- 2023-10-7
- 効率的なノートの取り方, 効率的な勉強法~中上級編~, 効率的な勉強法~基礎編~, 受験を突破する記憶術
こんにちは、中西です。
私が運営するコーチングプログラムのメンバーに、芸術系の大学の大学生で、主に就職活動で参加してくれているNさん(女子)という方がいます。
これまでNさんの作品をたくさん見せてもらってきましたが、どの作品も発想がすごく、ちょっと普通では考えられないレベルのアイディアの作品ばかりです。
彼女のアイディアを見るたびに「これはもう天才だ(゚д゚;) 」と思うレベルで、単に発想がすごいだけではなく、「実用に足る」作品が非常に多いのです。
斬新な発想かつ商業ベースで成り立つ(商品化できる)アイディアが多いです。これは私の主観だけではなく、実際にインターン先の企業から、そのアイディアを商品化する話になりました。
私も、そのアイディアを見た瞬間に、「これは絶対売れる!」と思いました。そういうレベルの作品を毎週のように見せてくれます。
そんなNさんのコーチングでは、作品づくりだけでなく、日々の生活習慣などのコーチングも行っています。
ノルマとなるタスクが多数あるので、スマホかパソコンのアプリで管理するか、手書きで紙に書いて写真を送ってもらうか、いずれのやり方で報告してもらうか少し前に確認したところ、
「紙に手書きで書く方が私はやりやすいです」
とのことでした。
そこで毎週1枚の紙に複数のタスクとその達成状況を手書きで記録した紙を写真撮影して送ってもらっています。
紙で手書きは、スマホのアプリ等と比べてアナログでちょっとダサイですし笑、一見めんどくさそうに思えますが、一方で、
「手書きの良さ」
を彼女なりに感じているわけです。
本日のコーチングでそんな話になったので、久しぶりに「手書き」に興味が出てきて、手書きと脳活動について少し調べてみました。
そうしたところ、ちょっと興味深い研究を見つけました。
2021年に発表された東京大学と日本能率協会マネジメントセンターとNTTデータ経営研究所の共同研究なのですが、結論から言うと
【 スマホなどのデジタル機器に入力するよりも、紙の手帳やノートに手書きする方が、記憶の定着率が良い 】
ということが初めて判明したようです。
▼紙の手帳の脳科学的効用について
~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~(東京大学)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00001.html
※詳しい研究内容のPDF
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00001.html
確かに、これだけデジタルの時代になっても、
「手書きの方が良い」「手書きが好き」
と言う人は多く、Nさん以外のプログラムのメンバーさんでも、
情報カード(単語カードのような大きい紙のカード)に手書きで書いて、気象予報士の勉強をしている女子大生もいます。
そんな感じで、これまで多くの人が感覚的に
「手書きの方がなんか良い」
「手書きの方が頭に入る気がする」
と感じていたことが、東京大学らの研究ではっきりしたようです。
研究成果のPDFから引用しますと、以下の通り。
※ちなみに、記銘(覚えること)、想起(思い出すこと)です。
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<発表のポイント>
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◆スケジュールなどを書き留める際に、スマートフォンなどの電子機器と比較して、
紙の手帳を使った方が、記憶の想起に対する脳活動が定量的に高くなることを発見しました。
◆異なる記銘の方法で記憶の想起のプロセスに影響が生じることを、脳活動から初めて実証しました。
◆教育やビジネスにおいて電子機器が多用される中、記憶力や創造性につながる紙媒体の重要性が明らかとなりました。
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手書きで書くと、1文字ずつが
「完全に自分オリジナルの文字」
になりますので、その独自性によってデジタルのフォントとして文章を見るよりも、記憶に残りやすいのではないかと思います。
いずれにしろ、
【 手書きでインプット(記銘)することによって、アウトプット(想起)するときの効率が上がる 】
ということですね。
確かに、手書きはデジタルで文字を書くよりも時間がかかりますが、暗記においては、その遅いデメリットを上回る
頭に定着しやすいメリットヽ(´▽`)/
があるので、トータルでは案外手書きの方が効率的なのかもしれません。
最近「紙とペンで手書きする」のがご無沙汰の人は、参考にしてみてください。
それではまた。