- 2022-12-23
- 効率的な時間管理術, 勉強の集中力をアップさせるテクニック
こんにちは、中西です。
前回は、
「『1日の終了時刻を死守する』と、強く決意することが、集中力を高める」
という話でした。
この話を書いて、久しぶりにトリンプの元社長の吉越浩一郎氏の「デッドライン仕事術」と言う本があったことを思い出し、軽く再読してみました。
トリンプは吉越社長時代に19年連続で増収増益だったのですが、その時の伝説の急成長を支えていたのが、この
「1日の終了時刻を厳守する」
というデッドライン仕事術でした。それを全社員で行ったんですよね。
始めた当初は、どうしても残業してしまう社員がいたので、その後は終了時刻が来たら、無理矢理オフィスの電気を消したそうです。
それでも暗いオフィスの中で、パソコンの画面を見て残業しようとする人がいたので、ついにはパソコンの電源も無理矢理落とすようにしたとか。
そこまでやって、ようやく全社員がこの「デッドライン(終了時刻)」を守れるようになったそうです。そこから業績が19年も連続でアップ。
これは当然、個人の在宅ワーカーでも当てはまりますし、受験生の自宅学習でも当てはまります。
もし今までやってなかった人は、ぜひ一度試してみて下さい。
で、これだけでもかなり効果がありますが、それでもまだ集中力にムラがあると感じる人は、この「終了時刻を厳守する」と言うルールの中で、さらに
「短時間きざみ」
のテクニックを実践すると、飛躍的に集中できるようになります。
具体的なやり方については、YouTubeの2時間の動画で詳しく解説していますが、一時的にうまくやれたとしても、途中で疑問が出てくる人も少なくないんですよね。
疑問にもいろいろパターンがあるのですが、その疑問の中の1つをご紹介すると、
「何度もタイマーで残り時間を確認していたら、集中力が落ちるのでは?」
という疑問です。この疑問を持つ人もいます。
こういう人は、集中している状態のイメージを、スポーツなどでよく使われる「ゾーン」とか「フロー」の状態と少し勘違いしていることが少なくありません。
「集中している状態というのは、他の全てが見えなくなって、時間の感覚すらなくなり、目の前のことだけに超没頭している状態」
みたいに思っていて、
「タイマーを何度も見て、残り時間を確認する」
という短時間きざみのやり方では、フローやゾーンのような「最高レベルの集中力」を手に入れられないのではないか?みたいに考えてしまうわけです。
この疑問は、私に言わせると少しズレていて、(2時間の動画内でも説明しましたが)そもそも短時間きざみ勉強法は、集中できない人向けの「弱者の戦略」としてご紹介しています。
さらに、最初からゾーンとかフローなんて言う「究極の集中力」は、ハナから目指していません。
私自身もたぶん1度も目指したことがないですし笑、もっと言えば、そんな究極の集中力は(少なくとも、受験勉強や仕事に安定して集中する上で)必要ないと思っています。
大事なのは、1日を通して安定して集中することなのです。
スポーツのようにある短時間のうちに、神がかったような、他の全てが見えなくなるようなフローやゾーンという状態になったところで、そんなものは長続きしません。
また、狙って何度も頻繁になれるような状態でもありません。
1日中ゾーンに入っている人とかいたら、だいぶやばいと思いません?笑 個人的に1日中ゾーンに入っているおっさんとかいたら、かなり怖いです。
受験勉強にしろ、仕事にしろ、スポーツよりも長い時間の戦いなので、数分とか数十分ぐらいそういう状態に仮になっても、あまり意味がないと私は考えています。
繰り返しますが、大事なのは、日常生活における勉強や仕事の実践において、長時間にわたり安定した集中力を手に入れること。
だから、私はゾーンやフローには興味がほとんどありませんし、実際このことについて言及した事は、過去の3000回近いメルマガでもありません。(今回のように「私はこれに興味がない」という形で言及した事は、1回か2回ありますが)
とは言えですね、
「『残り時間』を何度も確認しつつも、ものすごい集中力は手に入る」
というのは、それこそスポーツの世界で実証済みなのですよ。
1番わかりやすいのは、バスケットボールです。
映画の公開から20日で観客動員数が280万人の大ヒットを記録しているスラムダンクを見てもわかりますが、
バスケットボールと言うのは(スラムダンクの90年代とはルールは変わってますが) 20分や10分と言う単位でゲームが進んでいきます。
その時に、選手たちは常に「残り時間が表示されているタイマー」をチェックしているわけです。
「20分や10分という短い時間単位」
で、残り時間を何度かチェックしても、
いや残り時間を何度かチェックするからこそ、
選手たちの緊張感が高まり、神経が研ぎ澄まされて、ゲームに超集中するわけです。
バスケットボールで、選手が「残り時間」を確認できなかったら、緊張感も出なくなり、集中レベルも落ちます。スラムダンクも30年以上残る大傑作漫画にはならなかったでしょう。
山王戦のラストの、漫画史上永久に残る究極の面白さも、10分の1以下だったでしょう。(わかる人だけわかる笑)
というわけで、短時間きざみで集中するときに、
「残り時間を何度かチェックする」
というのは、勉強や仕事に集中する上で全く問題がないどころか、圧倒的にプラスに働きますので、
あまり気にしないで短時間の間でも何度か確認して、「締め切り効果」による集中力アップを手に入れてください。
「残り時間の確認」なんて1回あたり2秒ぐらいですから、仮に10回確認しても20秒ほどにしかなりませんからね。
※もしどーーしてもそれが嫌なら、単にアラームを設定して、音が鳴るまで見なければいいだけなので、どうしても残り時間の確認が嫌な人は、そういうやり方で対処してくださいませ。
※ただし受験生は、最も集中しなければならない受験本番でも、当然「残り時間を何度も確認する」必要がありますので、その点はお忘れなく。
それではまた。