- 2015-8-28
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こんにちは、中西です。
私は受験生時代にいくつかの“戒律”を自分に課していたのですが(テレビの禁止、読書の禁止など)、
その中でなかなか辛かったのが「音楽を聴く」ことの禁止でした。受験中、私は音楽も完全に禁止していたのです。
受験生になるまでは音楽をよく聴いていましたが、音楽を聴いている時間がもったいない・無駄だと思いましたし、なにか現実逃避をしているような気がして嫌だったのです。
ただ当時は今より音楽好きでしたので、この戒律でかなりフラストレーションが溜まっていたのを覚えています。
最終的に合格しているので特にそれで後悔も何もしていませんが、もし今受験生から「音楽を聴きたいのですがいいでしょうか」と質問されたら、「時間を決めて聴くなら問題ないですよ」と答えます。
なぜなら、音楽を聴くことで脳が活性化することがわかっているからです。曲によっては非常にやる気が高まる場合も少なくありません。
実際、これまで見てきたOCPメンバーでも音楽をうまく生活に取り入れてリフレッシュをしている人は多数いました。
経験則としても音楽鑑賞でリフレッシュできるのはわかるのですが、実は脳科学でも、楽器を演奏したり歌を歌ったりするのはもちろん、ただ受動的に音楽を聴いているだけでも、「言語をつかさどる脳の領域」が活性化することが判明しています。
つまり脳の観点でみると「音楽を聴く」のは「言葉を発する」のと同じような形で脳を活性化させるということです。
たとえば多少眠気がある状態でも、朝起きて音読をすると目が覚めたり、人と会話をしていると目が覚めてくることがありますが、「言葉を発する」という行為は、自分でもハッキリ自覚できるレベルで脳を目覚めさせてくれるのです。
「音楽を聴く」というのはいわばインプット行為のようなものですが、自らアウトプットして「言葉を発する」場合と同じように脳を活性化できるということですね。
ちなみに、脳研究の第一人者で京大名誉教授の久保田競先生によると、歌に合わせて手足を動かした場合、脳全体がさらに活性化するとのこと。非常に参考になるので久保田先生の言葉を引用しますと
「歌や踊りはもっともっと大切にしなければいけません。こうした好きな音楽を聴くなどといった最低限の快感刺激すらなく、感動も喜びもない生活をしていると、やる気が低下し、前頭前野のあらゆる働きが低下していきます」
(「バカはなおせる~脳を鍛える習慣、悪くする習慣~」久保田競著)
「感動も喜びもない生活をしていると、やる気が低下」するというのは、とても示唆に富んだ話だと思います。
ちょうど先日、「ポジティブ心理学」のポイントを少しご紹介しましたが、
この記事で【「幸福感」の高まりと「生産性」の高まりが連動している】という話をしましたが、上の久保田先生の話はそれと見事に一致しています。
つまり心理学と脳科学という別々の学問分野からのアプローチですが、同じような結果が出ているということです。
これを私なりに一言でまとめると
「楽しみも喜びも快感も全く無い生活をしていたら、脳が元気を失って、やる気が無くなるよ」
ということになります。
勉強自体が楽しいなら問題ないのですが(笑)、そうでないなら一日のどこかでわずかでもいいので何がしかの快感がある楽しい時間があったほうが、より一日のパフォーマンスは高まるという結論になりますね。
その楽しみの一つが「音楽を聴く」であってもいいわけで、だとすると私が受験生時代に音楽を聴いていたら、もっとテンション高く勉強できた可能性が高いです(。´Д⊂)
(余談ですが、以前「読書論。~受験生の読書はありかなしか~」の記事でも、「読書しないのが理想。だけど読書を禁止するとフラストレーションが溜まる人は読んでもいい」という結論を書きました。基本それと同じ考え方です。ただし読書も音楽も、楽しむ場合は「時間制限」をキッチリ守ることがポイントですね。
昔の私のようにそのあたりが不器用だという自覚があって、一度聴き出したら制限なく聴き続けてしまうという自覚がある人は、もう思い切って0にするか、それが無理なら「週末だけOK」などのルールを課して下さい)
ここまでの話をもろもろひっくるめて考えると、「カラオケ」はかなり良いということになりそうです。
カラオケは「歌う」(言葉を発する)し、「踊る」(手足を動かす)し、友達と行くなら「音楽を聴く」ことになるので、上のすべての要素を満たしています。
時間制限もあるので無駄にダラダラすることもありません。お金も比較的低価格ですし、場所を移動して歩くことによる脳の活性化もあります。
ダラダラと家で漫画やYouTubeを観るよりは、たまに行く分にはカラオケの方がずっと元気になれるといえますね。
カラオケでリフレッシュできるのは感覚的にみなさんご存知かと思いますが、科学的に分析すると上記のような話になるということです。
ちなみにご存じない方のために説明しておくと、「一人カラオケ」なんて全然珍しくありませんからね。私も昔は一人でカラオケに行くのが恥ずかしかったクチですが、受付でお客さんが書く用紙の人数を見ると、一人でカラオケに来ている人だらけであることが判明。日によっては客室の大半が一人で来ている客、なんてこともあります。一人カラオケは今どき全然普通ですので、ぜひお気軽にどうぞ(誰目線?)
受験生ですので、いずれも当然ハマるのは論外ですが、「音楽」も「カラオケ」もたまに楽しむ分には、むしろ脳にエネルギーを与えてくれるので生産性は高まるということですね。よかったら参考にしてみてください。
それではまた。
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