- 2023-10-19
- 経済の話
こんにちは、中西です。
10月17日に、注目の新しい政党
「日本保守党」
の結党記者会見が行われました。
党を作ったのは累計販売数2000万部以上という大ベストセラー作家の百田尚樹さんとジャーナリストの有本香さんです。
私も見ていましたがYouTubeやニコニコ動画など生放送していたチャンネルを全て含めると、同時接続で10万人を超えていたと思います。
スポーツ大会の中継でもなく、平日昼間の政治の中継で10万人の同時接続は凄まじい数字です。
日本保守党(当初は百田新党)は、党が立ち上がってわずか2週間で、X(旧Twitter)のフォロワー数で、野党の最大勢力である維新・立憲を追い抜いたばかりか、
与党である自民党をも超える凄まじい勢いで注目が集まっていました。
さらに党員もあっという間に5万人近くにまでなっています。
ここまで注目が集まっていても、例によってマスコミはまともに報道をしませんでした。
立憲民主党のフォロワー数が10万を超えた時にはマスコミが大きく報道したようですが、日本保守党は完全スルーに近い状態。ちなみに現在日本保守党のフォロワー数は早くも31万人。自民党の2倍です。
政権とズブズブのマスコミにとっては、一般の国民に広く知られたくない存在なのでしょう。れいわに対する取り扱いと同じような感じかなと。もはやこの国にはまともなジャーナリズムなど1ミリも存在しません。
この日本保守党に対する私の考えは、先日のメルマガでお伝えしました。
その時点での私の考えをざっくりポイントだけおさらいすると、こんな感じ。
・百田さん・有本さんの過去の発言で、特段おかしいと思ったことはない(あくまで私の主観)。
・2人とも人間的には信用できる(あくまで私の主観)。
・2人とも「正しい財政観」は持っていない可能性が非常に高い。
(正しい財政認識を持っていれば言葉の端々にいくらでもキーワードが出てくるはずが、2人とも一切見当たらない。正しい認識を持っていてこれはありえないため)
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※参考:「正しい財政観」とは、ポイントだけ並べておきます。
「日本は絶対に財政破綻しない(自国通貨(円)建て国債のため)」
「国債発行とは通貨発行のこと(国の借金ではない)」
「国債発行の制約条件はインフレ率(物価の上昇)のみ」
(逆に言うとインフレ率の許す限りにおいて、政府はいくらでも国債を発行して国民を豊かにすることができる。インフレ率以外の問題は起こりえない)
「税金は財源ではない」
(財源は全て国債発行だけで成立する。税はインフレ抑制など政策調整の手段でしかない)
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・2人は「正しい財政観」は持っていないが、今の日本に減税が必要というまともな(というより当たり前の)感覚を持っている。
・2人とも日本経済の問題に対する関心が薄めではないか?それを主軸に置いているようには見えない。少なくとも発言の中で経済や財政政策に対する話の割合がかなり少ない。
・・・あくまで「前回の時点」での私の日本保守党に対する感想ですが、ざっくりこんな感じでした。
今の日本において経済問題ほど重要な問題は存在しません。そもそも政治とは国民生活を豊かにするものですが、それとは真逆の暴政が自民党により30年行われてきました。
しかし国家の経済力は全ての根幹にあり、安全保障や国防も、結局のところ経済力と連動しています。
(経済が衰退して企業の供給能力が低下すると、安全保障も国防もまともに成立しなくなるため)
百田さん・有本さんのお二人から、経済政策の重要性に対する認識を示す発言を、私自身はこれまでほとんど確認できませんでした。
もちろん2人の過去の全発言を聞いてはいませんので、私が知らないだけの可能性も十分ありました。
ただ、参政党の松田プラン(元財務官僚の松田氏が作った財政政策)などがそうだったように、
「党として全体的にまともそうなことを言っているのに、経済政策が財務省の洗脳プロパガンダに染まっている間違った財政観(「政府の収支を黒字にしよう」的な考え)に基づいていて、全然ダメ」
というのは私の中であるあるなので、日本保守党にも、その点ではあまり期待していませんでした。
実際、同党のサイトにある政策内容を見ると、
1.日本の国体、伝統文化を守る
2.安全保障
とあって、経済政策はその次の3番目になっています。この時点で、経済政策に対する重点がわかります。
個人的に、今の日本の現状で経済政策が3番目はあり得ないです。
そして経済政策の内容はというと、こうなっていました。
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3.減税と国民負担率の軽減
・消費税減税……まずは8%に、そして5%へ
・名古屋モデルを参考に地方税減税を全国で推進する。
・ガソリン税減税
・税の簡素化、不公平感の解消、労働力不足への対応のため「二分二乗制」の導入も含め、検討し提言する。
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・・・うーん、有本さんですらまだこのレベルかと悲しくなりました。
この分野に限って言えば、山本太郎氏の100分の1くらいの見識・勉強量だと思います。
「方向性」は悪くないとは思いますが、この認識レベルでは個人的には全面的に賛同するのはかなり難しい。
消費税を「撤廃」にできない時点で、「税金は財源」だと思い込んでいるということです。
また経済政策に「国債」のワードが入っていない時点で、私の中では論外です。
減税という「方向性」は間違っていないですが、この認識レベルだと確実に財務省の官僚に騙されます。
政権をとっても、財務省からのレクチャーで「財政健全化」「財源問題」「国の借金解消」の重要性を、さも真実であるかのように巧妙・狡猾に主張してくる財務官僚に丸め込まれて終わり(。´Д⊂)
百田氏・有本氏は2人とも高度成長~バブルあたりの世代ですが、やはり就職氷河期以降の世代でないと、今の日本の貧困の惨状がつかめないのかもしれません。
貧困問題を日本から撲滅する本気さ・覚悟・切実さがない人たちは、やはり「正しい財政観」には到達しえないのでしょうか。
ところが!!
