こんにちは中西です。
前回は人の成長を支援する4つの手法、
ティーチング、コンサルティング、コーチング、メンタリング
のうち、AIに代替されるリスクが最も高いのは、知識提供がメインのティーチング=講師業という話をしました。
今回はその続き。
その次にリスクが高いのはコンサルティングです。
今後はコンサルティングの市場もAIによって大きく縮小していくことが予想されています。
普通に考えてこれはもう間違いないと思います。
理由はシンプルで、「AIの使い方」をコンサルティングを受けるクライアント側が理解し始めているからです。
はっきり言ってAIに勝てるコンサルタントというのは、ほとんどいないのではないかと思います。
クライアントにヒアリングをして、分析をして、提案をする。
一見するとヒアリングあたりは人間にしかできないように思いますが、AIの使い方さえ理解できているクライアントであれば、ヒアリング自体もAIがどんどんしてくれることを、いずれ理解できるようになります。
別に大して難しい話でもないので、そのうちほとんどのクライアント(経営コンサルの場合は経営者)が、AIを使って自分たちでコンサル的な問いを立てて答えを引き出す方法を理解していくことになります。
今はまだそれを理解していない経営者も多いですが、長くても3年もすれば、AIを使ってセルフコンサルする方法を理解する人が大半になるはずです。
もうその時点で高額な外部コンサルを依頼する理由がほとんどなくなってきます。
ヒアリングといってもコンサル担当側が質問をするわけですから、例えばその質問のフレームが書籍などで出回ったり、あるいはそれ自体をAIに確認することも可能です。
そうするとわざわざコンサルタントからヒアリングを受けなくても、自分自身で問いを立てて、それをAIに回答していけばいいということになります。
そういう「AIをどうやって使えばセルフコンサルが可能か」というノウハウは、おそらく今後書籍化されるなどして、普通にみんなが知ることになる。
そのやり方を学べば、社内の社員が自分でAIに現在の状況を入力することで、AIセルフコンサルが実現してしまいます。
AIは一人ひとりの回答を統合して、背景や文脈まで加味して、個別にカスタマイズされた提案を返してきます。
もはや外部のよく分かっていない人間が一からヒアリングするより、よほど早く的確な答えが得られるわけです。
その的確さでAIに勝てるコンサルタントはほとんどいないはずです。
実際にAIをコンサル的に使ってみた人なら、誰もが感じていると思います。
人間の判断スピードや精度では、もう太刀打ちできないレベルに来ているのです。
もちろん現場の空気や社内の感情のしがらみ、人間関係の調整といった「空気を読む系」「実行の支援」はまだ残るでしょう。それはAIでは難しいところだからです。
ただこれも結局、社内の人間の方が情報量が多くて実行力もあります。
そうなると「社内+AI」の組み合わせが、外部コンサルを上回るのはもはや時間の問題です。
もし生き残るコンサルタントがいるとしたら、AIを自在に扱いながら、人間にしかできない部分で人を何らかの形で動かす(変化・成長させる)力を持ったコンサルタントでしょう。
例えば、AIから出力された提案をそのまま見せるのではなく、
「なぜこの提案が重要なのか」
「この提案のうち、何を採用して何を実行するのか」
といったことをAIとクライアントの間に入って説明できる人です。
あるいは、クライアントと対話をしながら、AIではなくその人の内側から答えを引き出せる、コーチング要素のあるコンサルができる人。
こういう人は、むしろ「AIを使っていること」すら打ち出しながら、コンサルタントとして「そのAIからの回答をどう判断するか」といったサポートをしていくと思われます。
今後、そういう「AIを使ったコンサルティング」を打ち出すコンサルタントが増えていく可能性は高いのではないかと、個人的に思います。
AIが答えを出してきても、その最終的な判断やその回答をどう解釈して、
そこから何を取り出して、どう活かして、どう決断するかといった「判断基準」をコンサルタントが受け持つような仕事。
そういうAIを活用するタイプの融合型のコンサルが、今後スタンダードになっていく可能性が高いのではないかと思います。
逆に、そういった人を動かしたり、実行を支援したり、合意の形成や対人関係の調整などのAIが苦手な領域を扱えなかったり、
単にヒアリングしてカッコいいプレゼン資料を作って、いかにも最先端の戦略を提示しているように見せかけるようなレベルのコンサルは、
高学歴で有名なコンサル会社だったとしても、AIには勝てないので駆逐されていくでしょう。
こうした流れを裏付けるように、昨年は経営コンサルタントの倒産件数が過去最多となったと報じられています。
自分自身がビジネスを続けられないようなコンサルタントでは到底、経営者には勝てないですし、AIには完全に駆逐されていくと思います。
コンサル業界に限りませんが、今後あらゆる業界で
「人間臭さ」「属人性」
のあるものの方が価値が高くなったり、生き残っていく可能性が高まるのではないかと、私は思います。
その意味で、コンサルタントも人間にしかできない「泥臭い」「人間臭さ」の部分、
つまり人を動かす実行支援や合意の形成、対人関係の調整などをやるコンサルタントは残るはず。
ただし、それは「人間力」がないとできないので、そういうことをやりたくなくて、
経営者に表面だけ取り繕った資料で、いかにも最先端の戦略のように見せかけて、高額の報酬を請求する、実態の乏しいコンサルタントは、
AIに見事に負けまくるので、駆逐されていくと思います。
個人的にそういうコンサルは嫌いなので、AIによって詐欺まがいのことをやる偽物があぶり出されて消えていくのは良いことだと思っております。
いずれにしても、AIが出てきたことで怯えていたり危機感を感じているだけで、
この革命的なツールを前向きに楽しみながら、新たなコンサル像を模索できない人に、今後の可能性はないと思います。
本当に仕事ができる人なら、今これだけ桁違いの可能性を秘めて、実際に爆速で進化しているAIというツールが出てきて、
危機感よりもワクワクや面白さの方が勝っているはずだからです。
そのあたりでも、AI時代に生き残れるコンサル・人材かどうか判断できるのかもしれません。
To be continued


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