- 2023-10-11
- 効率的な勉強法~中上級編~, 受験を突破する記憶術
こんにちは、中西です。
勉強法の中で、とくに効果が高いのが、
「想起練習」
(記銘=インプットした時とは別の形で思い出す)
というテクニックだとお話しました。
これがアイオワ州立大学が、過去100年以上の学習効率に関する論文を200件以上も調べ尽くした結論でした。
では、この想起練習(検索練習とも言います)をする上で、どういう方法が良いかと言うと、
やり方はたくさんあるのですが、個人的に非常に効果を感じているのが、
【 エア授業 】
です。想起練習の中でも経験的にこれほど効果の高いものもない気がします。
エア授業とは簡単に言うと、自分1人で先生になったつもりで、目の前に生徒がいる体(てい)で、授業(のような独り言)をすることです。
なぜこれが効果的かと言うと、人に教えようとすると、その事柄を本当に根本から理解している必要があるからです。
少しでもあやふやだったり理解していない部分があると、人に教えることができません。
この教える性質を逆手にとって、自分の頭に叩き込むために、目の前に生徒がいることにして、その生徒に教えるために理解を深めてアウトプットをするのが、このテクニックです。
それほど「自分自身が理解する」ことと「他人に理解させる」ことは、天と地ほど差があると言うことですね。
自分自身が理解するだけであれば、多少曖昧であったとしても、なんとなく「理解できた気になる」こともあり得ます。(前回紹介した「流暢性の罠」もこれ)
ところが、人に教えるとなると、わずかでも曖昧な部分があると難しくなります。
徹底的に根本から理解していなければ、人に教えることはできないわけですね。
私がそれを最初に痛切に感じたのは、塾講師のバイトをやった時です。
塾で1年ほど中学生に数学を教えていたことがありますが、自分では簡単に解けるのに、それを何もわかっていない中学生に教えようとすると、全く別次元の理解が必要だと気づきました。
自分が問題を解ける事と、その問題が解けない人に教える事は、こんなにも違うのかと。
そして、中学生にわかるように教えた後は、自分の理解レベルが格段に深まっていることに気づきました。
「教える側が1番学びが多い」
という意味が、このとき初めてわかったのです。
他にもメルマガを始め、動画や音声など「人に伝えるためのコンテンツ」をこれまで数え切れないほど作ってきましたが、
人に伝えるために文章・動画・音声でアウトプットをした内容は、そういう形でアウトプットをしなかった事柄と比べて、格段に記憶に残っていることをはっきりと実感しています。
第三者に伝えようとすることで、確実に理解が深まるわけですね。
逆に言うと、人にまともに教えられないと言う事は、まだどこか理解が曖昧な部分があるということ。
その曖昧な理解を払拭し、完全な理解に近づけるのが「エア授業」という想起練習になります。
余談ですが、京都大学卒の芸人として有名なロザンの宇治原さんも「エア授業」で受験を乗り切ったようです。
▼高学歴芸人ロザンの必勝勉強法・「エアー授業」とは!? | THE21オンライン
https://the21.php.co.jp/detail/4555?p=1
エア授業といっても、必ずしも声に出す必要はないと個人的には思います。
もちろん、声に出したほうがより確実ですが、自習室や図書館等で難しい場合は、頭の中で解説すればいいです。
自宅で声に出して、エア授業を行う場合は、その音声を録音するのも効果的。
後ですきま時間にその音声を聞くことで、耳からもインプットできますし、自分の解説の何が悪いかに気づくこともできます。
自分がしゃべった内容を、耳からも聞くことで、内容を繰り返しますので、長期記憶にも残りやすくなります。
というわけで、勉強法の最強テクニックである「想起練習」はいろいろとやり方がありますが、
「エア授業」
はその中でも、トップクラスで記憶への定着率が高まりやすい勉強法なので、
とくに確実に頭に叩き込みたい内容の時は、ぜひ活用してみるのがオススメですね。
それではまた。