こんにちは、中西です。
政府による働き方改革が始まって、間もなく7年が経過しようとしています。
働き方改革関連法が2019年4月1日からまず大企業で施行され、翌2020年4月からは中小企業にも導入されていきました。
この働き方改革というのは、ざっくり言うと労働時間に制限を設けるというものです。
特に、時間外労働の上限と年次有給休暇の取得が義務化されました。
さらに2024年4月からは、トラック運送業などの業種にも上限規制が適用されて、厳格化が進んでいます。
私が子供の頃は、学校も親の会社勤務も週6日勤務で、土曜日も普通にみんな出勤していました。
時代の流れとしては、どんどん労働時間は短くなっていく方向となっています。
これには賛否が分かれておりますが、賛否はともかく、科学的な研究ではっきりしているのは、
労働時間が長くなるほど健康リスクが高まる、ということです。
もちろん個人差もありますし、好きな仕事に前向きに取り組んでいるか、いやいや仕事をさせられているかでも、全く変わってくるでしょう。
ただ、全体としては、労働時間の長さと健康リスクは比例することが、過去の複数の研究で分かっています。
一方で、これまでの研究は1つ問題がありまして、対象となっていたのは全て、
「お仕事としてお金がもらえる有償の労働時間」
によって調査されていました。
ところが私たちの生活は、お金が発生する労働だけでなく、
「家事、育児、介護などのお金が発生しない無償の労働」
も存在しています。
従来の研究では、このお金が発生しない無償の労働時間も含めた
「総労働時間(有償労働時間+無償労働時間)」が及ぼす健康への影響
については、十分に検討されていませんでした。
そこで大阪公立大学の森本明子教授らの研究グループが、このお金が発生する有償労働時間と、
お金が発生しない家事・育児・介護などの無償の労働時間を全て足した総労働時間が、どのように健康リスクに影響を与えるかを調査しました。
結論から言いますと、
【 総労働時間が長いほど、男女ともに”非回復性睡眠”のリスクが高かった 】
ということが判明しました。※参考:本メール下部に記載
「非回復性睡眠」というのは、睡眠を取っても回復感や休養感が得られない状態のことです。
この研究では、40歳から64歳の就労者約4000人を対象としてアンケート調査結果を分析し、
総労働時間と非回復性睡眠やメンタルヘルスとの関連を検証しました。
その結果、女性は有償労働時間が男性より短いにも関わらず、総労働時間は男性より長いことが判明しました。
さらに、男女ともに総労働時間が長いと非回復性睡眠のリスクが高いことも確認されました。
また、特に女性はメンタルヘルス不良のリスクも高いことが示されました。
一方で、男性ではメンタルヘルスとの関連は認められなかったとのことです。
この研究から分かるのは、働き方改革などの健康政策においては、お金が発生する有償の労働時間だけでなく、
「無償の労働時間も含めた総労働時間を考慮する必要がある」
ことを強く示唆している、ということです。
今まで、このような家事・育児・介護なども含めた無償労働時間も含めた総時間で健康リスクを調べた研究はありませんでしたので、
その点で今回の大阪公立大学の研究は、非常に意味のあるものになる研究だと思います。
余談ですが、少し前にもお話ししたのですが、最近私は日中の全てのタスクを、見積もりの時間と実際の時間を出して計測しています。
その時に、有償の労働時間と無償の労働時間に分かれるわけですが、無償の労働時間については、タスクとして設定してはいたのですが、「労働時間」としては換算していませんでした。
「労働」は、あくまでお金の発生する有償の労働時間のみを計算していて、休憩タイムも有償の労働時間に対してだけ行っていました。
しかし、そうしているとエネルギーがすり減っていくんですよね。
つまり、無償の労働時間を「労働」と見なしていなかったので、その分の時間に休憩を入れなかったのですが、すると、どんどん疲れていくのが分かるのです。
「無償の労働時間にも休憩が必要」
という発想がなかったのです。
家事などは脳を活性化する研究もありますので、リフレッシュ代わりにやっていました。しかしこれだとだんだん疲弊していきます。
そこで最近は、家事などの「無償の労働時間」においても定期的に短い休憩時間を入れるようにしたら、非常にスムーズに1日が回るようになりました。
その実感があったので、今回の研究は非常に納得がいくものでした。
というわけで、労働時間というと、ついお金が発生する有償の労働時間だけに注意が向きがちですが、
家事・育児・介護などの無償の労働も、健康リスクを高めていく「労働時間」だとしっかり認識しておくことが、
健康管理や時間管理で重要になりそうです。この点で課題を感じている方は参考にしてみてください。


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