- 2011-2-9
- 効率的な勉強法~中上級編~, 受験を突破する記憶術
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
前回の続き。
前回は、ゴロ合わせによる暗記の効果についてお話しました。
ゴロ合わせというのは、
「意味のないもの」を「意味のある形」に変換する
という作業によって、記憶への定着率が一気に高まります。
ゴロ合わせは、だいたいの場合、一見その内容は非常にふざけていたりして、
まじめに勉強をしている人からすると、「邪道だよ、そんな覚え方!」と捉えられかねない方法ですが、この
「意味のある形に変換する」
作業を通して、単純な「繰り返し」で覚えたものに比べ、記憶の定着率が段違いに良くなるのです。
また、ただ単に「意味のある形」へ変換するだけでなく、「なんじゃそりゃ!」と思えるほどの
変なゴロ合わせ
も、記憶の定着率で考えたときには、ものすごく有効であり、その理由は、良いも悪いも、
脳は「無味乾燥」なものより「変なもの」ほど、記憶に残ってしまう
という性質があるからでした。ここまでが、前回の復習。
<前回の記事>
なぜ「ゴロ合わせ」が暗記に有効なのか考えてみた(前編)
さて、前回の記事では、私が高校時代に出会った2つの対照的な古文単語帳を比較しながらお話したわけですが、
(1つは学校でもらった辞書みたいな単語帳、もう1つは漫画+ゴロ合わせの市販の単語帳)
前回の記事のコメント欄で、複数の方から
「それって、565(ゴロゴ)ですよね?」
とのコメントをいただいたのですが、前回紹介した「漫画+ゴロ合わせの古文単語帳」というのは、565(ゴロゴ)ではありません。
ゴロゴ、非常に有名な本ですのでご存知の方も多いと思いますが、念のためご紹介しておきますと、こちら、
「ゴロで覚える古文単語ゴロ565(ゴロゴ)」(板野博行著)
ゴルゴ13という、もう昔からある漫画で150巻以上出ているのですが、
このキャラを使って漫画とゴロ合わせで古文単語を覚えるというコンセプトの本です。
受験生の間でもかなり人気で、アマゾンのレビューも高評価。
なので、いまの受験生が古文単語をゴロ合わせで覚えたいというなら、これがオススメですね。
残念ながら、私が使っていたのはこれではなく、もはやたぶん絶版になっていると思いますが、
超へたくそな漫画と語呂合わせで古文単語を覚える単語帳で、その意味でコンセプトはゴロゴと同じですが、
周りを見てもだれ一人使っていなかったですし、合格体験記などでもそれを使っていたという人を見たことがないので、
おそらくかなりマイナーな本だったんだと思います(笑)。
とはいえ、めちゃくちゃ覚えやすく、非常に個々の単語が記憶にも残ったのは前回お話したとおり。
ゴロゴもそうですが、単にゴロ合わせが文字で書いてあるだけでなく、
その内容に合わせた漫画(イラスト)が挿入されている点も、記憶の定着の意味では非常に大きな要素だったと思います。
漫画が挿入されていることで、イメージと一緒に記憶として残ります。
人間の脳は、イメージで覚える方が圧倒的に記憶に残りやすいので、その意味においても
漫画(イラスト)が挿入されているかどうかは、重要なポイントになるのです。
なにより、漫画やイラストが挿入されているほうが、活字だけの本より単純に楽しいですからね。
とくにゴロゴなんか、何十年も人気を保っている漫画のイラストを見ながらですので、
無味乾燥な辞書のような単語帳より、楽しめるのはいうまでもありません。この違いは、すごく大きいと思います。
また、何か覚えたい事項があるときに、上記のようなゴロ合わせ本がない場合は、
自分で作ってしまえばいい
と私は思います。
めんどくさいと思うかもしれませんが、結局はそちらのほうが記憶に残って時間的にも効率的な場合が多いです。
そんなに時間をかけて作る必要もないので、適当に変なゴロ合わせでいいので、自分なりにオリジナルゴロ合わせを作ってみてください。
前回も書きましたが、ポイントは「変な」ゴロ合わせでいい、むしろそっちのほうが記憶に残るということ。
ちゃんとした日本語のゴロ合わせを作ろうと頑張らないことです。
前回のコメント欄で、
「イチゴパンツ(1582年)の本能寺」
(1582年、本能寺の変)
という覚え方を教えてくださった方がいますが、こんなのでOK(笑)
本能寺の座敷で、信長がイチゴパンツを履いている(orかぶっている)状態を想像したら、もう数年は忘れないはず(笑)。
「戦国時代のイメージが崩れるからいやだ!」「古文のイメージが崩れる!」
みたいに、こういう覚え方を毛嫌いする人もいるかもしれませんが、まあ好みの問題ですから強制しませんが、個人的には、
かっこよく覚えようとして記憶に残らないよりは、多少変なイメージでも記憶に残ったほうがいい
と思っています。
そんなわけで、昔から言われている「ゴロ合わせ」の効果について改めて検証してみました。ゴロ合わせは非常に効果的な暗記法の1つであり、とくに
「漫画(イラスト)+変なゴロ合わせ」
というのは、最強の組み合わせだと思います。
ぜひ「そんな覚え方は邪道だ!」とか言わずに(笑)、積極的に受験勉強に取り入れて行ってみてほしいと思います。