- 2025-4-2
- 効率的な時間管理術
こんにちは、中西です。
今回は、子どもの勉強時間についての研究を読んでいたら、個人的にちょっと興味深かった話があったのでご紹介します。
厚生労働省が2001年から実施している大規模調査があるのですが、同年に誕生した子どもの中から約54000人を抽出して、
その子どもの学校生活の様子や時間の過ごし方、習い事の状況、また子どもと過ごす時間などを詳細に調べているものです。
※参考「子どもはテレビやゲームの時間を勉強時間とトレードするのか-小学校低学年の子どもの学習時間の決定要因-」(独立行政法人 経済産業研究所)
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/rd/090.html
この調査では、子どもの勉強時間が一番増える親の関わり方を調べているのですが、親の関わり方として、
1. 勉強したか確認している
2. 勉強を見ている
3. 勉強する時間を決めて守らせている
4. 勉強するように言っている
の4パターンで調べたところ、母親の関わり方で最も勉強時間アップに効果が高かったのは、3の
「勉強する時間を決めて守らせている」
でした。
1の「勉強したか確認している」と2の「勉強を見ている」は、だいたい同じぐらいの効果でしたが、
「勉強する時間を決めて守らせている」は、男女ともに1.5倍ぐらい効果が高かったのです。
さらに、4の「勉強するように言っている」の効果も興味深く、これについては、女の子に対してはマイナスで、勉強時間が減ることが分かりました。
つまり、母親が同性の子どもに勉強するように言うと、勉強時間が減るようです。
逆に、男の子の場合は勉強時間が増えてはいるのですが、ほんのちょびっとだけです。
3の結果の10分の1ぐらいしかありません。
つまり、子どもに「勉強するように言うだけ」では、男女ともにほとんど効果がない。
むしろ、女の子は勉強時間が減ってしまうという、悲惨な結果となっております。
まあ、普通に考えて、親から「勉強しろ」と言われるのは、これほど嫌なこともなかなかありませんからね笑
ちなみに、父親の関わり方の結果も出ているのですが、不思議なことに父親で一番効果が高かったのは、2番の「勉強を見ている」という関わり方で、これは男女ともにダントツの1位でした。
特に男の子に対しては、桁違いに効果があるようです。
あくまで「父親から男の子に対しての関わり方」なので、母親との関わり方とは全然違ってくるようです。
また、父親の場合は「勉強するように言っている」も、男女ともにそれなりの効果は出ているのが不思議です。
父親と母親を総合すると、
「勉強を見ている」
「勉強する時間を決めて守らせている」
この2つが、他の2つの関わり方に比べて圧倒的に効果がある…ということになりました。
なぜこの調査結果を取り上げたかというと、子どもだけでなく大人でも似たような結果が出る可能性が高いように感じるからです。
私が運営しているコーチングプログラムでも、オンライン上ではありますが、複数のメンバーが一同に集結して、勉強や仕事やタスクを実行しています。
これはいわば、先ほどの研究でいうと「勉強を見ている」という状況に近いものがありますし、
セッションや週間目標において、勉強や仕事やタスクの「時間を決めて実行」している人も多いのですが(時間自体を目標にしている人も多い)、
子供と同じく高い効果があることが、私の体験的なデータでもわかります。
関わり方・やり方としては、とてもシンプルな方法ですが、ポイントはこの「勉強する時間を決めて守らせている」というのは、
自分一人で決めてこっそり一人でやっているのではなく、
勉強する時間を決めた上でそれを親に言って、親が監視に近い状況下で、その時間を守るように見ているということだと思います。
そして、これは子供に限らず、大人でも同じはず。
勉強や仕事やタスクを実行する時間をまず決めて、その時間を守って実行することが、生産性アップのコツというのは、大人でも同じだということです。
さらにその決めた時間を守る上で、自分以外の第三者が関わっていると、最も大きな効果を発揮するということですね。
私のプログラムにも、オンライン上でメンバー同士が集まって各自が作業を実行できる仕組みがありますが、
以前は24時間勝手に出入りして使い放題にしていたところから、その利用を試しに
「予約制」
に変更して、利用前に「開始時間と終了時間を報告」してから利用してもらう形に変更したところ、私の予想をはるかに越えて、
「ものすごく集中できるようになりました!」
「生産性が非常に高まりました!」
という人が続出して、ヘビーユーザーになる人が増えて驚いたことがあります。
出入り自由より予約制にしたほうが、明らかに一手間増えて面倒なのですが、この
「開始時刻と終了時刻を決めて予約する」
という面倒な一手間が、逆に効果があったのです。
私自身はなんとなく試しに「予約制」を一時的に試してみた感じだったのですが、
あまりにも「効果があります!」「集中できます!」という人が多く、結局そのまま正式な仕組みとして採用しました。
だから大人でも「最初に時間を決めてやる」のが重要なのは間違いないと思います。
というわけで、勉強や仕事やタスクをするときに
「最初に時間を決めてから実行する」
というのは、シンプルな割に効果がある方法です。
特に「第三者が関わる」とより効果が高くなると言えますので、なかなか実行力が高まらない人は参考にしてみてください。