- 2019-11-20
- おすすめ記事, 勉強のやる気アップ法
こんにちは、中西です。
勉強のやる気が出ないという悩みを持つ人は多いですが、軽度のものと重度のものがあると私は考えています。
重度のものというのは、要するに深刻なレベルでやる気が出ない状態です。精神的に大きな問題を抱えているとか、 極端な睡眠不足に陥っているなど。
そういう重度の場合以外でも「やる気が低下する」ことは普通にあり、この場合は軽度のやる気低下ですが、
むしろこの「軽度のやる気低下」のほうがよく起こるので、悩まされている人が多いのもこちらですね。
今回はそんな「軽度のやる気低下」の際に、やる気を復活させるコツの話を。
軽度のやる気が出ない状態の多くは、まず気持ちとしては「そろそろ勉強しなきゃ」と言う思いはあるわけですが、 「なかなか机に向かえない(ノ_-。)」という状態です。
そこにあるのはほとんど「心理的なハードル」なのですが、 なぜ心理的なハードルが存在するかと言うと、これも細かく言うと色々考えられますが、
「脳が勉強モードにスイッチが切り替わっていない」
という部分が大きいわけです。
例えばそれまでYouTubeを見ていたなら、平たく言えば脳が YouTube モードになってるわけです。
ゲームをしていたなら、脳がゲームを楽しむモードになっています。
漫画を読んでいたなら、脳が漫画を楽しむモードに入っている。 テレビを見ていたら、テレビのモードになっている。
お菓子を食べながら雑誌を読んでいたなら、お菓子を食べながら雑誌を読むモードになっている。
人間の脳というのは、「引き続き、同じ行為を繰り返す」時にはエネルギーが最小化しますが、
違う種類の行為に切り替えようとすると、使う脳の回路を切り替える必要が生じるので、そこに心理的な負荷が発生しやすいのです。
結局のところ、この「脳のモードの切り替え」に1番エネルギーがかかるので、 その時に必要となる心身の負担を経験則で無意識レベルで感じてしまい、心理的に重くなります。
これが私が考える「軽度」のやる気低下の本質的な状態ですが、 実はこの場合のやる気復活方法はそれほど難しくありません。
「切り替え」のときに、一気にエネルギーが必要にならない形で、次の行動(この場合は「勉強」)に移っていけばいいのです。いわばソフトランディング(緩やかに移行させること)。
実はこのやる気低下からのソフトランディングのコツも複数あるのですが、私が最近例によって思いつきで試してみて効果を感じた方法をシェアすると、
【 とりあえずペンを持って、内容は何でもいいので、
メモ用紙にひたすら文字(文章)を書く 】
という方法です。これがかなり良い“ソフトランディング”になると気づきました。
勉強というのは、一般的には
「ペン(シャーペンなど)を持って」「何らかの紙に」
問題を解いたり、線を引いたり、書き込んだりすることが多いわけです。
まず自分の体の体勢を、その勉強をする時の体勢に近づけることができれば、その状態から勉強にうつる心理的なハードルが一気に下がります。
逆にごろんとベッドの上で寝転んでいるような体勢からだと、勉強の体勢とは離れてしまっているので、それが心理的な負担になります。
勉強する時の体勢に近ければ近いほどいいわけですから
【 とりあえずペンを持って、内容は何でもいいので、
メモ用紙にひたすら文字(文章)を書く 】
というところまで行動できれば、そこから先は勉強に移りやすいわけですね。
ポイントは別に何を書いてもいいということです。
「そろそろ勉強をやろうと思います。」みたいに今の自分の心境を書いてもいいでしょうし、今日あった出来事をプチ日記のように書いてもいいです。
「今日は2時間勉強に集中するぞ」といった感じで、何か自分自身に言い聞かせるような言葉や目標などを書いてもいいです。
1行程度ではなく、日記のようにツラツラと文章として書く方が、心が落ち着きやすいです。
