- 2016-5-19
- おすすめ記事, 効率的な時間管理術, 勉強のやる気アップ法, 勉強の習慣化, 受験を突破する生活習慣術
こんにちは、中西です。
前回、経済評論家の勝間和代さんの新刊
「2週間で人生を取り戻す!
勝間式 汚部屋脱出プログラム」(文芸春秋)
をご紹介しました。
発売2週間でかなりの勢いで売れている
ようなので、たぶんそのうちベストセラー
になると思います。
前回も書きましたが、一言でいうと
「めちゃくちゃ論理的に解説された
お片づけの体験談」
という感じの本。
この本の中で個人的に一番考えさせられた
のが、「バッチ処理の罠」という話です。
コンピューターのプログラミングの世界では
「バッチ処理」と「逐次処理」
という2つの処理方法があるのですが、
前者は「一気にまとめて処理すること」で、
後者は別名リアルタイム処理とも言われ、
ようは「その都度行う処理」のこと。
勝間さんの説よると、一般論では
「何事もまとめて一気にやる方が効率的・経済的だ」
と考えられているが、それは大間違いで、
実際はリアルタイムでその都度こまめに
処理していく逐次処理の方が効率的だ、
という話がありました。
面白いのはそれが
「あらゆるジャンルに当てはまる」
という彼女の説です。
掃除・洗濯・買い物はもちろん、投資から
経営の事例まで出して解説されています。
この説明のために、PDCAサイクル・
ドルコスト平均法・オンデマンドといった
経済系のたとえ話まで出てくるからすごい(゚口゚;
この「一般的にはまとめて処理するほうが
効率的と言われているが、実はその都度やる
逐次処理の方が“あらゆるジャンル”において効率的」
という説は、個人的には極めて興味深い話でした。
ただ、本当に“あらゆるジャンル”において
そうなのか?という疑問は残ります。
というのは、処理をするたびに、その都度
新たにエネルギーや時間のかかる作業については、
まとめてやった方が効率良くなる場合があるからです。
たとえばこの時期なら新大学生の人は
自動車教習所に通っている人もいると思います。
これは何ヶ月もかけて教習所を行ったり
来たりするより、合宿で一気に取得した方が
トータルの時間的には効率が良い場合が多いです
(私も合宿でした)。
また勝間さんはメールの返信もすきま時間に
逐次処理がいいという話をされているのですが、
これも人によっては特定の時間にまとめて
一気に返信する方が効率的な人も少なくありません。
ということで私の中では
“あらゆるジャンルにおいて”という点だけ
引っかかっているのですが、
「一般論として『何事もまとめてやる方が
効率的』とされているが、実はほとんどの
ジャンルにおいて逐次処理の方が効率的」
という意味で捉えれば、彼女の主張はとても
考えさせられる興味深い視点だと思います。
掃除でもそうですが、一年に一回だけ
大掃除するか毎日ちょっとずつ掃除するか
の選択なら、圧倒的に後者の方が効率的ですし、
常にきれいな部屋を保てます。
月に一回すごい運動をする人より、毎日
ちょっとずつ運動する人の方が健康を
維持できます。
受験勉強でも、定期テストの勉強であれば、
テスト直前にまとめてやる方が効率的な
ように思えますが、
記憶がまだ残っている授業直後やその日の
帰宅後に数分かけて短時間でさっと復習して
おく方が(つまりリアルタイムの逐次処理)、
あとになって記憶がほとんど消えてから、
また一からまとめて復習するより効率的な
ことが多いです。
いずれにしろ確実にいえるのは、定期的に
発生する一定のボリュームがあるタスクを
処理をする際は、
「これはその都度処理した方がいいか?
まとめて処理した方が効率的か?」
を、一度じっくり考えることが重要
だということですね。
こういった“思考の枠組み”(=フレームワーク)
を持っていると、行動が変わってきますので、
結果にも大きな影響を与えます。
すでに習慣的に“バッチ処理”している作業が
ある人は、“逐次処理”の方が実は効率的で
ないか一度再考してみるといいと思いますね。
それではまた。