- 2019-5-25
- おすすめ記事, 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
前回は、「眠気と戦う」ことに関する考察でした。今回もこの流れで。
最近は「仮眠」の重要性が広く知られてきましたが、残念ながらまだ学校や企業で仮眠タイムを導入している所は少数派です。
そこで今回は、仮眠の効果について検証した実験を一つご紹介。
1万人以上の睡眠や生活習慣のデータを収集し、睡眠を改善する支援事業を展開する株式会社ニューロスペースが、三菱地所と共同で行った実験があります。
昨年の5月~6月に1ヶ月間実施されたもので、
・前半の2週間は仮眠しない期間
・後半の2週間は仮眠する期間(毎日30分)
として、複数の項目について両者の違いを計測しました。
結果は以下のとおり。
■日中の眠気や集中の実態
1、日中(業務中)に眠気や集中力の低下を90%以上の人が実感
2、眠気を感じる時間帯は13時~15時に集中
3、眠気の業務への影響として大きい点は、「業務の質の低下」「業務効率の低下」(80%前後)
4、現状の眠気への対策方法として、「仮眠」は被検者全体の25%に留まる(実証開始時点)一方で、「仮眠」を取りたいと考えている被検者は全体の2/3と多い
■仮眠の効果実感と今後の意向
1、仮眠を取ることで、作業の生産性が良くなったと回答した割合は2/3
2、仮眠を継続したいと回答した割合は80%
3、定性コメントでも仮眠の効果に対するポジティブな意見多数
<効果検証実験を通じたコメント(抜粋)>
・頭がすっきりした
・眠気改善・思考が進む
・会議中の眠気がなくなった。夕方までやる気が持続
・特に疲れている時に仮眠をとると、夕方以降の疲れを感じることが少なくなった
・身体がすっきりするような気がする。頭痛が改善した
引用:三菱地所との「仮眠室を活用した仮眠効果検証実験」結果報告
仮眠を活用することで日中の集中力向上と眠気低減を計測データで確認
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000020114.html
・・・ここまで見事に結果が出ると、もはや仮眠をしない理由がなくなります。
しかもこの実験は、世界中で無数にある実験のごく一部ですからね。
それでもまだ仮眠を導入しない理由があるとしたら、「新しい試みが面倒」「前例のないことはやらない」的な悪しき慣習くらいしか思いつきません。
上のデータを見ると、66%が仮眠をとりたいと思っているのに、実際に仮眠できているのは25%。
つまり約40%の人が「仮眠したいのに、できない(やりづらい)環境」にいると考えられます。現状、世の中の大半の学校・企業がそんな感じでしょう。
これほど明確に「仮眠した方がいい」というデータが存在するのにやらないのは、本当に非効率極まりないと思います。
しかも導入にあたり高額なシステムや面倒な作業も不要。仮眠を認めるか、仮眠タイムを作るだけ。ヘタな業務改善してるより、よっぽど簡単に日中の効率がアップするのにねぇ。。
そのあたり分かってる企業(Googleなど)は普通に昼寝OKですからね。私が前にいたIT企業もベンチャーなのに昼寝OKでした(しかも10年以上前)。従業員のことを真剣に考えている組織なら、仮眠タイムを導入しない理由はないかと。
というわけで、前回の話もふまえると「眠気に耐えられないこと」に罪悪感を感じるよりも、「眠気があるのに仮眠をとらない」ことの方にむしろ罪悪感を感じるべきだと言えるほどなので、
眠気を我慢せずに仮眠をとって、その後に仮眠した時間分を集中力アップで取り返しましょう(あっさり取り返せます)。
それではまた。