一昨日の日本保守党の結党記者会見をしっかり聞いてみたところ、私の想定外のサプライズがありました。
会見中に突然発表されたのですが、現在の名古屋市長である河村たかし氏が、日本保守党の共同代表になったとのこと。
問題は、この河村たかし名古屋市長がどういう人物か?です。
マスコミの報道でご存知の方もおられると思いますが、河村市長は金メダルを噛んで炎上したり、失言で炎上したりと、何かと炎上をしやすい政治家という印象でした。
私もあまりいいイメージを持っていなかったのですが、会見中の彼の話の内容を聞けば聞くほど、私のイメージが完全に間違っていたことに気づきました。
過去のメルマガで河村市長を批判したりディスったことはなかったと思いますが、私の中ではかなり怪しい政治家でした。特に調べもせず。
マスコミの報道だけでなんとなく悪いイメージを持っていた自分に非常に反省しまして、心の中で河村市長に少し謝罪した次第<(_ _)>
名古屋市長の河村たかし氏は、キャラ的に誤解されやすいですが、素晴らしい政治家である可能性が非常に高い。
話の内容を聞けば聞くほど、ここまでまともな感覚を持ち、実際に実行している政治家を久々に見ました。
(その点で元明石市長の泉 房穂氏と似ています。泉氏も失言などでよく炎上してましたし、ご自身でも自分のことを胡散臭いとおっしゃっていましたが、
よくよく泉氏の話を聞いて、実際に行っている政策を見れば、とんでもなく素晴らしい政治家でした<(_ _)>)
私は知らなかったのですが河村市長は、名古屋で1400億円の減税をして、それによって名古屋の経済を活性化させ、税収を2400億円に増やしたそうです。
この1点の成果だけでも大賞賛に値します。「減税をした方が結局は税収が増える」という事実を立証したわけですから。
彼は「減税日本」という地域政党の代表でもあります。
国家財政の運営においては税金は財源ではありませんが、地方自治においては税金が財源になりますから(地方自治体には通貨発行権がないため)、彼の政策は正しいです。
また河村氏は家業が零細企業だったようで、ご自身もそこで勤務されて、中小企業の辛酸を経験として理解されています。
その経験から、議員という仕事が「家業化」している世襲議員や、官僚出身の政治家はダメだという主張を長年強くされていたようです。
(私自身も自分の経験から、中小零細企業の勤務もしくは経営経験が、政治家にとって何よりも圧倒的に超極めて重要だという持論を持っており、その話はこのメルマガでも数えきれないほどしてきました。
私はこの持論に絶対的な自信を持っています。この点でも河村市長の考えには、全面的に賛同できます。
先日岸田総理が中小企業を訪問して視察していましたが、「視察」ごときで国民の苦しみなど1ミクロンもわからないのです。それを岸田総理の戦後最大の暴政が見事に証明してくれています)
しかも河村市長は「政治家の給料は平均的な国民の給料に合わせるべき」という考えから、自らの給料を600万円に抑えているとのこと(雑所得と合わせて800万円ほど)。
私は以前から「政治家や財務官僚の給料は最低時給+景気連動型の成果報酬にすべき」と本メルマガでもお伝えしてきましたが、河村市長はその考えに近い給料体系を自ら作って実践しておられました。(河村市長によると他の政治家にこの話をすると皆嫌がるとのこと)
私は「身を切る改革」は最低だと考えていますが、それは国政においては意味がない上に、これを主張する連中は間違いなくルサンチマンを煽り自分たちの票につなげるプロパガンダとして主張しているからです。
河村市長は税金を財源にせざるを得ない地方行政において、実際に減税をして、税収の大幅アップを見事に実現させ、その上で自身の給料を国民(市民)に合わせています。「身を切る改革」とは全く別次元だと個人的には思います。
また今回河村市長は国政に進出するわけですが、国政の観点においても記者会見で注目すべき発言をしていました。
「国債は借金ではない」
とはっきりとおっしゃったんですね。本当にサラッと一瞬でしたが私は見逃しませんでした笑
(どのあたりで発言したか忘れましたので興味のある方は会見の動画の中で探してみてください)
この一瞬の発言を、日本保守党の共同代表がしたということは極めて重大な意味を持ちます。
つまり日本保守党は百田氏も有本氏も「正しい財政観」には至っていない可能性が極めて高い(というかほぼ間違いない)のですが、
共同代表の河村市長が「国債は借金ではない」という認識を持てたということは、河村市長の認識レベルにもよりますが、
日本保守党がそのうち「正しい財政観」に到達する可能性はかなり高い、ということになります。
(高市早苗さんのように、表面的にキャッチフレーズだけしか理解できていない可能性もあります。結局高市さんは消費税の重要性を主張しているので、表面的な理解ではダメだということ)
