- 2025-7-7
- 効率的な勉強法~中上級編~
こんにちは、中西です。
動画を見るときに再生スピードを上げる人もいると思います。
私も動画の再生スピードを上げることは多々あります。
それほど重要ではないけど一通り確認しておきたい動画なら、2倍速で視聴することも時々あります。
また、最近はオンライン講座を視聴している方が多いですが、そういう方も状況に応じて再生スピードを上げている方は少なくないかと思います。
この動画の再生速度については、学生さんも速度を上げて視聴する人が増えていますが、
再生速度を上げて時短になっても、理解ができていなければ本末転倒になります。
このことを調べた研究はいくつかありまして、以前このメルマガでもご紹介したカリフォルニア大学の研究ですと、
講義系の動画であれば2倍速で見ても理解度は変わらないというものがありました。
その研究では、1.5倍速と2倍速の2つは標準速度と同レベルの成績になり、2.5倍速だと成績は標準速度より下がったという結果でした。
ただし動画の内容が若干簡単だったので、その点は注意が必要という研究者の言葉もありました。
今回ご紹介するのは、そういったこれまでの「再生速度」と「テストの成績」に関する24の研究から、110のデータを集めて統計的に統合したメタ分析になります。
メタ分析というのは、複数の研究結果をまとめて分析する方法で、科学的には最も信用度が高いとされています。
このメタ分析の結果、分かったのは、
再生速度を上げるとテストの成績は少し下がる傾向がある
ということでした。
ただしその影響は小さくて、多くの場合は統計的に有意ではないレベルで、目立たないほどでした。また、
【 1.5倍速以下の再生速度であればほとんど影響がない 】
ことも分かりました。
倍率は1.1倍、1.25倍、1.5倍までの速度で調節できることも多いと思いますが、
1.5倍を超えなければ成績への影響は非常に軽微とのことです。
ちなみに講義の内容や講義の長さ、テストの種類など条件をいろいろ変えてみても差はなかったということです。
つまり「動画がどういうものであっても、1.5倍速以下ならほとんど悪影響は出ない」ということになります。
逆に言いますと、1.75倍だとか2倍、あるいはそれ以上の速度で講義動画などを見てしまうと、マイナスの影響が出る可能性があるということです。
私の実感でも、動画を2倍速にすると、元の動画のしゃべり方のスピードにもよりますが、
非常に集中していないと理解できないといいますか、しっかりとは認識できなくなる感覚はありますね。
ふわっとざっくり理解できればいい内容であれば、2倍速にすることはありますが、ちゃんと学びたいときに2倍速にすることはないです。
やはり感覚的に2倍速だとしっかりと理解できないと感じているのだと思います。
一方で1.5倍速以下は確かにほとんど変わらないと感じますね。
私の個人的な実感でもそうだったわけですが、今回は24の研究から110のデータを集めて導き出したメタ分析の結果ですので、
この1.5倍速までなら問題ない(1.5倍速以上はリスクが高まる)というのは、一つの基準として頭に入れておくと良さそうです。
※参考:Increasing Video Lecture Playback Speed Can Impair Test Performance – a Meta-Analysis
https://link.springer.com/article/10.1007/s10648-025-10003-9


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