- 2012-3-20
- 1ヶ月100記事企画, おすすめ記事, 勉強のやる気アップ法, 勉強の習慣化
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
人間の「脳」というのは本当に不思議な器官で
恐ろしいまでに精巧で
複雑にできているかと思えば、
意外にも簡単に(自己暗示などで)ダマされたり
案外怠けものだったりもします(笑)
とくに脳の怠けものの側面が顕著にあらわれる性質の1つに、
【 脳の保持性 】
と呼ばれるものがあります。
この「脳の保持性」というのは
脳科学者の篠原菊紀教授の言葉ですが、
「保持性」というのは、ようするに、
「このままずっと、同じ状態でいたい(>_<)」
と感じてしまう脳の機能のこと。
たとえば英語の勉強をしているときは、
脳は「英語モード」に入っているので、
「このまま英語をずっと続けたい。
他のことはやりたくない」
というのが脳の本音です。そのほうが楽だから。
掃除をしているときは、そのままずっと掃除を続ける方が楽。
ジョギングをしているときは、
そのままずっとジョギングを続けるほうが楽。
数学をやっているときは、
そのままずっと数学を続けるほうが楽なのです。
もちろんある程度やって疲れたりきたり、飽きたりしたら
休みたくなるわけですが、
そうでない限りは、脳は同じ状態を維持することを好みます。
英語の勉強を5分やって、
その後数学を3分して、
次の2分に日本史をして
次は掃除を5分したあと、
また数学を3分して
その後5分玄関の掃除をして、
次の5分で物理をやって・・・
というように、コロコロと
やることを変えてしまうと、
「脳の保持性」が維持されずに
多大なストレスが脳にかかるのです。
脳はこのような「切り替え」のタイミングに
多くのエネルギーを使います。
勉強をしていて脳が勉強モードになり
「ずっとこのままの状態でいたい」と
脳が本心で思っているのに、
そこで急に掃除をやるとなると、
一気に「違うモード」に切り替えないといけません。
ここに大きなエネルギーが必要になって
脳に負担がかかるわけです。
車でも、一度止めてしまうと、
次に走り出すときに大きなエネルギーがかかります。
よって、車も停止状態から走り出す「切り替え」の
タイミングで多くのガソリンが必要になります。
脳もこれと同じで、モードを切り替えるときに
多大なエネルギーがいるわけですね。
とくに、「勉強してない→勉強スタート」の
タイミングは一番エネルギーが必要。
勉強そのものが大好きな人なら
この「脳の保持性」の壁を乗り越えて、
違うことをしていても
すぐに勉強に取りかかれるでしょうが、
それほど好きでもないなら、
保持性が邪魔をして、
なかなか勉強を始める気が起きません。
よって、そういう場合は
▼勉強を始める前に決まった儀式をする
▼勉強を始める時刻や順番を決めてパターン化する
▼「単語から始める」など、軽いモノからスタートする
といった工夫をするとうまくいくことが多いです。
逆にいうと、そういう工夫が何もないと
「保持性」が勉強開始の邪魔をするということ。
勉強やその他で、なかなか「切り替え」がうまくいかないという人は、
それ自体はあまり深刻に考えないで、
今回の「脳の保持性」の話を思い出し、
上のような「儀式化」「パターン化」などの工夫で
乗り越えるように心がけてみることをおススメします。