こんにちは、中西です。
私は本をよく買う方だと思うのですが、
買った本をすぐに読むことは少なくて、
読まないでそのまま置いてある本も
たくさんあります。
それが数冊くらいなら問題ないのですが、
私の場合はけっこうな数になっておりまして、
もはや“積ん読”では対処しきれなくなり、
それ(これから読む予定の本)専用の
本棚があるような状況なのです。
私の場合は少し極端な例かもしれませんが、
多かれ少なかれ、そういう
「まだ読んでいない本」
を置いてある人は少なくないかと思います。
こういう「まだ読んでいない本」や
「まだやっていない参考書・問題集」
などを、机の上など、頻繁に目にする
ところに置いている人は
ちょっと注意しておかないと
いけないことがあるのです。
それは
【 背表紙の催眠術 】
にかかってはいけない、
ということです。
この
「背表紙の催眠術」
というのは私の造語ですが、
ようするに机の上などに
「まだ読んでいない本(参考書・問題集)」
を長期間ずっと置いておくと、
その背表紙を毎日毎日
見続けることになります。
その状態をあまり長期間続けてしまうと、
勝手に
「その本をなんとなく読んだ気分になっていく」
という催眠術にかかってしまうのです。
少し前に
「要領が1割良くなる心理法則を発見」
という記事で、
【 「ちょっと重いこと」を放置しておくと、
放置した時間に比例して、
どんどん心理的に重くなる 】
という法則をご紹介しました。
今回の「背表紙の催眠術」は
これと似たようなパターンなのですが、
なぜか本の背表紙の場合は、
心理的に重くなっていくと同時に、
「その本をもう読んだ気になってしまう」
のです(笑)
これは“積ん読”を
長期間やってしまう癖がある人なら
共感していただけるかもしれません。
ようするに
「読んでもいないくせに、背表紙を
ずっと見続けたことで、
勝手にその本を読んだ気になってしまう」
という、ちょっとたちの悪い
催眠術(心理法則)なのです。
前回、寸暇を惜しむ
「カレンダー暗記法」の記事で
「毎日少しずつでもチェックし続けると
記憶への定着率が高まる」
という話をしましたが、
基本的にこれと同じ
脳の原理かもしれません。
背表紙に書かれた本のタイトルも、
長期間毎日見続けてしまうと、
脳に記憶としてバッチリ
定着してしまうわけですが、
それはもう「覚えた」ことになるわけで、
つまりは「飽きた」ことになるわけです。
暗記も完全に徹底的にやると、
最終的にはその項目に「飽きた」
心理状態になりますが、それと同じです。
しかし問題は、飽きたのは
「背表紙のタイトル」だけであり、
本の中身には飽きていないはずなのに、
背表紙に飽きたことで本そのものに
飽きたと錯覚してしまうわけですね。
そのため、その本をなんとなく
もう読んだように思ってしまうと。
娯楽としての本ならまだそれでもいいですが、
参考書や問題集や赤本などで、
万が一にもそんな心理状態に
なってしまったら最悪です。
やってもいないのに、なんとなく
やった気になってしまい、
さらにはそんな心理状況が原因で
その本に手を付けていないということに、
自分で気づいていないことすらあります
(実際、私が受験生時代に
そういう感覚に陥ったことがあるので)。
見えるところに本や参考書を置いておく
のはいいですが、
長期間ずっと放置する場合は、
この
「背表紙の催眠術」
というおかしな心理作用が存在しますので
とくに参考書・問題集・過去問などは
実際はちょっとしかやっていないのに
そこそこやった気になってしまわない
ように注意しておいて下さい。
それではまた。
<関連記事>
▼要領が1割良くなる心理法則を発見
P.S
東京都民の方はご存知かと思いますが、
数日前に東京都から
「東京防災」
というタイトルの黄色い本が
全都民の自宅に届きました。
地震などが起こった際に
どうするかの対策が書かれた本です。
本のラストに「沈黙の艦隊」などで有名な
漫画家のかわぐちかいじ氏が描いた
大地震が起こるシミュレーション漫画も
掲載されていました。
「これは、もしもの物語ではない。
いつの日か現実になる物語である」
という言葉からスタートする漫画。
たしか昨日は
大阪で府内にいる人の
携帯電話に緊急通知を一斉に鳴らす
試みもあったとか。
東京も大阪も
ともに素晴らしい試みだと思いますね。
本文に書いたとおり
私は読んでない本が大量にたまってますが、
この東京防災のハンドブックだけは
絶対に「背表紙の催眠術」に
かからないようにしなければヽ(;´Д`)ノ