- 2022-12-24
- 受験を突破する生活習慣術
こんにちは、中西です。
12月も残り1週間となり、雪が降る地域も増え、いよいよ寒さが厳しくなってきました。
この状況で、学生さんは冬休みに入り、社会人の方も、まもなく年末年始の休みに突入します。
休みとはいえ、自宅学習や在宅ワークに取り組む人も多いと思いますが、この時期に家で集中できるかどうかのポイントになるのが、
「部屋の温度」
です。
言うまでもなく、部屋が寒くて寒さに耐えているような状況では、集中力も発揮できません。
当然、暖房で部屋を暖めるわけですが、問題は
「集中するのにベストな室温は何度か」
ということですね。
結論から言うと、「万人に当てはまる集中するのにベストな室温」と言うのはありません。
そもそも、男女差もあります。
男性は、筋肉が女性より多いので、寒さを女性より感じにくいですが、女性は筋肉が男性より少ないので、寒さを感じやすいわけです。
さらに、筋肉のつき方で寒さの感じ方が違うなら、当然同じ性別でも個人差が出てきます。年齢や体調によっても変わります。
こういった理由で「万人に当てはまる集中するのにベストな室温」は出せませんが、一方で
「目安となる室温」
はあります。それは22℃です。
エアコンの製造販売をしている三菱電機が、受験勉強とエアコンについての調査を行い、医学博士の吉田たかよし先生が監修をされました。
それ以前に、東大の人間情報学会が中心になって行っていた「体温と脳機能の関係」についての研究プロジェクトがあったのですが、
そのプロジェクトで勉強への影響についての部門は、吉田先生が担当していたため、三菱電機から調査の監修依頼があったようです。
で、この三菱電機と吉田先生の調査レポートの内容が読売新聞の記事にもなったのですが、その記事にも書かれた
「部屋の温度を何度にしたら、人間の集中力が最も高まるか」
というテーマでは、複数の研究が発表されていて、概ね22℃がベストとわかっています。
ただ、これは短い時間において、脳の認知機能を最も高める温度が22℃だという実験結果が出ていた、と言う意味で、
「勉強部屋の温度を22℃に設定すべき」という話とは少し違います。
かなり参考になる目安の温度ではあるのですが、上記の通り、これが万人にベストの正解と言うわけではないと言うことです。
少し前にこのメルマガでも紹介したかと思いますが、ある調査ではエアコンの暖房の設定で、1番多くの人が設定している温度は22℃〜25℃の層でした。
個人的には少し高めのような気がしますが、22℃だと若干まだ寒く感じる人もいるようです。
ところが、脳にとってはこの若干寒いくらいが良くて、その理由は、頭を使って脳が回転していると熱を帯びるからです。パソコンやスマホと同じような理屈ですね。
脳が回転して熱を帯びているのに、室温も熱くなりすぎると、脳のパフォーマンスが低下してしまうわけです。
(余談ですが、あくびをするのも、一般的に言われるように「酸素を脳に取り入れる」ためではなく、「脳を(吸った空気で)冷やすため」である可能性が高いことがわかっています)
これらの脳の性質を踏まえると、室温は高いよりも少し低い位ほうがよいのですが、
とは言え、室温を低く設定すると、寒くて集中できなくなるリスクも高まるわけです。
以上の諸々の点を総合的に考慮すると、冬場の寒い季節に部屋で集中するためのベストな室温は、以下のようにまとめられます。
【 22℃を目安として、その前後あたりの「寒くない」「不快ではない」と感じる温度の中で、1番低い温度 】
…これが、科学的な知見を踏まえた上での、
「寒い季節に家で集中するためのベストな温度」
の基準ということになります。
これから学生さんも社会人も冬休みに入りますが、家で集中する必要がある人は、参考にしてみてください。