- 2024-11-22
- メンタルの話, 勉強のモチベーションアップ, 受験を突破する食事法
こんにちは、中西です。
前回は、
「発酵食品と食物繊維を多く摂ることでストレスに強くなる」
という内容を、アイルランドのコーク大学の研究をもとにお話ししました。
この研究のポイントは「腸内細菌」でした。
発酵食品や食物繊維を摂取することで腸内細菌が増え、腸内環境が良くなった結果、
ストレスに強いメンタルを得られる可能性が示唆されたのです。
発酵食品や食物繊維が健康に良いのは言うまでもありませんが、「メンタルにも良い影響がある」という点が非常に興味深いですね。
以上が前回の話だったのですが、今回は最近発表された京都大学の腸内細菌に関する研究をご紹介します。
結論からお伝えすると、
【 腸内細菌の種類が増えることで、新しいことに挑戦する意欲が高まる 】
可能性があることがわかりました。
この研究は京都大学が2ヶ月前に発表したもので、国際学術誌「Developmental Psychobiology」に掲載されています。
対象となったのは3歳から4歳の日本人の幼児284人で、気質と腸内細菌叢(そう)の関連を調べたものです。
※腸内細菌叢(そう)とは腸内に多くの種類の細菌が生息する状態を「草むら(叢)」や「花畑」に例えた言葉で、「腸内フローラ」とも同義です。
ここで言う「気質」とは、性格の基盤となる要素を指します。
つまり、この研究は腸内細菌が個人の性格やその基盤にどのような影響を与えるのかを探ったものと言えます。
研究の結果、不快な感情(恐れ、悲しみ、怒りなど)の表出や、新しい環境を積極的に探索する特性が、
腸内細菌層の構成や多様性と関連していることが明らかになりました。
具体的には、腸内細菌の種類が豊富な場合、マイナスの感情に対する耐性が高まり、内向的な性格が和らぎ、新しいことに挑戦しようとする意欲が増すことがわかったのです。
平たく言えば、腸内細菌の多様性が高いと、ポジティブな行動を引き出しやすくなるということです。
では、この状態を作るためにはどうすれば良いのでしょうか。
腸内細菌の多様性を高めるためには、腸内の善玉菌を増やしやすい食事を心がけることが重要です。
前回お話しした通り、善玉菌のエサとなる食物繊維や善玉菌そのものを含む発酵食品を、種類豊富に摂取するのが効果的です。
具体例として、発酵食品であれば納豆、キムチ、味噌、チーズ、ヨーグルト、ぬか漬けなどをバランスよく(多様に)取り入れることが推奨されます。
また、食物繊維もキャベツなど単品だけでなく、リンゴや他の果物、さまざまな野菜を取り入れることで、多様な種類から摂取することがポイントです。
今回の研究は幼児を対象としたものですが、マウスの研究が人間に応用できる場合もあるくらいですから、
幼児の研究結果は同じ人間ですから大人にも当てはまる可能性は非常に高いと考えられます。
京都大学の研究と前回のコーク大学の研究を合わせて考えると、発酵食品や食物繊維を多様に摂取することで、
ストレスを軽減し、その耐性を高めるだけでなく、新しいことへの挑戦意欲も高められる可能性がはっきり示唆されたのです。
私の個人的な感覚で言いますと、確かに食事に発酵食品や食物繊維が多いと、体調が良くなって、やる気も高まりやすいのは実感としても分かりますね。
もしストレスが多く、食事で発酵食品や食物繊維に乏しいと感じる方は、ぜひ食生活を見直してみてください。
食事を改善することで、1日のやる気・集中力・挑戦心を高め、より充実した生活を送れる日が増えるはずです。