり、リストラが当たり前になり、よって大学を卒業してもどこにも採用してもらえなくなるのです。非常に優秀なごく一部の大学生だけが何社からも内定(採用)をもらえるようになり、他の多くの学生は不本意な会社で働くか非正規雇用にならざるをえなくなります。つまり「大学を出たけどフリーターになるしかない・゚・(ノД`;)・゚・」というような状況が普通に起こるのです。
この就職氷河期は、バブル崩壊後の90年代半ばから始まり、97年の消費増税後に一気に深刻化、90年代後半から2000年代の前半あたりまでは、ただの「氷河期」どころではなく「超氷河期」とまで表現されるほどの、若者にとっては「明日の生活に困る」といっても過言ではない時代に突入したのでした。
もう私が言いたいことは、だいたいわかったでしょう。そうです、「2017年4月の消費再増税が、ほぼほぼ確定した」ということは、
【 2018年以降、再び深刻な就職氷河期が訪れる可能性が高い 】
ということです。あえて控えめに「可能性が高い」といいましたが、安倍総理が消費増税を2017年4月に行ったとしたら、間違いなくそうなると私は思っています。
今、ニュースなどで就職活動が「バブル期なみの売り手市場」などといった話を聞くことがありますが、そんな状況はまもなく終焉を迎えることになるはずです。一部の人手不足の業界・職種を希望する人などを除き、数年後の大半の就活生は、就職難の中でこの2014年の就活生を羨ましがるような状況に陥るでしょう。
しかも、今回の2014年4月の増税後の景気状況は、97年の増税後の当時の状況より悪くなっています。こんな景気の低迷している状態があと2年半ほど続いたあと、その悪い状況の中で追い打ちをかける形で断行される、最悪の「消費再増税」になるはずです。
その後訪れる就職氷河期は、おそらくただの氷河期では済まないでしょう。98年~2000年代前半まで続いたような「超氷河期」になる可能性が高いです。いずれにしろ、2018年以降(早ければその1~2年前から)は就職氷河期に突入し、20年前と同じような歴史をまた繰り返すことになるのは、私はほぼ間違いないと思います。
そしてまさにその頃、現大学受験生・高校生は大学3年生になり、就職活動を迎えることになるのです。
<では現受験生・高校生はどうすればいいのか?>
これだけ説明しましたが、それでも再来月から受験が本格化する現受験生のあなたにとっては、3年後の未来より、今どう乗り越えるかの方が重要でしょう。その気持ちは痛いほどよくわかります。そしてそれで正解です。
早ければ2017年前後~2018年以降、「就職氷河期(おそらく超氷河期)」が訪れるでしょうが、その時期まで「あと3年あるんだな」ではありませんからね。受験と同じで、3年後に動き出していたら遅いのです。
ではいつからか?言うまでもなく「受験終了直後から」です。だから冒頭で今回の話は「超近未来」の話であり、その時期は「3ヵ月後」からのスタートだと言ったわけです。
もちろん受験終了後、あなたは大学でバラ色の生活を謳歌していいです。むしろ大いに謳歌して下さい。ただし、その謳歌の仕方を間違えたら、3年後に大げさではなく地獄を見る可能性があります。就職氷河期とはそういうものです。
したがって、合格したからといって「ふー、やっと大学受験が終わったぜd=(´▽`)=b ♪卒業まで4年間のんびりしようっと」なんて思っていたら、3年後、どこにでもいる普通の大学生となり果て、どこからも雇用されないフリーターになってしまう可能性が高いです。そのときに大学1~3年生の自分の過ごし方を悔いても遅いのです。そうなって欲しくないのでこうしてやたら長い文章で恐縮ですが、わかってもらいたくて経済状況の背景から説明しているわけです。
え?私の予想が外れたらどうするんだって?いやいや、だったら最高じゃないですか(笑)冗談抜きで。だって就職氷河期が来ると思って自らを成長させて、厳しい状況に対応するつもりで入学直後から過ごしていたのであれば、あなたはきっと3年後、より確実に心から納得のいく就職をして社会人になることができる可能性が高いのですから。
もちろんより厳密には就職というのは「進路の一つ」だといえますが、大多数が大学卒業後に就職するわけであり、まして大学入学時点でどうするか決まっていないのであれば、就職する前提で考え、動いたほうがいいわけです。
そしてそのために、今大学受験生のあなたに心に留めておいてほしいことを最後にまとめます。
1、今回の話を頭の片隅に入れておいてください
2、今は受験を突破することが最重要です。今回の話を“いったん忘れて”受験勉強にのめり込んで下さい。そして合格を勝ち取るのです。
3、合格後、今回の話を思い出してください。なんならこの記事をもう一度読みに来て下さい(笑)
4、あなたの未来に確実に訪れるであろう「就職氷河期」を乗り越えるには、大学3年生になってからでは遅いです。よって大学入学直後から、就職氷河期をどうすれば乗り越えられるのかについて、情報収集し、調べて行って下さい。もちろん、大学生活を思いっきり充実させながら、楽しみながら、です。
5、そんなつもりはなかったのですが、流れ上言うしかないので言いますと、私(中西)が大学生活をどう乗り越えればいいと思っているのか、その見解を知りたい方は、「大学生活パーフェクト攻略法」を手に入れてください。
別にこれを買う必要はないですが、「では中西さんは、大学1~3年生はどのように対処すればいいとお考えなのですか」という質問については、とても一記事では語れないので、音声にまとめたものがあります。必要ならそれを聴いて下さい。ええ、まあ、CMですよ。自分のブログでCMくらいさせてくださいヽ(´▽`)ノ もちろん自分で調べられるならそれでOK。
6、今の時点で大事なのは、今後自分にそういう未来が待ち受けている可能性が非常に高いことを知っておくこと。そしてそのための対策は、大学入学直後から意識してスタートさせておかないと「あっというまに時間がすぎて手遅れになる」ということを頭の片隅に入れておくこと。またその前提で大学生活をすごして、結果就職氷河期が訪れなかったら、あなたはより有利に就職活動が出来ることになるのでそれほど素晴らしいことない・・・ということです。
7、今回の話を頭の片隅に入れたことを、忘れないで下さい(笑)
以上。
P.S
今回の記事にご納得いただけた方は、合わせてこちらの記事をお読みいただくと今後の参考になるかと思います。今回の記事とともに、中西が本年度もっとも読んでおいてほしい記事です。実は今回の記事と本質的には同じことを語っています。⇒ テレビを観てはいけない本当の理由 本年度アクセスNo,1記事
P.S2
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