- 2016-2-29
- おすすめ記事, その他・雑談, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
数日前より、新章
「好きなこと」論シリーズ
に突入しています。
実は、
自分の「好きなこと」を探っていく上で、
多くの人が陥りやすい
やっかいな“勘違い”があります。
それは、
【 好きなこと」と「得意なこと」を混同する 】
ことです。
もう少し正確に言うと、
「好きなこと」と「得意なこと」が
一致する場合と、しない場合がある
ということです。
前者であれば問題ないのですが、
後者の場合に
「得意なことだから、自分はこれが好きなんだ」
と思い込んでしまう人が少なくありません。
そしてその判断基準で仕事や進路の
重要な決断をしてしまうと、
取り返しがつかないレベルの
失敗(判断ミス)をする可能性が高くなるのです。
このあたりについては、
「最高の成果を生み出す6つのステップ
~仕事で“強み”を発揮する法~」
(マーカス・バッキンガム、日本経済新聞社)
という翻訳本の中で、
参考になるエピソードが書かれていますので
紹介しましょう。
ある会社でプロジェクトリーダーとして
活躍しているマギーという女性がいたのですが、
彼女はいくつもの複雑なプロジェクトを
同時に動かしてみんなをまとめる
才能に秀でていました。
その手腕は見事で会社からの評価も
高かったのですが、
そこまで才能があるにもかかわらず、
彼女はその仕事が辛くて、やればやるほど
エネルギーを奪われていく感覚があった
というのです。つまり
「得意だけど、好きではない」
仕事をやっていたということです。
もっと極端な例も紹介されています。
子供の頃から水泳の才能に恵まれた
マット・ボーデンという
高校生の選手がいたのですが、
彼は水泳で学校記録を次々と更新し、
あらゆる大会に出場して多くのメダルを取り、
クロールだけでなく背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ
といった複数の種目で、他の選手の追随を許さない
圧倒的な記録を打ち立てていました。
ところが、彼はこれほど才能に恵まれているのに、
水泳をやるのが苦しくてしかたがなかった
というのです。
著しい結果は出せるけど、全く楽しくないと。
一方、彼には得意なことがもう1つあり、
それは音楽でした。
ギターを弾き、発声練習をし、作曲をする。
そのどれもが楽しくて時間があっというまに
過ぎていくほどだったのです。
曲を作れなくて苦しんでいるときでさえ、
水泳で感じたような苦しさは感じなかったそうです。
で、彼が高校2年の終わりにコーチに
「水泳を辞める」と言いに行ったら、
コーチも両親も「水泳と音楽を両立させなさい」
とアドバイスしました。
ところが彼はその助言に従わず、
音楽だけにしぼった結果、
今ではカリフォルニアで立派な
音楽プロデューサーになっています。
つまり先述のマギー同様、
彼にとっても水泳は
「得意だけど、好きではない」
分野だったのです。
多くの人は
「得意なこと=好きなこと」
という図式をつい思い浮かべてしまうのですが、
必ずしもそうとは限らないということです。
そして、この「見分け」がしっかりできずに
進路の判断を間違った場合、
非常に辛い人生になりかねません。
「好きなこと」論シリーズ、明日も続けます。
それではまた。
<追記>次の記事をアップしました
「書くこと」が嫌いな私が、書き続けられる理由