- 2011-2-7
- 効率的な勉強法~中上級編~, 受験を突破する記憶術, 特集カテゴリ2(倉庫)
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
受験勉強というのは、究極の話をすれば、すべて「暗記」だと私は思っています。
一見「思考」を要求されているような問題であっても、結局のところは、広い意味において
「問題の解法パターンを暗記する」
という要素がありますからね。
さらに「解法パターンを暗記する」ということにしても、そのベースとなっているのは、
公式・単語・熟語などの「単純暗記もの」
だといえます。
ほとんどの場合、こういったいわゆる「単純暗記もの」というのが、その科目の実力をつける上での「基礎力」になっているわけです。
そう考えると、受験勉強のうち少なとも7~8割以上は、なんらかの形の暗記作業をしていると考えて間違いないかと思います。
で、ひと言に「暗記作業」といっても、このやり方には、実にさまざまなものがありまして、「記憶術」的な本も世の中にはたくさん出ていますし、
いろんな暗記法、記憶術がありますので、その中で「これだけが正しい暗記法です」みたいなことは言えないわけです。
一人の人が、その覚える内容に応じて、複数の暗記法を使っていいと思います。
実際どの暗記法も一定以上の効果は間違いなくありますが、その中の1つで、私自身がやってみて非常に効果があったのが、
ゴロ合わせ
です。
言うまでもなく、「いい国つくろう鎌倉幕府:1192年鎌倉幕府成立」とかいうやつですね。
歴史の年号をゴロ合わせで覚えるのはあまりにも有名ですが、個人的によかったのが、
古文の単語
をゴロ合わせで覚えるという方法。
私が高校時代に、古文単語だけが列挙された、非常にまじめな感じの単語帳が学校で配られたんですね。
その本には、古文単語とその意味にくわえ、一応例文も書かれているのですが、なんというか、もうまるで辞書みたいで、それ自体に「面白み」はカケラも存在しませんでした(笑)
そんなとき、たまたま立ち寄った本屋さんで、もうタイトルも忘れてしまいましたが、
「漫画とゴロ合わせで覚える古文単語」といった感じの単語帳が売っておりました。
なんとなく、「これなら楽しく覚えられるかな」と思って買ってみたのですが、これがもう大当たり!むちゃくちゃ覚えられるのです。
ゴロ合わせですから、その単語の意味に関連した内容のゴロ合わせも多いのですが、
「なんじゃそりゃ」「めっちゃ強引やん」「参考書なのにこんなエロネタええんかいな」
みたいな、ゴロ合わせの内容自体は、もうかなりカオス状態な参考書でした(笑)。
が、これがめちゃくちゃ覚わるのです。頭にへばりつくような感じ。
学校で配られた単語帳なんて、覚えやすさでこの本と比較したら、まるで比べ物にならないのです。
なぜそこまで、この単語帳は覚えやすかったのでしょうか?
まず1つは、そもそも「ゴロ合わせ」という暗記法自体が、脳の記憶領域に引っかかりやすい方法だという点があります。
人間は、「意味のないもの」はなかなか覚えられません。たとえ覚えたとしても、非常に忘れやすい。自分の携帯電話の番号みたいなもんです(笑)。
ゴロ合わせは、そういった「意味のないもの」を「意味のある形」に変換します。
「1192」ってだけなら、ただの数字4ケタですが、これを「いい国」とゴロを合わせることで、それ自体が「意味のある形」になるわけです。
この「変換作業」によって、記憶への定着率が一気に高まるというわけですね。
一方で、脳はたとえ意味のないものであっても、「繰り返し」の作業をすることでそれを「重要なこと」と認識し、
長期記憶として脳に保存するようにできてはいるのですが、
このような「単純な繰り返し」というやり方で覚えたものについては、残念ながら、よほどいろんな形でその単語なり熟語を使いこなさない限り、
またしばらくすると忘れてしまう可能性も否定できません。
ゴロ合わせというのは、一見その内容はふざけていたりして、まじめに勉強をしている人からすると、「邪道だよ、そんな覚え方」と捉えられかねない方法ですが、
「意味のないもの」を「意味のある形」に変換する
という点によって、単純な「繰り返し」で覚えたものに比べ、記憶の定着率が段違いに良くなるのです。
また、ただ単に「意味のある形」へ変換するだけでなく、「なんじゃそりゃ!」と思えるほどの
「変なゴロ合わせ」
も、記憶の定着率の点で考えたときには、ものすごく有効です。なぜなら、良いも悪いも、
脳は「無味乾燥」なものより「変なもの」ほど、記憶に残ってしまう
という性質があるからです。その意味において、
「なんじゃそりゃ」「めっちゃ強引やん」「参考書なのにこんなエロネタええんかいな」
と思ってしまうほどの、印象に強く残る「変なゴロ合わせ」というのは、「記憶の定着率」という観点からは、非常に有効だといえるのです。
長くなりましたので、次回へ続けます。