- 2025-11-25
- ChatGPT, 仕事の話, 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
11月11日にMicrosoftがAIについてのレポートを発表しました。
世界的なAIの利用状況に関するデータをまとめたもので、結論のポイントだけ言いますと、
【 AIの革命は、過去の電気・コンピューター・インターネットの普及を上回る、史上最速のスピードで普及している。
一方で、AIを使える国と使えない国の格差が急拡大している 】
という内容でした。
※参考:AI Diffusion Report: Mapping Global AI Adoption and Innovation – Source EMEA
https://news.microsoft.com/source/emea/features/ai-diffusion-report-mapping-global-ai-adoption-and-innovation/
その根拠が、さまざまなデータをもとに分析されているのですが、
「AIを活用できる国の条件」
が3つ解説されていました。
1つはインターネット普及率が高いこと、
2つめはデジタルスキルを持つ人材が多いこと。
そして3つ目が、電力が安定しているということです。
最初の2つは普通に考えれば分かりますが、3つ目は少し意外でした。
どうやらAIが国内で普及できるかどうかの最も大きな要因として、電力が安定供給できているかどうかが挙げられるようです。
というのも、AIを活用するには膨大な電力が必要になるからのようです。
従って、AIが普及できない国のボトルネックは「電力」となっていて、
AI普及率が10%未満の地域にアフリカや南アジアや中南米の一部の国が挙がっているのは、不安定な電力事情に原因があるという話でした。
電力供給ができないということは、そもそもその時点で他の国との格差が発生していたわけですが、
AIの普及によって、ますます電力の安定供給できる国と安定供給できない国で、大きな格差になっていくとMicrosoftのレポートは警告しています。
具体的な人数で言うと、世界の12億人がAIを活用している一方で、7億人は電力の確保すらない状況のようです。
ただ、これはあくまで世界規模で見たときのAI格差の話であって、
実際にこのメルマガの読者さんの大半はAIが活用できる環境だと思います。
なので、世界各国の国別のAI格差よりも、より影響が大きいのが「個人間のAIの格差」だと思います。
おそらく日本国内では、今後この「個人間のAIの格差」の方が深刻になっていくのではないかと、私は考えています。
また、個人に加えて「組織間のAI格差」ですね。
個人でAIの格差があるように、組織・企業の間でもAIの活用レベルで格差が発生しているのは間違いありません。
すでにその格差は相当出ていますが、今後ますます広がっていくはずです。
AIを活用している人は、さまざまな部分でフル活用しているでしょうし、部分的にAIを利用している人もいると思います。
ただ、活用していたとしても、同時に進化のスピードも異常なほど早すぎるので、
1か月後には全く状況が変わっているなんていうことがざらに起こっています。
また、新しいツールやアプリや新しいAIの使い方なども日々爆発的に発生しているので、そのすべてをチェックするのは不可能でしょう。
そのチェックだけでどんどん時間が過ぎ去ってしまって、チェックしている間にまた新たな進化が起こっているので、感覚的には全く追いつけないような感じすらあります。
だからと言って、AIの状況をチェックしていかなければ、かなり高い確率で「AIを活用できない側」になってしまうでしょう。
間違いなく、人類史上最も変化のスピードが激しいのがAI革命と言えますが、
使い方は無限のパターンがあるので、うまく使っている人は、全く使いこなせていない人からは想像もできないような使い方をしているのは間違いありません。
私自身も、自分で思いついた活用法で、自分1人でこっそり使っているAIの活用方法がいくつもあるのですが、
その活用の仕方を無料で公開するメリットも特にないので出していないだけで、そういう人はおそらく山ほどいると思います。
ただ余談ですが、私自身は自分で思いついたいくつかのAI活用法は、今年の年内にリリース予定の教材でいくつか公開する予定なので、興味のある人は少しお待ちいただければと思います。
1つ間違いないのは、今回のMicrosoftのレポートで判明した「世界的な国別のAI格差」が大きくなっている一方で、
活用している国の中でも「組織間のAI格差」や「個人間のAI格差」は、今後もどんどん広がっていくということです。
と同時に、「AI 2027」のレポートで明らかになっていたように、来年2026年からはAIによる失業が社会問題レベルで深刻化していくだろうということです。
現実的に、どう考えてもAIによって取って代わられてしまう職業の人でも、
今現在はまだ、かろうじて綱渡りのような状態で会社に雇われている人も多いと思います。
しかし、AIに代替できてしまう仕事(作業)であれば、それを高額の人件費を払って雇う意味が、経営者や企業側には全くなくなります。
特に私もそうでしたが、ホワイトカラーの派遣社員や事務職員の方のような、体を使った肉体労働ではない仕事の人たちの方が、リスクにさらされていくのは間違いありません。
先日もお話しした通り、アメリカではすでにAIによって若者が雇用されない就職氷河期のような状況になりつつ、
同時にブルーカラーで高収入の人たち、年収で言うと1500万ぐらいの人たちが続出しているのです。
一方で、日本ではそうなる可能性は低く(自民党の政策が原因)、ブルーカラーの人は仕事はAIに代替されにくいですが、年収が変わらないまま人手不足で忙しい状態のまま、
ホワイトカラーの人たちがどんどんAIに取って代わられてしまうという流れになると、私は見ています。
非常に残酷な話ではありますが、資本主義経済というのは、常にそういう形で技術革新と共に、その技術に職を奪われる人が発生する歴史を繰り返してきました。
私たちが現役で働いている世代の間にだけそれが起こらないと考える方が、どうかしているとも言えるわけです。おそらくそれは正常性バイアスかと思います。
ということで、全ての、特にホワイトカラーの人たち、パソコンを使う人たちには、
自分が今やっている仕事がAIに置き換えられるかどうかを、毎日のようにチェックするぐらいでちょうどいいと思います。
私もそのことを考えない日はないですが、考え続けながら、AIを使いながら、情報収集しながら仕事をしていると、いろいろ見えてくるものです。
AIに置き換えられる仕事をしていると感じる場合は、
「どうすればAIでは提供できない価値を、自分が組織・企業・世の中に提供できるか」
を、自分で考え続けるしかない、ということですね。


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