- 2015-6-5
- おすすめ記事, 受験を突破する健康管理術
こんにちは、中西です。
受験勉強というのは、ある意味で
“数々の誘惑との戦い”
という側面があります。
自分の中にあるいくつもの欲求を
うまく制御し、管理していく
「自己コントロール能力」
が高いか低いかによって、
はっきり言って勉強の生産性は
大きく変わってしまうわけです。
当然、自分の欲求をコントロールできず、
いろんな誘惑に簡単に
負けてしまうような人は、
毎日の勉強量も増えませんし、
成績や受験の結果にも
マイナスの影響を及ぼすことになります。
ではそんな
「自己コントロール能力」というのは、
一体どうやったら身につけられるのか?
多くの人(先生も含む)は、
「それは本人のやる気の問題だ」とか
「生まれ持った性格の問題だからどうしようもない」とか
「もっと本気になれ!」とか
「自分に甘い人間になるな!自分に厳しく!」とか
「心からやりたいことを見つけていないんだよ」などなど、
わりと精神的な側面にその原因を
求めようとしがちです。
たしかにそういった部分が
原因の一面になっている場合もあるでしょう。
しかし、実は最近のいくつもの研究で、
「自己コントロール能力」というのは、
“体の中のある成分の量”
に激しく影響を受けていることが
判明しているのです。
その成分というのは、
【 グルコース(ブドウ糖)】
です。
グルコースというと、
「試験前にチョコレートを食べると、
脳にグルコースが行くので集中しやすい」
といった話などで、一般的にも
わりと知られている成分ですね。
これまで何度かブログでも
取り上げたことがあります。
ただ、こういった一般的な説明だけですと
グルコースというのは、単純に
“脳のエネルギー源”
というようなイメージになる思います。
たしかにそれは間違いないのですが、
グルコースというのは、もっと根源的に
「誘惑に勝つ自制心」や
「感情コントロール」
なども含めた、あらゆる
【「自己コントロール能力」を司っている
総合的な脳のエネルギー源 】
だったことが判明しているのです。
したがって、
グルコースが足りない状態だと、
感情をうまくコントロールしにくくなります。
たとえばイライラしやすくなったり、
ちょっとしたことで怒りっぽくなったり、
人間関係で人と衝突しやすくなったりするのです。
実際、グルコースが
自己コントロール能力と密接に関係しているのは、
いくつもの実験で何度も証明されています。
たとえば、
刑務所で問題行動を起こす人の多くが
グルコースが少ないことがわかっています。
また、グルコースを摂取できる
砂糖入りのレモネードを飲んだグループと、
グルコースが摂取できない人工甘味料入りの
レモネードを飲んだグループとで
コンピューターゲームをやらせたところ、
意地の悪い形でゲームの難易度が
高くなったとたんに、
グルコースを摂取していないグループの方は、
大声で悪態をついたり、コンピューターを
叩いたりするようになったのですヽ(`Д´)ノ
しかし、グルコースを摂取したグループは、
ブツブツとゲームに文句を言いいながらも
最後までやり抜きました。(- -)
また、夕食前に若干イライラ度が
高まっている人が多いのは、
「空腹だから」というよりも、
昼食から時間がたって、
「体内のグルコースが減っている」
からという側面があるからです。
よってあなたが学生なら、
テストの成績が悪かったときに、
夕食前に親に報告しないほうがいいです(笑)
そのかわり夕食後なら、親御さんのグルコースが多いので、
自制心が高まっています。
そのタイミングだと、いい形で注意してくれたり、
励ましてくれる確率がアップするでしょう(経験談)
ともかく、グルコースが体内で足りなくなると、
どんな人でも自己コントロール能力が低下し、
誘惑に負けやすくなったり、
イライラしやすくなったり、
最後までやり切る根気が無くなったりします。
したがって、
あなたが自己コントロール能力を高めて、
できるだけ勉強にフォーカスしたいなら、
精神論的な部分も重要なのですが、
「グルコース」という視点で
原因を分析して対応するのは
非常に重要なポイントになるのです。
では、グルコースは一体どうやって
摂取して行けばいいのか?
これについては次回解説します。
受験生活を乗り越えていく上で、
「グルコース」は非常に重要な要素なので、
ちょっと詳しめにお話しますね。
「疲れたおりの消極性も
また厳に戒めなければならない」
(山岡荘八「徳川家康」/講談社文庫より)
(参考:「WILLPOWER 意志力の科学」
ロイ・バウマイスター、 ジョン・ティアニー著)