- 2024-1-26
- 効率的なノートの取り方, 効率的な勉強法~中上級編~, 受験を突破する記憶術
【今日のFocus】
「体で覚えたことは、ほとんど忘れない。
ゆえにアウトプットこそが最強のインプット」
【解説】
記憶には短期記憶と長期記憶があります。
長期記憶はさらに2種類にわかれます。
①陳述的記憶=頭で覚える記憶
②手続き記憶=体で覚える記憶
①の「陳述的記憶」は、頭で覚えた知識・言葉や、映像的なイメージ・思い出などの記憶です。
②の「手続き記憶」は、体で覚えた記憶、例えば自転車の乗り方・水泳・楽器の演奏・スキー・テニスをする体の動きなどです。
体で覚えるという意味で、運動記憶(運動性記憶)とも言われます。
この手続き記憶=運動記憶の特徴は、1度覚えたら、その後忘れることがほとんどないということです。
「書く」「話す」
というアウトプットの行為も体を使う運動記憶なので、この形でアウトプットをした記憶は、長期的に忘れにくくなります。
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<まつわる話(ゆるい雑談)>
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こんにちは、中西です。
最近、私が仕事で利用している某巨大IT企業の方針変更が発表されました。
仕事上でかなり重要な方針変更だったのですが、この内容が、とんでもなくややこしい。
その変更に対応するために、変更内容の詳細を理解する勉強と、
自分の場合には具体的にどう対処すればいいのかを把握する必要が生じました。
これがあまりにも難解すぎて、過去トップクラスで理解するのが大変な勉強と対処方法でした。
専門用語が山ほど出てきて、まずその意味を理解するのが大変です。なんとか用語の意味を理解しても、文章が何を書いているのかさっぱり解りません笑
少し特殊な課題だったので、ネットを見てもドンピシャの回答はなく、自分で学んで、理解して、考えるしかないのです。
この方針の変更内容を理解することと、それに伴い自分が何をすべきかを把握するのに数日かかりました。
ようやく全貌を理解できたのが、ある日の仕事終わりのタイミングでした。
しかしそのまま仕事を終わって、一晩寝てしまうと、翌朝になったら確実に忘れている自信がありました笑
まあ完全には忘れないでしょうけど、翌朝に前日の復習をして思い出すのに、またすごく時間がかかるのは明らかでした。
翌朝に時間をかけて思い出す時間がもったいない。
そう思ったので、仕事終わりのタイミングで、忘れないうちに、翌朝すぐに内容を思い出せるように、
その内容をパソコンの画面収録で1人で解説し、動画にしておくことにしたのです。
つまり、自分用の復習動画を作ったわけです。
理解できた直後とは言え、内容は把握できているので、解説動画を作るのは難しくありませんでした。
10分ぐらいで出来上がり、
「これで忘れても大丈夫!明日の朝、この10分の動画を見れば、簡単に復習して思い出せるぜ!」
と思い、安心して寝ることができました。
そして翌朝起きて、その動画で復習しようと思って驚いたのですが、
その動画で解説した内容を、全部しっかり覚えているのです。動画を観なくても。
試しに、どういう内容だったかを頭の中だけで思い出してみたのですが、全部問題なく思い出せます。
なんと復習動画を1秒も再生せずに、復習できてしまいました笑
これは私の中で結構な驚きでしたが、よく考えたら内容を覚えているのは当たり前だったのかもしれません。
なぜなら、その復習用動画を作るために、ポイントのメモを書いたり、設定方法の解説を口に出して話していたからです。
つまり
「書く」「話す」「キーボードで入力する」
といった形で、「体を使うアウトプット」をしていたので、結果的に「運動記憶」になっていたということです。
冒頭でもお話しした通り、運動記憶(手続き記憶)は、体で覚えるので記憶に定着しやすく、忘れにくい傾向があります。
復習用に動画を作った体験(アウトプット)そのものが、復習する必要が無くなるほどの学習(インプット)になっていたということです。
しかも復習する必要はなくなりましたが、動画のファイルは残っているので、
もし後日記憶が曖昧になって確認したい場合は、いつでも確認することもできます。
受験勉強や読書など、何か勉強して暗記したい時にも、この方法は有効に使えそうです。
情報カードや単語カードで問題を作ったり、スマホやICレコーダーの録音機能で声に出して吹き込む。
マインドマップ(学習マップ)を作るのもいいと思います。
つまり「復習用」に自分でアウトプットしたコンテンツを作ることで、
【 その制作のプロセス自体が最強のインプットになり 】
かつ、出来上がったコンテンツで、後日記憶の確認・チェック・復習もできることになります。まさに一石二鳥!
私は大学受験時代に単語カードを山ほど作って合格できましたが、それを作るプロセスで既にかなりのところまで暗記できていたのでしょう。
前に聞いた話ですが、ある学校の先生がテストのときに
「カンニングペーパーを持ってきてOK」
というルールがあったそうです。
ただし用紙のサイズは制限があり、小さいノートくらいの紙1枚。
その小さめの1枚のカンニングペーパーだけ持ってテストを受けてOKなのですが、テスト終了後は、その紙を回答用紙と一緒に提出する必要がありました。
このクラスの生徒の最終的な合格率が抜群に良かったそうです。
なぜなら、カンニングペーパーのサイズに制限があるので、すでに覚えている事柄は一切記入せず、
まだ自分が覚えていない事柄を厳選して、ポイントをまとめて、効率的に記入する必要があったからです。
いやそれ、もう立派な勉強やんと笑
こうしてその先生の生徒たちは、効率のいいカンニングペーパーを作ろうとして、結果的に猛勉強していたのでした。
ドラゴンボールの超聖水のようなものですね。それを手に入れるプロセス自体が、強くなる(暗記する)という目的を実現させていた、みたいな。
ちなみに私がメルマガを辞めない理由の1つもこれです。
3300回以上配信してますが、全部アウトプットなので、内容が記憶に定着して自分の血肉になりやすいからです。
というわけで、確実にインプットしたい人は、効率の良い運動記憶を利用して、
書いたり話したりするアウトプットをしながら、
復習用のコンテンツを同時に作ってしまうのは、一石二鳥でかなりオススメですね。