- 2024-8-15
- 休日のすごし方, 勉強のやる気アップ法, 勉強のモチベーションアップ
こんにちは、中西です。
本日は79年目の終戦(敗戦)の日ということで、先の戦争や戦没者に思いを馳せた人も多いと思います。
お盆でもありますので、帰省したりご先祖様への思いや感謝を改めて感じる時期でもあります。
グローバリズムの時代ではありますが、国や故郷があるからこそ、アイデンティティも確立される部分があると思います。
先日のパリオリンピックでは、大半の日本人は当然日本選手を応援したと思いますが、
現在行われている高校野球ではほとんどの人が地元(出身地)の高校を応援します。
昨日、私の出身地・滋賀県の滋賀学園という高校が、岩手県の強豪校の花巻東高校を5対0で破りました。
私は滋賀学園という高校はほとんど知りませんが、滋賀県vs岩手県なら当然滋賀勢を応援してしまいます。
準決勝や決勝に行こうものなら、急に高校野球ファンになって滋賀学園を母校のごとくめちゃくちゃ応援すると思います笑
自分の出身地の高校が決勝まで行っているのに、自分と縁のない相手の高校の方を応援する人はいません。
滋賀県出身の私が滋賀県vs岩手県の試合で、岩手県を応援したらおかしいわけです。
稀に例外のケースもあるかもしれませんが、基本的にほとんどの人が出身地の高校を応援します。
それを郷土愛と言ったら大げさかもしれませんが、オリンピックなら日本人は日本選手を応援するわけですから、このメンタリティは当たり前ですね。
ふだん日常生活を送っているとあまり意識しませんが、やはり我々のベースには「国や郷土に愛着がある」と言うことだと思います。
この人間が持つ郷土(地域)への愛着について研究した興味深い論文があります。
お盆休みはちょうどそういうテーマを考える良い機会かと思いますので、今回はその論文をご紹介。
その内容を結論から言いますと、
【 神社仏閣(寺社)がある地域に住んでいる人の方が、それらがない地域に住んでいる人よりも、地域への愛着心が高い】
ということが分かりました。
▼参考『「地域風土」への移動途上接触が「地域愛着」に及ぼす影響に関する研究』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejd/64/2/64_2_179/_pdf/-char/ja
実は、この論文は東京工業大学の研究室から鈴木春菜氏と、このメルマガでよく登場する現京都大学の藤井聡教授が、2008年に発表したものです。
昔の研究ではありますが、内容は現在も全く古くなっていません。
この研究では、地域にスーパーやコンビニや大型ショッピングセンター、パチンコ店などの娯楽施設がいくらあっても、その地域への愛着心には影響がなく、
神社仏閣がたくさんあるほど、地域への愛着心が高まる可能性があることがわかりました。
論文より一部引用しますと、
「このことはすなわち,寺社が複数存在する地域においては,
その地域の事物や自然に触れる機会が増えれば増えるほど,その地域に対する愛着が深くなる可能性が存在する一方で,
寺社が存在しない地域においては,その他の事物や自然に触れる機会がいくら増えても,
その地に対する地域愛着が深くなることは保証されていない,という可能性を示唆している.」
・・・ということで、自分でも気づいていないうちに、地元に寺社があるかどうかで、地域への愛着心(郷土愛)が培われていた、ということのようです。
そう言われてみれば、私が生まれ育った実家やその周辺は神社だらけでした。実家は徒歩20秒のところに神社がありました笑
私の地元に限らず、全国には神社が15万社もあり、全国のコンビニの数が5万ほどなので、コンビニの3倍近くの神社があるわけです。
そう考えると、日本人の多くは地域愛・地元愛・郷土愛が深い人が多いのもうなずけます。
神社仏閣を建てた人たちは、そういうつもりはなかったのでしょうけど、結果として神社仏閣がたくさんあることで、日本人は地元愛・ 地域愛 ・郷土愛が深い人が多い傾向があると考えられます。
こういう論文を発表している藤井教授が、能登地震直後の米山隆一議員の被災者へ放った
「そんな危険な地域に住んでないで移住したほうがいい」
という棄民発言を「許せない」と心底ブチ切れておられたのは、ある意味当たり前と言えます。
一般人の発言でも許し難いですが、地域を守るべき政治家がこれを言うのですから(しかも元新潟知事)、完全に日本の政治家として失格だと思います。
ちなみに、社会心理学者で「成功している人は、なぜ神社に行くのか?」という著書もある八木龍平氏が、藤井教授のこの論文を以下のように評価されています。
「何かに愛着があるとやる気が増す、やる気が増すとパフォーマンスが向上する、
パフォーマンスが向上すると仕事などでも結果が出る、ということがありますよね。
神社仏閣があると、仕事などでも成功しやすくなる、生きやすくなると納得しました。(中略)
神社仏閣があることで、社会に対する愛着も増し、日本への愛着も高まっていきます」
(引用:「神社参拝で幸福度向上 経営者やリーダー層が神社に参拝すべき理由とは:ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート」)
八木氏の「愛着があるとやる気が増し、仕事のパフォーマンスが高まる」という話は興味深いですね。
つまりは、地域に神社がたくさんあるほど、地域の愛着心が高まるので、仕事のパフォーマンスが向上する可能性がある、という話。
まぁ、仕事のパフォーマンスはそれだけで上がるものでもないと思いますが、
「地域への愛着心がやる気とつながっている」
と言うのはなんとなくわかります。
というわけで、地域に寺社(神社仏閣)があるほどその地域への愛着心は高まりますし、
日本には15万社もの神社があるので、国民の多くは地元愛が比較的強いのが、日本人の特質なのではないかと思われます。
猛暑で外が暑い日が続きますが、また涼しくなりかけたら、愛着心アップでやる気を高めるために、地元の神社にでも気分転換がてら行ってみてください。