- 2016-7-6
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こんにちは、中西です。
前回は、「人間心理」を深く理解できるか
どうかが、どれほど人生に大きな影響を
与えているかという話でした。
今回は、この後編。
では、受験生が理解しなければならないのは
“誰の心理”なのか。
これについて、興味深いエピソードがあります。
ちょうど昨日、アニメ監督の押井守さんが
9年ぶりに映画を製作することがニュース
になっていました。
押井さんが9年前の前回製作した映画は
「スカイ・クロラ」というアニメ映画です。
この映画は、子供たちが永遠に大人に
なれなくなり、寿命で死ぬことがなく
なった世界で、
“生きる実感”を味わうために戦争がショー
として娯楽になり、そこで繰り広げられる物語。
何かの賞も受賞した映画でしたが、
この「スカイ・クロラ」はもともと
小説本として出版されていて、
その原作者が森博嗣さんです。
森博嗣さんは大学教授をやりながら
小説を書いていた変わり種の小説家なのですが、
その森さんの本は過去何度か、大学入試の
現代文で出題されたり、現代文の問題集
などで扱われています。
で、森さんがその自分の文章が出題されて
いる現代文の問題を解いてみたら、どうなったか?
自分の文章の問題を自分で解き、
解答を見ると
「そんな意味で書いたんじゃないんだけどなぁ」
と思うことが多々あったといいます。
ここからわかるのは、一般的に現代文は
「筆者が言いたいこと」を読み解く科目
と言われていますが、より厳密には
そうじゃないということです。
よく現代文の解き方として
「自分の感想ではなく、
筆者が言いたいことを読みとれ」
と教えられるわけですが、より厳密に言うと
「出題者が『筆者が言いたいこと』だと考えていること」
を読みとる科目だということです。
つまり
「筆者ではなく“出題者”が何を求めているのか」
を読みとる心理ゲームだということ。
それは森さんの例のように、必ずしも
「本物の筆者が言いたいこと」
とは一致していないことがあります。
よって「筆者が言いたいこと」はもちろん
「出題者が何を求めているのか」
をできるだけ正確に読みとる力も
かなり重要なポイントになるわけです。
現代文を例に出しましたが、この
「出題者が何を求めているのか」
を読みとる能力は、受験の全科目に
おいて必須の力になります。
最終的には、問題を読んだときに、
ほとんど無意識で
「出題者は何を求めているのか?」
「出題者はどういう解答を求めているのか?」
を瞬時に読み取れるレベルになるのが、
受験というゲームの一つの到達点ですね。
もともと大学側が「自分の大学に入学させ
たい学生像・学生に求める能力」という
ものがあるわけで、
その能力があるかどうかを見極めるのが
入学のための試験、入試なのです。
資格試験も同様で、その仕事をする人物
として必要な知識・能力の有無を見極める
のが資格試験。 必然的に
「この大学はこういう出題傾向がある」
「この資格ではこういう問題を好んで出す」
といった問題の“傾向”が出るわけで、
それはつまり
「出題者にも『人間心理』がある」
ということです。 いわば「出題者心理」。
「出題者にも『出題者心理』がある」なら、
その「出題者心理」をいかに読みとれるかが、
受験で勝利する大きなポイントになるのは当然です。
「人間心理」を読みとることは、なんとなく
リアルなコミュニケーションにおいての話に
聞こえますが、
あなたが今取り組んでいる受験においても、
直接的に求められるということですね。
前回の例も含めると、まさに
「人間心理がわかるとすべてがうまく行く」
といっても過言ではないでしょう。
それは「相手の心理を見抜いてやる」
みたいなケンカ腰の話ではなくて(笑)、
楽しく円滑な人間関係を構築するために、
「相手の気持ちを察する・慮る(おもんぱかる)」
ということですね。
あなたが行きたい大学・手に入れたい資格の
「出題者の心理」を察するのが得意になりましょう。
そう思えば問題にも楽しく取り組めます。
出題者さんの“気持ち”を完全に察して
あげられるようになるにつれて、合格が
どんどん近づいてくるわけですねヾ(´▽`)ノ
それではまた。