- 2016-4-7
- おすすめ記事, 効率的な勉強法~中上級編~, 効率的な勉強法~基礎編~, 参考書学習テクニック, 授業・予習・復習ノウハウ
<読者さんからのご感想>
いつもおもしろいお話をしていただき
ありがとうございます。
特に勉強の集中に関する記事は
とても役に立っています。
前は1日10時間が限界だったのですが、
おかげさまで1日13時間勉強できるようになりました。
好きなこと論も言われてみると確かに
その通りだなあと言うことが多くあり、
とても面白かったです。
これからもよろしくお願いします。
東京大学志望 植木煌太さん
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※植木君、ご感想ありがとうございました!
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こんにちは、中西です。
授業論シリーズの続きです。
ちなみに前回はこちら。
前回も書きましたが、なぜこのシリーズを
書いているのかというと、
学校や塾など教育の現場において、
あまりにも「授業」という形態に重きを
置かれすぎているのではないかと感じるからです。
なんでもそうですが、メリットとデメリット
が存在しているわけで、その両方をしっかり
理解した上で、各自の状況・環境・好みに
合った勉強法を進めていくのが効率的だと
私は考えています。
ところが「授業」という形態にも
デメリットが存在しているにもかかわらず、
学校や塾ではそこには一切触れられること
がありません(「授業」メインで構成されて
いる組織だから当たり前かもしれませんが)。
それが小中高とあまりにも長期間、
日常生活に組み込まれてきたので、
それが非効率かもしれないという疑いすら
持てなくなっている人が大半です。
そこでこの極端に授業に偏りすぎている
(と中西が感じている)状況のバランスを
取るために、私が「授業」のデメリットも
伝えておこうというのがこのシリーズ。
なんせ私自身が実際に受験時代にその
デメリットを被っていろいろ無駄にした
自覚&後悔の念がありますので。
また、私のような直接「授業」という形態に
利害関係が無い第三者的な立場の人間のほうが、
そのデメリットを説明しやすいということも
あると思います。
では本題。
今回お伝えしたい授業のデメリットは、
「1年かけて進めていく」という点です。
ほとんどの授業は、その授業で使うテキスト
や教科書が配布されて、それを週1~週数回
くらいのペースで、1年近くかけて進めていきます。
先にこのメリットから言いますと、本人の
やる気に関係なく、強制的に一定のペースで
勉強を進めていける点です。
まあ本当にやる気が全く無い人はそれでも
ダメですが、普通の生徒からすると、
この半強制的に一定のペースで学べるのは
大きなメリットになります。
しかし逆に、やる気のある生徒からすると、
この「1年近くかけてゆったり進めていく」
という形態は意味が薄れていきます。
この「やる気のある生徒」の典型が、
「受験生」です。
もともと勉強というのはテキスト(この場合
のテキストとは教科書、参考書、問題集、
塾のテキストなど勉強で使う本全般)を
「何回も繰り返す」必要があるわけです。
もっと言えばそれが勉強のキモです。
そうやって何回も何回も繰り返すことでしか
身につかないのが大半の勉強なのです。
さらにほとんどの場合、2回3回レベルの
繰り返しではなく、4回・5回・6回・7回・
それ以上という回数を繰り返す必要がある
ことも少なくありません。(要は完璧になるまで)
ところが授業というのは、基本的にその
年度末まで1年近くをかけて、週1~数回
ペースで「1周する」というのがゴールに
なっていることが多いのです。
したがって、受験勉強においてもっとも大切な
「1冊を完璧になるまで何度も繰り返す」
という勉強法が、授業を行っているテキスト
に関しては非常にやりにくくなります。
もちろん授業のペースを無視して、自分で
勝手にやっていく方法もありますが、今回
の話の前提となっている
「1年近くかけて1周する」ことがゴール
になっているそのペースに忠実に従う限り、
「1冊を完璧になるまで何度も繰り返す」
という受験勉強法とは
“一般的に思われているより相性が悪い”
というのは理解いただけると思います。
このデメリットを理解しておかないと、
1年の後半くらいになって
「あれ?授業を当てにしてこの時期まで来たけど、
このままいくと受験に間に合わないんじゃ・・・」
などとようやく気づいて手遅れにΣ(゚д゚;)
なんてことになりかねませんからね。
授業を当てにしている人はこの点を
よく注意しておいてください。
To be continued