「最近英語の勉強の進み具合が少し遅れているので、今日はこのあとしっかり集中して勉強して行こうと思う。睡眠も十分にとらないといけないので、今日は22時に切り上げて、そのあとお風呂に入ろうと思う」
・・・みたいな、なんでもいいから今の気持ちなどを手書きで書いて行く。他人が見たら「なんやこの文章(`ロ´;)?」と思われるような内容でも気にしない。
絵を描くのが好きなら最初は何か絵を描いてもいいと思いますが、 勉強は基本活字ですから、そこに近づけるために最終的には活字で簡単な文章を書くのがおすすめ。
そうやってペンを持って紙に適当に文章を書いている間に、脳が徐々に勉強モードに切り替わっていきます。
なにせやっている行為が勉強に限りなく近いので、その状態から勉強に移っていくのは心理的なハードルがだいぶ低くなります。ものすごく簡単に言うと「勉強のウォーミングアップ」みたいなものです。
注意点は、書く文章の内容をあまり真面目に考えすぎないほうがいいこと。目的はあくまで勉強に移っていくことですから、
この時点ではペンを握って、紙に色々と文章を好き勝手適当に書くことができれば OK。
これを数分続けてみるとわかりますが、どんどん心が落ち着いていきます。実はこれが最大のポイントなのです。
冒頭にも書いたように、現代の生活ではスマホやテレビや漫画やゲームなど、「気を散らす要因」が非常に多いわけです。
そうすると勉強をしようと理性で考えたとしても、無意識レベルでいろんなメディアに意識が侵食されていることが少なくありません。
スマホを切った瞬間から、スマホが見たくてなんだかイライラする(。´Д⊂) 何ていうのはその典型。
ある種の軽い依存症のような状態ですが、依存症というのは本能の部分(無意識レベル)が侵食される症状ですから、理性で治るものではなく、 理屈で何とかしようとしてもうまくいかないのです。
余談ですが、国内の依存症の克服施設では、この本能の部分から改善する治療法(条件反射制御法など)が導入されているほど。
ところが意外に思われるかもしれませんが、メモ用紙などの紙に、ペンで手書きで文章を書いていくと、「スマホが見たい」などの イライラが徐々に消えていきます。
アナログの道具を使うことで、目の前のその行為(文章を書く)だけに意識がフォーカスし、脳がその世界に没頭していくからです。
気付いた時には、脳が限りなく「勉強モード」に近い状態になっています。
心が非常に落ち着いた感じになっているのを実感できたら、タイミングを見計らって勉強に移っていきます。
この時の心理的なハードルは、最初とは比べ物にならないほど低くなっているわけです。
ちなみに、こうやって「紙に手書きで書き殴る」ことが心理的にプラスの作用をもたらすというのは、心理学の多くの研究で実証されているので、科学的な観点からも効果があるのは明らかなんですね。
また、近年世界的にGoogleなど様々な企業や組織で導入されている「マインドフルネス」という、心理的な観点からパフォーマンスを高める瞑想のような手法があります。
この「マインドフルネス」のポイントが「今この瞬間の体験に意識を集中する」というもので、それによって心理的に様々なプラスの作用が出てくることが分かっているのですが、
「手書きで文章を書く」
というのは、まさにこのマインドフルネスの状態に精神を近づける行為だと考えられます。
実感として、明らかに精神が落ち着いていくのを感じますからね。
その感覚はスマホを使っている時に感じる「依存症的な、どこか落ち着かないイライラ」とは真逆の感覚です。
というわけで、軽度のやる気低下状態の時は、脳を勉強モードに切り替えるために、
【 メモ用紙とペンを用意して、適当に好きなようにいろんなことを書きまくる 】
ことで、勉強に近い状態をまず作って、数分かけて心を落ち着かせた上で、ソフトランディング的に勉強に移っていくのがおすすめです。
それではまた。