- 2015-10-14
- おすすめ記事, 効率的な時間管理術, 勉強のやる気アップ法
こんにちは、中西です。
今回は、
「1日の作業時間」
について海外の興味深い事例をご紹介。
厳密には、この事例は
「労働時間」の話ですが、
「労働」という言葉を、
「勉強」
に置きかえて読んでみてください。
本題。
日本ではもうずっと昔から、
労働者の標準的な1日の労働時間は
「8時間」
が一般的ですが(9時~18時など)、
この「1日8時間労働」は
世界的にもスタンダードな労働時間です
(個々の残業時間は別として)。
つまり世界中の労働者の多くは、
基本的には
「1日8時間労働」
というルールの下で
働いているわけです。
しかし、ある国では、最近になって
「冷静に考えたら『1日8時間労働』って、
ちょっと長くね?
一回、実験的に『1日6時間労働』にしてみようぜ」
的なノリで、なんと1日の労働時間を
8時間から6時間へ、
つまり25%(4分の1)も
削減する試みが行われたのです。
しかも賃金を減らすわけではなく、
8時間労働と同じ賃金のまま。
そのパラダイスな国とは、
スウェーデン
です。
実はこのニュースは
私はだいぶ前に聞いていて、
またそのうちご紹介
しようと思っていたのです。
そのときのニュースではたしか
「1日6時間労働にして、
もし生産性が下がっちゃったら、元に戻そう」
という内容だったと記憶しているのですが、
ここに来て、最近このスウェーデンの
実験的な試みがわりと順調に
機能しはじめていることが判明しました。
参考:CNN「1日6時間労働で効率アップ スウェーデンで普及の兆し」
http://www.cnn.co.jp/business/35071464.html
http://www.cnn.co.jp/business/35071464-2.html
個人的に非常に興味深い話だったので、
上のCNNの記事から箇条書きで
引用させてもらいましょう。
——————————————–
「同国では新興企業から高齢者向け住宅まで、
さまざまな職場で6時間制の試験導入が進んでいる。」
——————————————–
「1日の労働時間を
8時間から6時間に短縮したら効率が上がり、
従業員の意欲も高まった」
——————————————–
「イエーテボリ市のトヨタ・サービスセンターは、
6時間労働に切り替えてからすでに13年。
利益が上がり、スタッフに笑顔が増えたという。」
——————————————–
「同市当局では昨年4月から
看護師の労働時間短縮を試行中。
結果が発表されるのは16年末の予定だが、
すでに看護師らの疲労が軽減され、
仕事の効率が上がるとの中間報告が出ている。」
——————————————–
「短時間で仕事を片付けようとすれば、
従業員はフェイスブックをチェックするといった
私用を控えるようになるし、不必要な会議もなくなる」
——————————————–
・・・とまあ、こんな感じで「結果」が出ています。
ただし注意しないといけないのは、
「笑顔が増えた」とか
「従業員の意欲が高まった」とか
「疲労が軽減され」というのは、
非常に抽象的・主観的なものです。
また、労働時間を減らしたのだから、
ある意味で当たり前でもあります。
労働者は基本的に「早く帰りたい」と思って
仕事をしている人が大半ですから、
労働時間が2時間も短くなれば
「笑顔が増える」
のは、想定内すぎますし
主観的すぎて
判断基準にはならないかと。
これらの抽象的・主観的な結果だけで
「1日6時間労働の実験で、素晴らしい結果が出た。
6時間労働のほうがいい!」
と判断するのはアホすぎるわけですが、
注目すべきはトヨタ・サービスの
「利益が上がり」
という点。
8時間から6時間に減らして、それが原因で
「利益がアップ」したり、
「仕事の総量が増えた」なら、
これは評価に値すると思います。
まだこの「1日6時間労働」は
実験的な試みの最中ですが、
利益や仕事の総量が、本当に
「1日6時間労働が要因」
でアップしたと認められたなら、
これは世界的にも注目すべき
ニュースになるでしょうね。
(備考:現時点では「1日6時間労働」は、
スウェーデンの一部での試みです)
さて、振り返って、この知見を
受験生が日ごろの受験勉強に活かすとするなら、
「1日の勉強時間を
4分の1ほど減らしてみようぜ!」
という話になりますが、
果たしてそれでいいのか?
私の意見は、
あなたの現在の1日の勉強時間において、
とくに1日の後半4分の1くらいの時間に、
集中力の低下を
ハッキリ・強く実感するのであれば、
試してみる価値はあると思います。
そこまであからさまに
集中力の低下を実感していないなら、
1日の勉強時間を4分の1減らしてしまうと、
単純に勉強量が減るだけの可能性が高い
と思われます。
まあ4分の1まで時間を削減しなくても、
5分の1とか、6分の1とか、もうちょっと少なめに
勉強時間を減らす実験を
してみるのはいいでしょうね。
ただし受験勉強というのは、
▼本番まで「期間限定」で頑張ればいいイベント
&
▼一生が左右されるイベント
ですから、集中力が落ちないのであれば
「できるだけ勉強時間を増やした方がいい」
に決まってます。
つまり、今回のスウェーデンの話をもとに
勉強時間を削減する条件は、
「すでに1日に相当な時間を
勉強に費やしている人」
で、かつ、
「1日の後半に集中力の低下を強く自覚する」
という人です。
もしくは
「ためしに勉強時間を少し減らしてみたら
集中力が大幅にアップするのを実感できた」
という場合に限った方がいいでしょう。
安易に減らすのは良くないですが、
上記の条件に合致するなら、それが功を奏することもある
ということですね。
というわけで、条件によっては
「勉強時間を減らす」
という選択肢もある点と、
それによって
「勉強量が増える」
というパターンもあることを覚えておいて下さい。
それではまた。
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