- 2015-7-16
- おすすめ記事, 勉強の集中力をアップさせるテクニック, 睡眠効率アップで集中力UP
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こんにちは、中西です。
現在、文部科学省のほうで
「早寝早起き朝ごはん」国民運動
という企画が行われています。
この運動に関する資料を見ていたら、
中高生向けに出されている
漫画チックなPDFがあったのですが、
この資料の中でちょっと面白い
○×クイズが出題されていました。
『早寝早起き朝ごは んで 輝く君の未来 ~睡眠リズ ムを整え よう! ~』
http://katei.mext.go.jp/contents2/pdf/H26_keihatsushiryo-student.pdf
この資料のタイトルのセンスはさておき<(_ _)>、
資料の中の「早寝早起き朝ごはん」に関する
○×クイズは全部で10題あり、
私もやってみました。(興味のある人はやってみよう↑)
「こんな○×クイズ余裕やで~。
オレさまを舐めんなよ、1分で満点とってやる!」
といった謙虚な姿勢でのぞんだわけですが、
結果、1分でやれましたが、
点数は10点満点中、9点でした(;゚ロ゚)
その間違えた1問がこちら。
よかったらあなたも考えてみてください。
「Q2、帰宅した後、夕方に仮眠をとると勉強の効率が上がる 」
・・・はいこれ、○か?×か?あなたはわかりますか?
では回答です。
まあ私が間違えた問題という情報を言ってしまったので、わかってしまった方もいるかもしれませんが、この問題の答えは、
×
なのです。
夕方に仮眠をとるとその後の勉強効率は上がりそうなものですが、そうではないというのが文科省の見解です。
・・・この答えを見たときちょっと驚いたのですが、文部科学省の見解は以下の通り(先の資料から引用)。
——————————————
夕方仮眠をとると就寝時刻が遅くなり、
体内時計のリズムが夜型化するとともに、
夜の眠りが浅くなり、結局睡眠不足
をもたらします。
その結果、翌日の日中に眠気が生じ、また
夕方仮眠が必要になるという悪循環となります。
夕方眠気を感じる場合には、夜は早めに寝て、
翌朝勉強をするのも効果的です。
——————————————
なるほど。これならわかります。つまり、
▼夕方の仮眠
↓
▼体内時計のリズムが夜型化
↓
▼寝つきが悪く眠りが悪くなる
↓
▼翌日は睡眠不足状態
↓
▼日中の眠気
↓
▼夕方の仮眠
という悪循環に入ってしまうと。
しかも興味深いデータが一緒に掲載されています。
「帰宅後、夜寝るまでの間に、 30分以上の 仮眠をとることはありますか」
という質問に対し、「よくある」と答えた生徒は60%以上が「午前中が調子が悪い」と答えているのです。中高生とも。
つまり上記の悪循環に入って、午前中の調子が落ちてしまっているということです。
個人的な見解ですが、10代なのに午前中から調子が悪いなんて、完全にやばいです。とくにこれから夏休みに入るわけですから、この悪循環に入っている感覚がある人は、ぜひ早急に改善したほうがいいですね。
ただ、少しだけこのクイズに突っ込みを入れさせていただくと、
「Q2、帰宅した後、夕方に仮眠をとると勉強の効率が上がる 」
というクイズの○×であれば、その仮眠をとった日だけを見れば「勉強の効率は上がる」のです。実際、この問題の解説にも
「夕方帰宅後に仮眠をとることで、その後頭がすっきりしますが、その分、夜寝る時刻が遅くなり」
とあり、頭がすっきりすることは認めています。
となると、仮眠をしたその日は、当然ながら「勉強の効率は上がる」わけで、この問題は「夕方の仮眠」の影響をどの時間で区切ってみるかで、解答は変わるはずなのです。
・・・これは決して私が満点を取れなかった腹いせに言っているのではありませぬ!!(*`Д´*)ノノ9点で悔しかったから突っ込んでるのではないのであります(たぶん)
さらに午前中の調子を調べたアンケート調査のほうで「30分以上の仮眠」の習慣を中高生に聞いていますが、これも「30分以上」ならたしかに夜の睡眠に影響して悪循環に入るとしても、
30分以内の短い仮眠の場合に同様の悪循環が起こるのかどうか、は書かれていません。
私は文部科学省のこの見解は、完全に説明不足・調査不足だと思っていて、私の見解は
「10分以内の仮眠なら夕方でもOK」
というものです。
私は10分以内であれば夜の睡眠にあまり悪影響は出ないと考えています。これは医学博士で多数の睡眠・仮眠に関する本を出されている坪田聡先生の見解に準じています。
なので、もし夕方に帰宅して眠気がある場合、勉強を明日に回せるなら、文部科学省がいうように早く寝て朝に勉強する。
夜に勉強する必要があるなら、10分以内の仮眠をとる、ということでいいと思います。
ただ短い仮眠でも、夜の睡眠への影響は0ではないと考えられるので、軽い眠気くらいなら10分以内でも5分くらいにするとか、その時点での眠気レベルと夜の睡眠への影響度を考えて、時間を調整して行ってください。何度か試して自分にとっていいパターンを探るのも重要ですね。
私が間違えた「Q2、帰宅した後、夕方に仮眠をとると勉強の効率が上がる 」の答えが×というのは、ある面では正解でしょうが、全面的に×とは言い切れない部分があります。
この資料やクイズは悪くないと思いますが、クイズの正解だけに焦点があたって「夕方の仮眠はダメ!午前中の調子が狂うから!」という情報だけが一人歩きするのは危険だと思っています。実際、そういう論調でこの文科省の見解を取り上げているニュースや記事を複数見かけました。「夕方の仮眠はダメらしいよ!ダメよ~ダメダメ!」という結論になってしまうわけですが、上記の通りそれは時と場合によるということです。国の見解として出てしまっていますし、世の中ではそこまで「本当か?」なんてイチイチ考えない人が多いですから、0か100か思考で「夕方の仮眠=悪」となって話が広まって行くわけです。
「夕方の仮眠はダメ!」という部分だけが切り取られてこの情報が広まった場合、本来夕方の短い仮眠で勉強に集中できるようになるはずの生徒たちまでも、悪影響を恐れて一切仮眠をしなくなり、勉強の生産性を落としてしまう可能性も十分に考えられます。なので国が出してる見解とはいえ、ここは突っ込みを入れないわけにはいきません。
このように文部科学省が言っていても常に正しいわけでは全くございませんので、間違ってると思ったときは噛み付きますヽ(`Д´)ノ 。といっても甘噛みですが。決して9点だった腹いせではありませぬ!中高生向けの簡単なテストだから満点取りたかったのに、9点で鬼悔しかったから突っ込んだとか、そんな私情はちょっとしかありませぬ!
というわけで、まとめると「夕方の仮眠は危険なので、できるだけやめる。どうしても仮眠するなら10分以内で」ということになります。参考にしてみて下さい。
それではまた。