- 2016-10-16
- おすすめ記事, その他・雑談, 勉強のモチベーションアップ, 受験が終わった後について, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
私が大学を出て働き出してから感じたこと
なのですが、世の中には意外と自分の学歴
にコンプレックスを持っている人が多いん
じゃなかろうか、ということです。
「コンプレックス」というと少し大げさか
もしれませんが、「自分には大した学歴が
ない」「自分はいい大学を出ていない」と
いうふうに心のどこかで思っていて、
そのことが何かその人の中で根深く尾を引
いているような印象を受けたことが少なく
ないのです。
それは普段その人と話しているときは気づ
かないのですが、会話の中でふとした拍子
に出てきて、「え?そんなふうに思ってお
られるのか」と感じたことが、先輩・同僚・
友人知人との会話の中で感じたことが何度
となくありました。
まあ半分自虐的に冗談で言っている場合も
あるので、あくまで私の感覚的なものですが、
「思ってたよりも世の中には学歴コンプレ
ックスを引きずっている人が多いのかも」
と感じています。
くどいですが、「コンプレックス」という
にはやや大げさな気がしますし、あくまで
私の感覚的なものですが、私自身はそうい
う人が(自分が思っていたよりも)わりと
多いのではないかという印象です。
個人的に興味深いのは、ものすごく仕事が
できて「この人無敵やん」と思うような方
でも、内心で自分の学歴に対してコンプレ
ックス(もしくはそれに近い感情)を持っ
ていることもあります。
というか、そのコンプレックスをはねのけ
るために仕事で頑張っている節のある人も
少なくない感じなのです。
とくに男は基本的にプライドが高い生き物
ですから、学歴で自分の納得行くものが手
に入らなかった場合、(平均以上に自尊心
が高い人は)仕事で挽回しようとして、
結果的に学歴がある人より社会的に成功を
おさめることもあるわけです。
しかしそもそもある程度以上に自尊心が高
い人なら、20歳前に手に入れた学歴ごとき
で満足して、その後の人生は適当に仕事を
こなしていく・・・なんてアホなことには
ならないと思います。
この話は前提として「学歴=ステータス」
と考えるような、心理学でいう「証明型」
(ある目標を達成することで自分自身の実
力を証明しようとすること)といわれるタ
イプの思考をする人向けの話です。
言うまでもなく、大学を目指す目的は人そ
れぞれですし、本来的な意味合いでいえば、
「学びたい学問をするために大学に行く」
というのが筋でしょうが、私は上記のよう
な証明型の目的で大学受験をする人がいて
も全然いいと思っています。
以前、私が個別コーチングをしていた受験
生の中にも「医者になる気はないです。で
も日本の最難関の学部だから東大理3に行き
たいんです!」という高校生がいました。
最初はちょっとどうかとも思いましたが、
私は彼のその志望理由を受け入れてコー
チングしていきました。
中学時代から東大をめざしていた子で、完
全に「証明型」のモチベーションで勉強し
ていたわけです。
「そんな子が入学したら、本当に医者にな
りたい人が入れないじゃん!」という反論
はわかりますが、
それを言い出したら併願校の受験もダメに
なりますし、すべての学部・学科の入学者
が「本当にその学問を純粋にやりたい人し
か入ってはいけない」という話になります。
それを事前にチェックするのはほぼ無理かと。
ここは議論の余地はあるでしょうが、彼の
その「証明型」のモチベーションは私が否
定したところで消えるものではありません
し、私自身はそれもアリだと思っているの
で受け入れたわけです。
結果的に彼は現役で東大理3に合格しまし
た。それはあくまで“スタート”にすぎま
せんが、大学受験の一つの成功の形ではあ
ります。
この話を突っ込んですると長くなるので今
回は控えますが、もしあなたが大学受験を
する目的の中に、「学歴=ステータス」と
いう考え方があり、
そのステータスを手に入れるために勉強し
ているなら、もし大学受験で失敗(ここで
いう失敗とは、自分の納得行かない大学に
進学すること)になった場合は、
何年も浪人を繰り返すより、いさぎよく諦
めて合格した大学に入った方がいいと思い
ます。あくまでそのタイプの人は、ですが。
なぜかというと、自尊心を満たすための
「学歴=ステータス」を手に入れるために
何年も浪人を繰り返すのは、現代社会にお
いてあまり得策ではないからです。
それだけプライド(自尊心)が高いなら、
学歴で満足な結果を残せなかった場合、そ
のマイナス分を、必ず大学時代やその後の
仕事で挽回しようという強烈なモチベー
ションにつながります。
だから、そういうタイプの人は何年も学歴
を手に入れるために頑張るよりは、大学受
験でだめだったら、浪人を繰り返すのでは
なく、そのまま屈辱をたっぷり味わってし
まったほうが(笑)、長期的には人生がう
まくいく可能性が高いように私は思います。
逆に、浪人する価値があるタイプとしては、
「学歴=ステータス」という価値観よりも、
「自分が学ぶと決めた学問を大学で習得したい」
「この職業につくために大学で学ぶ必要がある」
という「習得型」の価値観の方が強い受験
生ですね。
私のプログラムに参加いただいている方に
も多いのですが、社会人の再受験生の方な
どはその典型かもしれません。
「学歴=ステータス」という“証明型”の
価値観で勉強しているか、
「学びたいこと(なりたい職業)のために
大学に行く」という“習得型”の価値観で
勉強しているか。
一般的に受験生はその両方の要素を持って
いる場合が多いですが、ポイントは
“どちらの動機がより強いか”
です。あなたにとって、どちらがより強い
動機になっているでしょうか。
自分がどちらの動機がより強いタイプかに
よって、その後のベストなあり方が変わっ
てきます。
以上はあくまで私の経験則から導き出した
見解ですが、よかったら今後のヒントにし
てみてください。
それではまた。