- 2025-11-10
- 冬の対策, 受験を突破する健康管理術, 受験を突破する生活習慣術
こんにちは、中西です。
11月も早くも3分の1が過ぎ、だいぶ寒くなってきました。
まさに秋から冬への移行まっただ中という感じですが、
今回はこれから寒くなる季節に頭に入れておいた方が良さそうな研究をご紹介します。
結論から言いますと、
【 寒い部屋で作業をすると、体の痛みを抱えるリスクが約4割アップする 】
ということが判明しています。※参考:本メール下部に記載
これはスウェーデンのウメオ大学とノルウェーのトロムソ大学の共同研究です。
研究の目的は、寒冷の環境(特に職場で低温の環境にさらされること)が、
首・腰・神経系の痛み
などの筋骨格障害と関係しているかを調べることでした。
対象者は北スウェーデン在住の男女12,627人で、年齢は18歳から70歳までと、ほぼ全世代をカバーしています。
研究では、職場で寒い環境の中で働く人たちの体の各部位の痛みを調査しました。
その結果、寒い場所で働く人は以下のような傾向が見られました。
首の痛みが発生するリスク:1.36倍
腰痛のリスク:1.38倍
腰から脚にかけての坐骨神経痛:1.36倍
つまり、寒い場所で作業をしていると、首や腰などに痛みを抱えるリスクが約1.4倍に高まるということです。
なお、この結果は年齢・性別・BMI(体格指数)・身体への負荷・喫煙・ストレスといった要因を考慮しても、
寒さ自体が独立したリスク要因であることが確認されています。
要するに、どんな人にとっても「寒い場所で作業(仕事や勉強など)をするのは、体の痛みのリスクを上げる」ということです。
研究チームは、職場での寒さを「単なる不快感」ではなく、首・腰・神経の医学的リスク要因として位置づけ、
寒冷環境への曝露そのものを「職業病リスクの一部」として扱うべきだとまとめています。
では、なぜ寒いと痛みを感じるリスクが高まるのでしょうか。
主な理由は、筋肉や関節の血流低下、神経の感受性の上昇、そして筋肉の緊張の増加です。
寒さの中では体温を逃さないように筋肉が自然と収縮します。それによって凝りや炎症が起こり、痛みにつながる場合があります。
また、寒さのために体をすくめたり、肩を上げて防御的な姿勢を取ることで、首・肩・腰に余計な負担がかかり、これも痛みの原因になります。
対策としては、まず作業環境の温度を下げすぎないように設定し、断熱性の高い衣服を着用することが基本です。
必要に応じて重ね着をし、冷えを防ぎましょう。
さらに、定期的に休憩を取り、その際に軽いウォームアップやストレッチを行うことも大切。
作業前にも体を動かしておくと、筋肉の柔軟性が保たれ、血流が促進されます。
また、長時間同じ姿勢で作業するのを避け、こまめに体を動かすこともポイントです。
体を動かすことで筋肉がほぐれ、血流が上がり、痛みのリスクが低下します。
加えて、筋トレも有効ですね。
作業前~作業中(の小休憩など)に軽く筋肉を動かしておくことで、首・肩・腰の痛みを予防することができます。
というわけで、部屋が寒いと首痛や腰痛・神経痛など体のどこかが痛くなるリスクが高まりますので、
これからどんどん寒くなっていきますが、部屋の寒さ対策はもちろん、厚着による防寒対策や、
筋トレなどの運動をして、こまめに体を動かすのが重要になりそうですね。
※参考
Occupational cold exposure is associated with neck pain, low back pain, and lumbar radiculopathy(今回紹介したメインの研究)
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00140139.2022.2027030#abstract
The association between cold exposure and musculoskeletal disorders: a prospective population‑based study(2023年) https://link.springer.com/article/10.1007/s00420-022-01949-2
Cold exposure and musculoskeletal conditions; A scoping review(2022年) https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2022.934163/full


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