- 2011-4-20
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こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
今日はさっそく行きます。
受験勉強って大きく分けると、
インプット学習
と
アウトプット学習
があると思います。
「インプット」って何かといいますと、まあそのままに近いんですけど、「知識を暗記すること」ですね。知識のインプット。
「アウトプット」とは、訳すとたぶん「外に出す」ってことですが、受験勉強の場合はようするに
「暗記した知識を(脳から外に出して)実践で覚えていく」
といったことで、まあ簡単に言ってしまえば
「問題を解くこと」
と思ってもらえばけっこうです。
で、多くの人は、この2つにどんなイメージを持っているかというと、
インプット学習完了→アウトプット学習に移る
といった流れで考えている人が少なくありません。
「まず教科書や参考書で暗記がしっかり完了してから、次に問題集へ行く」
といったイメージですね。
おおむねそれで間違ってはいないんですが、この考え方には「ちょっと危険な落とし穴」があるので注意してください。
その落とし穴とは、インプットを
「完璧に終わらせてから」
問題集に移ろう、という部分です。「完璧に終わらせてから」と考えてしまうと、非常に危険なんですね。
それではちょっと遅いのです。いや、遅すぎと言ってもいいくらい。
これはある意味で、「問題を解く」という作業をどうとらえているかの違いなんですけど、
「実力の最終チェックのために問題を解く」
「正解することを目標に問題を解く」
そういった意味でしか「問題を解く」ことを認識していない人は、きっと
「問題を解くのは、インプットが完璧に終わってから」
と考えてしまうでしょう。
でもね、実際のところ、「問題を解く」っていうのは、それ自体が「知識のインプット」にもなるんですよ。むしろ、
「問題を解く」ことで初めて知識が本物になる
部分が大きいんです。
教科書や参考書を、赤ボールペンや蛍光ペンで線を引きまくっても、重要な太字を何度も覚えても、
どんな形で問題として出されるか
がわかっていないと、いざ問題に直面して、
「この分野、めっちゃ線を引いて覚えたはずなのに、答えが出てこないよ(ノД`)。私ってバカ??」
なんてことになる。問題を解いて、実践的に覚えてないと、こういう落とし穴にはまってしまうのです。
だから、インプット型の暗記学習がそこそこ進んだら、もうどんどん問題を解いて行ってほしいのです。
教科書だけを何度読んでも、何色もカラーの線を引きまくっても、赤ペンと緑の透明下敷きで穴埋めしても、
「問題を解く」という形で身につけなかった知識は、ぜんぜん実力として点数に表れてくれません。
中間・期末テストの成績はいいのに、実力テストや模試になると、とたんにダメダメになる人に、この傾向があることが多いです。
実践的に「問題を解く」という形での実力養成を怠(おこた)っていたからですね。
極端な話、まったくインプットをしていない状態で、「いきなり問題を解く」というのもありなんです。
で、それだと当然問題は間違えるわけですが、その後解答と解説をしっかり読むことで、その部分の知識と「問題の出され方」を同時に学べます。
その後、参考書や教科書に移ると、なにも知識がない状態で読むより、すでに「どんな形で問題が出るか」を知っているため、
参考書・教科書を読んでも、すっごく深く理解して読むことができるんですね。
その場合、感覚的には読んでいて「おもしろい」と感じる場合も少なくないです。「どんな形で問題が出るか」を知っているため、その部分の文章を読んで、
「あ、ここの部分って問題になってたじゃん。なるほど、この部分があんな形で問題として出されるのか~」
みたいに、深く読めるんです。すると、読んでいてもおもしろく感じやすいのです。
まあ、このテクニックは時間が全然ない状態から、短期間で一発逆転する裏技に近いので、今はの段階ではまず目安として
▼インプットはほどほど→問題を解く
▼インプットと同時並行で、問題を解く
ぐらいにとどめるのがいいでしょうね(教科によっても若干変わりますが)。
ただ、もし性格的に、「もう教科書や参考書をゆっくり読んでインプットしたり、授業で学ぶのが苦痛で苦痛でしかたがない」というタイプの人は、
さっさと問題集へ移って、問題を解きながらインプットをしていく形を最初からとったほうがいいかもしれません。
究極の話、
「教科書をすみずみまで読んで、インプットだけは完璧な人」
と
「インプット学習はしなかったが、問題集だけを完璧に繰り返した人」
なら、受験では後者が勝つ可能性の方がずっと高いです。
じっさい、資格試験の受験ではけっこういたりしますが(笑)。時間のない社会人が「もう本番まで時間がない!」ってことで問題集だけやりまくり、合格。
逆に時間に余裕があって授業をみっちり受けていたはずの人が、問題集をあまりやってなくて、実践的な実力がつかずに不合格、みたいな話はけっこうあります(笑)。
そんなわけで、いずれにしろ、「インプットを【完璧に】終わらせてから、問題集へ」というイメージは、もう持たない方がいいでしょうね。
この考え方の違いは、まだ今の時期には表面化しませんが、
あと数ヶ月もすると、「インプット学習」に重点を置きすぎた人と、「問題を解く」ことに重点を置いた人とでは、すごい差になって表れてきます。
くれぐれも、この点には注意して、インプットのみに偏(かたよ)りすぎないようにして下さいませ。
結局、「問題を解く」という作業は、実は最高の「インプット」だったということですね。