- 2025-10-20
- 効率的な時間管理術, 勉強の集中力をアップさせる考え方
こんにちは、中西です。
働く人のためのルールを定めた法律である労働基準法が、40年ぶりに大改正する方向で検討が進んでいるようです。
▼40年ぶりに大改正!?労働基準法 勤務間インターバルの義務化や「つながらない権利」 あなたの職場では(福島テレビ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ca5d59840f14228766cc7df451d73149afb8494
記事で取材されていたのは、福島県いわき市の総合建設業・福浜第一建設という会社です。
100人を超える従業員のうち約8割が男性で、過去10年間の育休取得率を100%にしている、従業員ファーストの会社を目指しているようです。
今回、40年ぶりの労働基準法の大改正は、このような育休だとか、14日間以上の連続勤務の禁止や、勤務間インターバルの義務化などが検討されているとのこと。
その中で、個人的に興味深かったのが、
「つながらない権利」です。
この「つながらない権利」とは、勤務時間外や休日に仕事のメールや電話への対応を拒否する権利のこと。
2016年にフランスで労働法が改正された際に、この「つながらない権利」が盛り込まれ、世界的に話題になったようです。
このフランスの改正では、従業員50人以上の企業では、
「従業員は勤務時間外のメールや電話を遮断する権利を有する」
ことを、定款に明記することが義務付けられました。
日本では、この「つながらない権利」の法制化や義務化は現在のところされていないのですが、
今後はフランスのように、この権利をしっかりと定款に明記することが、日本でも義務付けられる方向で進んでいきそうです。
これはもっともな話で、勤務時間外にメールや電話に対応すると時間外労働と言えますので、企業としては本来、残業手当の支払い義務が生じます。
しかしながら、実態はなかなかそのようにはなっていない会社も多いようです。
この記事のコメント欄を見ると、このようなコメントがありました。
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つながらない権利は本当に大事だと思います。
前の会社で、外国人労働者からの生活相談の通訳や外国人が働く会社からの相談対応の仕事をしていた時に、業務用携帯を持たされて毎日電話やメールの対応をさせられてストレスがヤバかったです。
土日祝完全休みといいながら1日30件ぐらい電話通訳や企業からの相談があり、対応も義務化されてました。
土日祝に電話通訳の対応をしても、賃金は発生せず給料も激安。(後略)
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さすがに休日に1日30件の連絡や相談があるというのは異常ですが、
数件程度でも、休日にそういった業務の連絡が来ると、それなりのストレスになります。
ポイントは、休日に割かれた「物理的な時間」ではないということです。
もちろん、その対応した時間自体も、先ほどのように回数が多かったり、トータルの時間が多いと問題です。
ただ必ずしも時間が多くなくてもストレスになるというのがポイント。
なぜかというと、休日に会社から連絡が入ると、その対応した物理的な時間だけではなく、
その後の時間にも、脳がその対応した内容を頭の片隅でどこか覚えていて、認知リソースをその記憶に消費してしまうからです。
例えば、休日に3回仕事の対応をして、それぞれが1分で合計たった3分だったとしても、
脳内ではその3分では終わらず、その後も引きずっているので、
実態として30分や1時間といった時間が感覚的に奪われたような気持ちにもなりやすいです。
感覚的にそれを感じている人も多いので、休日の会社からの連絡などがストレスになるという人が多いわけですね。
これは何を意味しているかというと、
【 人間の脳というのは切り替えに非常に大きなエネルギーを使う 】
ということです。
脳としては「今日は休日だ」という認識でスイッチが入っているのに、そこに仕事の連絡が入ってしまうと、
その休日モードになっている脳の認識を切り替えなければなりません。
この切り替えのコストとして、脳は多大なエネルギーを消費してしまうのです。
しかも、切り替えた後も記憶のどこかに、頭の片隅でその内容が残っているので、その影響が何分も何十分も持続します。
体感としては、物理的に対応した時間以上のエネルギーを割いたような感覚に陥ります。
したがって先ほどの例で言うと、1日30件も休日に仕事の連絡や相談が入ったら、仮に1件1分しか対応せず合計で30分だけだったとしても、
1日の中で30回も入っていたら、単純計算の合計30分の何倍もの感覚で、脳は仕事をしていたような感じになってしまうわけです。
なので、この「つながらない権利」というのは、労働者にとって非常に重要な権利だと思います。
また、集中力の観点で言うと逆の側面もありまして、
勉強や仕事に集中しようと机に向かっているときに、休憩時間でもないのに途中で3分程度、SNSやニュースや動画を見てしまった場合、
その影響は物理的な3分にとどまりません。
そのつい見てしまった脱線した情報が脳内にとどまり続けて、見た時間以上に、脳がエネルギーを消費してしまうわけです。
さらに、その影響は、脱線した時に
「どれぐらいその脱線した情報に没頭したか」
の「没頭度合い」でも、その後の影響は変わります。
例えば、1分だけ脱線したとしても、その時に非常に不幸なニュースの記事を読んで心が大きく動かされたり、不安になったりした場合。
元の勉強や仕事に戻っても、その内容の影響が少なからず出てきて、潜在意識がそちらに引っ張られるため、目の前のことに向かう集中力を奪うリスクが高まります。
一方で、同じニュースでも、ニュースのタイトルだけ、例えばヤフーニュースのトップなどを見て、見出しを10個ぐらいざっとチェックするぐらいであれば、脳は深く内容を理解したわけではありません。
この場合、没頭度合いも低く、比較的切り替えはしやすくなります。
動画の場合も、例えば2分間YouTubeのめちゃくちゃ面白い動画を見てしまったら、勉強や仕事に戻っても、
その記憶や「もっと見たい」と言う感情に引っ張られるリスクが高まります。
しかし、サムネやタイトルだけをざっとチェックしたぐらいであれば、そこまで脳は深く内容に入り込んでいませんので、
比較的戻った後も集中力を回復しやすくなるわけです。
なので、最悪脱線してしまったとしても、ニュースの見出しだけをざっと見るとか、サムネだけをざっと見るぐらいに留めておけば、被害は最小限に済みます。
どうしても我慢できない場合は、そういう形の「深い理解をしない」脱線で終わらせておけば、
その後、勉強や仕事に戻った時に、頭の中にある記憶に引っ張られずに済むわけですね。
というわけで、脳というのは一度スイッチを入れると、そこから切り替えることにエネルギーを費やしやすいものです。
理想を言えば切り替えの回数は最小限にした方がいいですし、
集中するために短時間で刻むにしても、短休憩中に脳が深く入り込むような脱線はしない方がいいということですね。


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