- 2025-1-13
- メンタルの話, 受験を突破する健康管理術, 受験を突破する食事法
こんにちは、中西です。
先日は「魚を食べることでメンタルの調子が良くなる」という、15万人のデータを調査したメタ分析の結果をご紹介しました。
この結果からも、食事の内容とメンタルの調子が密接に関わっていることがわかります。
では、メンタルに良くない食べ物とは何でしょうか。
今回は、それに関する研究をご紹介します。
結論から言いますと、
【 高脂肪の食事をとることで不安感が増大する 】
ということが、最近の研究で判明しました。
※参考:本記事下部に記載
この研究はアメリカのコロラド大学で行われ、2024年11月に学術誌『Biological Research』に掲載された論文です。
研究の目的は、高脂肪の食事が
腸内細菌の多様性や構成
脳内のセロトニン関連遺伝子の活動、不安行動
にどのような影響を与えるかを検証することでした。
実験はラットを対象に9週間にわたり実施され、
上記の通り、腸内細菌の状態、脳内セロトニン関連遺伝子の変化、不安行動を測定しました。
実験の結果、高脂肪食を摂取したラットでは以下のような変化が見られました。
▼腸内細菌の種類が減少。
▼腸内環境が肥満と関連する細菌の比率に偏る。
▼脳内セロトニン関連遺伝子の活動が増加。
これらの変化は、不安やストレスと関連する脳の特定の部位で顕著に現れました。
行動面では、防御的な態度や不安を示す行動が増加していました。
まとめると、
【 高脂肪の食事は腸内環境の変化を通じて、脳内セロトニンシステムに影響を与え、不安行動を引き起こす 】
ことがわかりました。
この研究は、食生活が腸と脳をつなぐ複雑なメカニズムを介して、感情や行動に影響を与えることを示しています。
つまり、健康的な腸内環境を保つことが、感情や行動をうまくコントロールするための重要な要素であると言えるわけですね。
以上をまとめてざっくり言うと、
【 高脂肪の食事を摂ることで、不安感が増大しやすくなる 】
ということです。
私たちは通常、不安の原因を外的な状況や出来事に求めがちです。
しかし、実際にはその不安の一部が、最近摂取した食事に影響されている可能性があります。
例えば、不安を感じた際には
「この不安は状況から来るものなのか、それとも最近の食生活が影響しているのか」
といった形で、自分の状況を俯瞰的に振り返ることも重要です。
また、食生活を改善する方法として、同じ高脂肪食品でも「良い脂肪」と「悪い脂肪」を意識することが挙げられます。
例えば、ジャンクフードや超加工食品、ファーストフードなどの脂肪は「悪い脂肪」とされ、不安を増大させる可能性があります。
一方で、サバや鮭などの魚、オリーブオイル、アボカド、ナッツといった食品には、抗炎症作用があり、良質な脂肪として知られています。
これらの食品は、高脂肪の悪影響を和らげる効果が期待できます。
脂肪そのものが悪いわけではなく、悪質な脂肪を摂りすぎると不安感につながるということですね。
必要以上に余計な不安を抱えたくない方は笑、ぜひ参考にしてみてください。
※参考
High-fat diet, microbiome-gut-brain axis signaling, and anxiety-like behavior in male rats
https://biolres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40659-024-00505-1