- 2015-8-22
- おすすめ記事, 受験を突破するマインドセット
こんにちは、中西です。
受験勉強というのは、求められている「知識を身につける」という要素だけではなく、その合格までのプロセスにおいて多くのことを学び、知らぬ間に多くの力を養成しています。
それがどういうものかという話は教育現場でされることはほとんどないかと思いますが、このブログではそういった話も多数してきました。
最近なら「自己管理能力」や「目標達成能力」の話などしましたが、受験勉強を通してそういった能力を同時に身につけているわけですね。
中でも意外に見落とされている要素だと思うのが、孤独な作業に耐え抜く力、いわば
「孤独力」
の存在です。
よほど特殊な習い事などでもしていない限り、日本の一般的な10代の学生が、受験勉強以上に長期間に渡って一人で孤独と向き合い続ける経験というのはほとんどありません。
(ゲーム・漫画・動画などのコンテンツを観るのも一人でやる作業ですが、それはここでいう「孤独な作業」には含みませんからね。ゲーム・漫画・動画は一人で受身的に楽しめる単なる娯楽であり、孤独と闘いながら「人生がかかっている目標」をクリアしていくようなチャレンジではないため)
ではなぜ「孤独力」なんてものを養成する必要があるかというと、生きて行くあらゆる場面で、孤独に耐えて自分と向き合わざるを得ない場面に遭遇するからです。
たとえば社会に出てからどんな仕事をするにしても孤独力は絶対的に必要で、もし孤独力を全く求められない仕事があったら、それは言葉は悪いですが奴隷的に仕事をさせられている可能性が高いといえます。自分の頭で考え、自分で主体的に取り組む仕事において、「孤独に耐える必要性が無い仕事」など存在しないからです。
奴隷的に仕事をするということは、自分の望まないレベルの低所得でも、嫌な仕事でも、生活のためにただひたすら言われたことをこなすだけで、希望が無い人生になるということを意味します。「希望格差社会」なんて言葉もありますが、格差というのは本質的にはそういうところで起こっていたりするのです。
その他、文章を書く、アイデアを出す、イラストを描く、システムを作るなどクリエイティブな仕事なんて典型的な孤独と向き合う職業ですし、漫画家や作家なんて孤独中の孤独、華やかそうに見えるミュージシャンですら舞台に立つ以外では徹底的に孤独と向き合っておられるわけです
(たしか今日富士山で10万人相手にライブ中の長渕も、表向きは派手に見えますが実際は曲を作るときがいかに孤独かという話をよくしています。孤独に耐えて第一級の創作をしているから、あれだけ多くの人を引き付けられるわけですね)
みんなをまとめるリーダー・管理職・経営者という仕事も、周りにたくさん人がいて一見孤独感など無さそうですが、リーダーというのは圧倒的に孤独な仕事です。とくにリスクの高い経営者の仕事なんて孤独な仕事の典型。
人と向き合っている学校の先生などの教える職業や子育て中の主婦の方でも、多かれ少なかれ孤独と向き合って行かざるを得ないわけです。
そして恐らくもっとも孤独なのは、素晴らしい創作物や偉業を成し遂げた「天才」と呼ばれる人たちです。
天才と呼ばれる人たちは、どの分野であっても全員例外なく、孤独の中から天才的な作品・発想・業績を生み出しています。孤独に耐えた経験のない天才など存在しないです。よって孤独に耐えることなく、常に誰かと楽しくおしゃべりしながら孤独感の全く無い生活を送っている人からは、天才的な業績というのは残せないということになります。
そういった感じで孤独力(孤独耐性)というのは生きて行く上で非常に重要な要素であるわけです。にもかかわらず、それを養成する絶好の機会の受験勉強をするときに、一人じゃ寂しいからとマック(マクドナルド)とかで友達と一緒に半分くっちゃべりながら勉強している自称“勉強会”のようなことをしている(実は孤独から逃げているだけの)受験生って本当にダメだなと思いますし、そういうタイプは孤独から逃げているので成績も伸びようがないのです。
最近の調査で女子高生は平均1日7時間スマホをいじっているというデータもありますが、そのうちSNSなどでの友達とのやり取りも、結局は一人の孤独感から逃れたいだけだったりします。
常に誰かとつながっていたいという気持ちはわかりますが、孤独と向き合うことが出来ない人は、成績が伸びないばかりか、最終的には奴隷人生(自分が主体となってコントロールする人生ではなく、誰かにコントロールされる人生)がかなり高い確率で待っているのです。
だって「自分のやるべきこととしっかり向き合う」ことや「自分の頭で考える」という孤独な作業を放棄しているわけですから、そんな人が自分のやりたいことを自由にやれる人生を送れるはずがないじゃないですか。
だからこそ、孤独に耐える「孤独力」(孤独耐性)が低いままのお子チャマではだめなわけで、受験勉強という延々と続く孤独な作業(といっても期間限定ですが)を通して、自分の責任で孤独の中に身をおきながら目標を目指して勉強するという、孤独力を養成できる滅多に無い貴重なチャンスを逃してはいけないわけです。
といってもこれがなかなか辛い作業に感じる人も多いでしょうし、私も受験生当時は辛いものだと思ったものですが、しかし実際のところ、受験勉強という期間限定で、かつ、やることもバッチリ決まっていて、あとは淡々とやるだけで成長していけるというこんなシンプルな孤独にすら耐えられない人は、そのあと何をやっても非常にきつい社会人人生になる可能性が高いと思います。
だからこそ、受験勉強を通して自由に楽しく生きて行くために必要な「孤独力」の基礎を今ここでしっかり身につけておかないと、あとあと苦しくなるということです。
というわけで、受験勉強というのは単に求められている知識を身につけて行くだけのイベントではなく、近い将来かならず圧倒的に役に立つ「孤独力の養成」をしているという側面もありますので、その点をぜひ忘れないでほしいと思うのです。
それではまた。
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