- 2016-5-23
- おすすめ記事, その他・雑談, 受験の意味を考える, 受験勉強のスタート準備, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
今回は、少数派の浪人生向けの話を。
河合塾で現代文の名物講師として活躍
された牧野剛先生が5月20日に亡くなりました。
70歳でした。
ネットニュースでもトップで出ていましたが、
予備校講師として活躍されただけでなく、
市民運動家や選挙にも出馬されたりして
活動が多岐にわたっていたからだと思います。
私自身は浪人していますが、別の予備校
でしたので牧野先生の授業は受けたこと
はありません。ただ短期の講習で河合塾に
行ったときに、たまたま講演で来られて
いてお話を聴いたことがありました。
牧野先生のご容姿は一度見たら二度と忘れ
ないんじゃないかと思うほどインパクトが
ありますが、なんというか言葉にはできない
異様なオーラを発しておられて、それまで
見たことがないタイプの大人でした。
講演も食い入るように聴いたことを
覚えています。
ただ私はその少し前に、彼の
という本も読んでいたので、余計興味を
持って聴けたのかもしれません
(残念ながら本は絶版のようですが
アマゾンで中古本ならあるもよう)。
牧野先生と同じ世代で予備校講師という
職業に就いておられる方は、いい意味で
ちょっとふつうじゃないタイプの方が
多いんですよね。
なんせまだ予備校ブームが来る前から
講師になっておられるので、社会の
ドロップアウト組みの人が多いのです。
私が習った駿台の名物講師である表三郎
先生(何年か前に「日記の魔力」という
本がベストセラーになった方)は、
二浪して大学に入ったあと大学時代に
学生運動のリーダーになり、その情報が
就活市場に出回ってどこの会社にも就職
できなくなり、仕方なく予備校講師に
就いたとか。
ところがその後予備校ブームが到来して
名物講師になり、ピーク時はヤバいくらい
の収入だったようです。そういえば
「河合塾から1億円で引き抜きの話が
あったが断った」とおっしゃってました。
牧野先生も表先生と同じような時期に
予備校講師になり、ともに運動家、
ともに有名予備校の看板講師で、
ともに授業の8割以上が雑談という点で、
お二人は非常に似ていると感じます。
このお二人は、私が
「人生なんてその気になれば、最悪一般的
なレールから外れても、挽回して面白く生きていく
ことは可能だ」ということを教わった
おそらく最初の大人だったなと。
その観点でいうと、今年浪人してしまった人は
しばらく意気消沈したかもしれませんが、
1年くらいの浪人は今でも全然社会の
許容範囲内なので、あまり落ち込む
必要はないですよ。
就職するときにその1年の浪人時代が
ネックになることなんて、まあまず無いです。
履歴書を見て「この子は1年浪人したのか。
じゃあ採用はやめとこう」みたいな判断を
する企業なんて無いです。そんな話を過去
一度も聞いたことないですし、万が一
そんな会社があったらアホすぎます。
入学後の友人関係も1年差くらいなら
まったく関係無いですね。高校までの
1年差は大きいですが、大学からは
ほとんど関係なくなります。
また、
「浪人なんてしなきゃ良かったよ(;д;) 」
というふうに浪人時代を後悔している人の
話も、私はいまだかつて一度も聞いたこと
がありません。逆に「浪人して良かった」
という話なら山ほど聞いたことがありますが。
浪人生は今は辛いかもしれませんが、
結果的にそのことを後悔している人って
皆無に近いので安心してください。
はっきり言って浪人生の未来なんて、私に
言わせれば夢いっぱいのバラ色です。
冗談ぬきでうらやましいです。
浪人時代に戻れるなら全財産払ってもいい、
なんて大人はいっぱいいると思います(いやホント)。
今年浪人してしまった人は、勇気を持って
前向きに残り9ヶ月ほどを頑張ってほしい
と思いますね。
なお、だからといって現高3生が
「じゃあ浪人も視野に入れようか」とか
「2年計画で合格目指そうかな」
などと考えて受験勉強を進めていくと、
非常に高い確率で大失敗しますのでご注意を。
人間とは弱いもので、浪人を想定して
勉強を進めた場合、まず現役では全く
勉強に身が入らなくなり(当然全国の
ライバルにも勝てない)、現役合格は
確実に遠のきます。
さらにその場合、現役時代に気を緩めて
勉強したため積み重ねが少ないので、
浪人しても希望の大学に行けない確率が
非常に高くなるのです。
これが受験生における一番最悪のパターン
だと思いますので、間違っても高3生は
浪人なんて想定せずに、現役合格を
確実に狙っていってください。
牧野先生の御冥福をお祈りするとともに、
少数派の浪人生もぜひ気持ちを切り替えて
前向きに勉強していってほしいと思いますね。
それではまた。