- 2026-3-13
- 経済の話
こんにちは、中西です。
今回のアメリカによるイラン攻撃を見ていて、20年ほど前のイラク戦争を思い出した方も少なくないかと思います。
私も両戦争の類似性を感じましたが、全く同じでもありません。
同じではないのですが、構図としてかなり似ている部分があります。
しかも、下手をすると今回は、イラク戦争以上に危険な面すらあるように見えます。
まず、最大の共通点は、
「将来の脅威を未然に防ぐために攻撃する」
というかなり一方的な理屈です。
イラク戦争の時は「大量破壊兵器がある。このまま放置すると危険だ」という話が大きく打ち出されていました。
そして今回のイラン攻撃も、中心にあるのは核開発や核兵器化への懸念です。
要するに、どちらも、
「今この瞬間に攻撃を受けているから反撃する」
というよりは、
「将来もっと危険になる前に、今のうちに攻撃する」
というかなり自己本位な発想なわけです。相手の国は何もしていないのに、勝手に危険を感じて攻撃をする。
この点がまず、非常に似ています。
さらに、国際法上の正当性が強く争われている点も似ています。
武力行使というのは、本来かなり重大な問題です。
ですので、国連憲章でも原則として禁止されており、安保理決議や自衛権の要件が問題になります。
イラク戦争の時も、「本当に合法なのか」が大きな問題になりました。
そして今回のイラン攻撃も、同じように「これは国際法上どうなのか」という批判が出ています。
つまり、どちらも単純に
「悪いやつを懲らしめる正義の戦争です」
みたいな話では済まないわけです。
また、相手国の体制そのものを弱らせたい、あるいは最終的には体制転換まで視野に入っているのではないか、という空気がある点も似ています。
イラク戦争は最終的にサダム・フセイン政権の打倒にまで進みました。
今回のイラン攻撃も、表向きは核施設や軍事施設への攻撃という形を取っていたとしても、その先に体制転換までにじませているように見える部分があります。
このあたりも、かなり共通しています。
さらに言えば、開戦理由そのものに対する不信感が出てくる点も似ています。
イラク戦争では、大量破壊兵器の話が大義名分になりましたが、後にその前提が大きく崩れました。
大量破壊兵器が見つからなかったのです。
その結果、「あの戦争は何だったのか」という話になったと。
今回のイラン攻撃も、核の問題そのものは確かに重いのですが、それでもなお、
「本当にそれだけが理由なのか」
「別の狙いがあるのではないか」
と感じる人が出てくるのは当然だと思います。
前回書いたエプスタイン文書関連の隠蔽疑惑もその一つ。
こういう点も、かなり似ています。
ただ、ここからが重要なのですが、今回はイラク戦争より危険な面があるように見えます。
イラク戦争は、もちろんとんでもなく悲惨な戦争でした。トータル数十万人が亡くなっています。
ただ、恐ろしさが本格化したのは、地上侵攻して政権を倒し、その後に占領や内戦化で泥沼に入っていってから、という面が強かったです。
要するに、
「始めた後に地獄が広がった」
戦争だったわけです。
ところが今回のイラン攻撃は、始まった瞬間から世界全体に火の粉が飛びやすい構造になっています。
特に大きいのが、今回最も大きな影響が出ているホルムズ海峡です。
ここは世界のエネルギー輸送の超重要ルートです。
ここが機能不全になるだけで、原油価格、ガソリン代、電気代、物流コスト、物価全体にまで一気に波及します。
つまり、今回の戦争は中東の一地域だけの問題で終わりにくいわけです。
日本に住んでいる我々にとっても、
「中東で戦争が起きています」
で終わる話ではなく、
ガソリン代が上がる、電気代が上がる、物流費が上がる、物価が上がる、という形で生活に直撃してくる可能性が高いわけです。
実際1番最初に影響が出るガソリン代は、既に1リットル200円越え!の地域も複数でてきています。
しかも、今回の相手はイラクよりも報復手段が多いです。
単純に首都を落とせば終わる、みたいな相手ではありません。
ミサイル、無人機、海上交通への圧力、周辺基地への脅威など、いろいろな形で反撃できる余地があります。
つまり、戦線が一点に集中せず、広域に火がつきやすいわけです。
ここも、かなり怖いところだと思います。
さらに、核問題のリスクもあります。
