- 2016-9-26
- おすすめ記事, 効率的な勉強法~中上級編~, 受験を突破する記憶術
こんにちは、中西です。
私は中学時代はめちゃくちゃ成績が良かっ
たのですが(学年トップ層ヽ(´∀`*)ノ)、
そのとき通っていた塾で、どうしても、
どーしても、私が勝てない女の子がいました。
隣町の中学校の子だったのですが、とにか
く賢くて、その子にだけはテストでも模試
でもほとんど勝てないのです。
しかも何が腹が立つって、性格がめっちゃ
いい子だという・゚・(ノД`;)・゚・。嫌み0の
本当に性格のいい子。女子にも絶対嫌われ
ないタイプ。
で、この子には特長が一つあって、塾の授
業が終わったあと、ほぼ毎回先生に質問に
行っていたのです。
私なんて人見知りで先生のとこに行くのも
気が引けるし、さっさと帰りたいので、質
問なんて全く行ったことがありませんでした。
あとになって思ったのは、そうやって毎回
少しでもわからないこと・気になることを
先生に質問して、
「わからない部分を一つ残らずつぶす」
のが彼女の成績につながっていたんだろうと。
しかし、さらにそのあと(塾講師の仕事を
していた頃)に、生徒が「先生に質問に行
く」という行為には、「わからない部分を
全部つぶす」以外の“別のメリット”があ
ることに気づきました。
それは、
【 「エピソード記憶」として脳に
定着させることができる 】
という点です。
「エピソード記憶」というのは、その名の
通り、起きた出来事をエピソードとして記
憶すること。
記憶というのは、このエピソード記憶と、
意味のかたまりとして覚える「意味記憶」
に大別されるのですが、エピソード記憶は
五感で感じた内容なので記憶しやすい性質
があります。
たとえば「今日朝起きてから今まで何して
いたか」という記憶は、誰でもわりと簡単
に思い出せます。
ところが、このエピソード記憶は記憶しや
すい一方で「忘れやすい」という性質もあ
るのです。
たとえば、3日前の朝から晩まで何をやっ
たかという記憶を、今日の行動のように細
かく覚えている人は非常に少ないと思います。
記憶しやすいけど忘れやすい。
これがエピソード記憶の性質です。
・・・しかし、この話にはまだ先がありました。
これは本郷赤門前クリニック院長で医学博
士の吉田たかよし先生がおっしゃっていた
のですが、
「エピソード記憶は『人間と人間の関係に
ついての情報』は、優先的に記憶されやすい」
という性質があるのです。
つまり
「自分一人で何かをしたエピソード」
よりも、
「他人と何かをしたエピソード」
の方が記憶に定着されやすいと。
これは経験的にわかる人も多いはず。
ということは、彼女の「先生に質問に行く」
という行為は、単に「わからないところを
つぶす」だけではなく、そうやって
「先生に聞きに行った」
「先生に個別に教えてもらった」
という“人間と人間の関係についての情報”
として脳で処理されていた可能性が非常に
高いのです。
結果、それがエピソード記憶の中でもとく
に「記憶に残るエピソード」として脳に定
着することになります。
当然、「質問した内容」「先生の回答」と一緒に。
彼女はこれを授業のたびに毎回繰り返して
いたのですから、そりゃ成績も上がるわけです。
なお、「先生に質問する」以外にも、
「手を上げて発表する」
「友達と問題を出し合う」
なども同様の効果があります。
さらにもっと根本的に「授業を受ける」こ
と自体も、エピソード記憶になりやすいです。
授業は「先生の姿・身振り・手振り」など
の動作も加わりますからね。
エピソード記憶として「記憶に残りやすい」
という観点でいうと
個別指導(直接先生と関わる)>一斉授業
>動画講義>音声講義>参考書学習
といった感じになると思います。
まあそれぞれメリット・デメリットがある
ので、それぞれの特長を考慮した上で自分
の状況に合った方法で勉強すればいいでしょう。
いずれにしろ、この「エピソード記憶」の
性質を知っているかどうかは、結果を左右
するポイントの1つになりますので、ぜひ
頭に入れておいてほしいと思いますね。
それではまた。