イラク戦争では、大量破壊兵器があると大々的に言われたのに、後でその前提が崩れました。
一方で今回は、イランの核問題には少なくとも一定の現実味があります。
もちろん、それが即、核兵器保有を意味するわけではありません。
ですが、少なくともイラク戦争の時のように、
「そもそもの前提がかなり怪しかった」
という話とは少し違います。
だからこそ余計に厄介です。
これまでの流れとしては、2025年末にかけて核交渉は行き詰まり、
イランが核兵器級の一歩手前とされる60%濃縮ウランを大量に保有していたことは、IAEA(国際原子力機関)も確認していました。
同時にIAEAは「核兵器を作るプログラム」の証拠はないと言いつつ、「燃料(濃縮ウラン)の蓄積」については強く警告を発しています。
本当に危険性があるからこそ緊張も高まります。しかし、攻撃によってその問題が解決するとは限らない。
むしろ逆に、
「やはり核を持たないと危ない」
とイランに思わせてしまうリスクすらあるわけです。
これはかなり怖い構図です。しかも、相手の体制が簡単に崩れるとも限りません。
仮にイランが本当に問題があるとして、短期間で完全に倒せるならまだしも、
倒し切れず、しかし報復は続き、追加攻撃も続くとなれば、長期の消耗戦になりやすいです。
イラク戦争は、倒した後に泥沼化しました。
しかし今回は、倒せるかどうかも分からないまま、最初から世界の広域に火がつきやすい。
この意味で、今回のほうが構造的に危ない面があるように見えます。
要するに、今回のイラン攻撃とイラク戦争の共通点は、
「将来の脅威を未然に防ぐという大義名分」
「国際法上の正当性への疑問」
「政権転換の発想」
「開戦理由への不信感」
このあたりが非常に似ています。一方で大きな違いは、イラク戦争が
「始めた後に泥沼化した戦争」
だったのに対して、今回のイラン攻撃は
「始まった瞬間から、核、海峡、石油、物価、世界経済まで同時に巻き込みやすい戦争」
だということです。
別の言い方をすると、我々の生活を直撃しやすいのが、今回のイラン戦争です。
イラク戦争も十分すぎるほどひどい戦争でしたが、今回は、世界全体に飛び火するスピードがもっと早いといえます。
つまり、今回の戦争は日本から見ると
「遠い中東の話」
として見ていられるようなニュースではなく、日本の国内のガソリン代、電気代、物価、景気にも直結しうる話だということです。
まとめると、イラク戦争は
「始めた後に地獄が広がった戦争」
であり、今回のイラン攻撃は
「始まった瞬間から世界全体に火の粉が飛びやすい戦争」
と言えますし、日本国民からしても全く他人事ではない戦争になります。
弁護士で元日弁連会長の宇都宮健児氏が、SNSで次のように投稿していました。
『イタリアのメローニ首相は3月11日上院で演説し、米国とイスラエルのイラン攻撃は「国際法の範囲外」の介入だったと批判した。
また女子児童ら175人が死亡したイラン南部の小学校への攻撃を「虐殺」と表現し非難した。
日本の高市首相もこのくらいのことが言えなければとても真っ当な政治家とは言えない。』
その通りだと私も思いますが、高市総理は何一つ今回のアメリカの蛮行を非難しないでしょう。
つまり宇都宮氏の言葉を借りると「真っ当な政治家」ではないということです。
高市早苗はイラク戦争時の小泉純一郎と同じように、アメリカの犬として戦争に賛同するのは火を見るよりも明らかです。
そして3月19日の日米首脳会談では、必ず日本に非常に不利な要求を突きつけられ、それをそのまま丸飲みするのが手に取るようにわかります。
必ずそうなると予言しておきます。
同じアメリカの同盟国でも、スペインは今回の戦争に全面的な賛同などしてませんが、
日本は自民党・高市総理ではご主人のアメリカ様に従うのみ。
そういう政党に期待して選挙で大勝させたのは日本国民ですから、これから何があっても(アメリカの理不尽な要求はもちろん、最悪イランから攻撃を受けても)、
すべて日本国民の自業自得ということになると思います。
私たちは少女ら175人の大虐殺すら非難せず、
アメリカ様の犬として、この戦争に賛同している総理・政党を選んだ「敗戦国」なのですから。


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