いずれにしろ、百田氏・有本氏も
「今の日本経済においては減税が絶対的に重要」
という認識を持っておられるのを会見ではっきり確認できましたので、少なくとも方向性は間違っていません。
これで「正しい財政観」のポイントを理解している河村市長がさらにもう一歩認識を深めて、
「税金は財源ではない」
という客観的事実に行き着ければ、
日本保守党は国内で最もまともな国家観と財政観(貨幣観)を持つ最強の政党になり得ます。
いずれにしろ、現時点で自民党の2兆倍はまともな政党だと断言できます。もはや岸田政権と自民党は国民の敵でしかありませんので。
さらに、会見の後半の方では、有本さんご自身も
「“庶民感覚”が政治においていかに重要か」
という話をされていました。
ここまで強烈に「政治における庶民感覚の重要性」を指摘していた政党はなかったはずです。
河村市長も有本氏も、私がずっと主張していたことと全く同じ主張をされていて、正直シンパシーが半端なかったです。
【 現時点で日本保守党は自民党など比較にならないほどまともな政党 】
という点は、命をかけて断言できますな。
それにしても、マスコミの報道のせいで世間的にはイメージが悪い河村市長を引っ張ってきて、日本の運命を左右しかねない政党の共同代表にした有本さんの政治家を見る目と判断力には感服します。
マスコミによる河村市長のイメージ操作に騙されていた私など、比較にならない慧眼の持ち主かと。
それと河村市長を選んだ名古屋市民の皆さんも素晴らしいと思います。
有本さんも「あまり細かい部分で河村市長の失言などで揚げ足取りはなるべくしないでください」と、マスコミにお願いされていましたが、
この河村市長の素晴らしさを理解できず、失言など表面的な浅いレベルで粗探しをして、視聴率が取れて悦に浸っているマスコミを始めとする人間たちは、自らの不見識を恥じるべきでしょう。私のように!!笑<(_ _)>
最後に、以下、参考までに私が会見中にざっとメモった河村たかし名古屋市長の発言と、百田氏・有本氏の発言を転載しておきます。
メモなので一言一句会見の発言内容と同じ文字起こしではありませんが、内容は発言した通りのものです。
順不同のランダムですが、切り取った発言を読むだけでも日本保守党を判断する参考になるかと思います。
メモは会見のごく一部でしかありませんので、興味のある人は上記のリンクなどから、会見の動画をご覧になってみてください。
※敬称略。
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河村たかし名古屋市長
「名古屋は1400億円を減税したら2400億円税収が増えた。可処分所得が増えたから」
「国債は借金ではない」
「議員の家業化が問題」
「零細企業出身でもっと生活感のある人間が国を引っ張っていかないといけない。自民党はボンボンばっかりじゃないか。」
有本「失言・暴言をあまりしつこく取り上げないでいただきたい」
有本「普通の国民の生活の延長線上に政治がある、という政治をしたい」
百田「消費税のせいで国の経済が衰退していると思っている」
有本「移民政策の是正。国外を見れば移民で混乱するのは火を見るより明らか。」
有本「外国人を完全排除するという極端な話ではない。小学1年の半分が外国人、授業が成立しない公立学校がある。先生が補講をしている。
43%が外国籍の子供の学校もある。
日本で勉強したい外国人を受け入れるためには適性な数、相手との関係性など考慮する必要がある」
有本「国民は政治に関心がない。なぜなら特別な人が政治をやってるという諦めが国民にある。私たち国民の生活に政治が関わっているということを伝えて行く」
有本「私たち日本保守党はみんな庶民の出身なんですよ。自民党は政治の家業化が2代3代もやっている。思想もないように見える。政治としてはどこかおかしい。自民党は利権のためにあちこちに配慮している。私たちは日本を豊かに強くしていく。」
有本「保守は謙虚になること。先人たちがやってきた社会を大きく変えるときには国民の多くがいいと判断したものに限る。一部の政治家だけが自分たちの利益のために国柄を変えて行く。これは絶対に間違っている。」
維新や参政党との違いについて。
有本「(マイナンバーカードが全体主義という考えなど)各論の部分で河村市長と合わない部分もある。細かい部分で考えの違いがあっても、今のところは小異である、ということで大きな部分で一緒にやっていこうということです」
河村「強くならないといけない。議員の家業化をなんとしてもストップさせる。学校も内申点で先生の言うことしかきかない。
世襲議員があまりにもひどい。こんな国で政治を信じろと言っても無理じゃないですか」
有本「百田さんと私に最も欠けているのは政治の実務の経験。河村共同代表を迎え入れたことで補えた。」
有本「マイナンバーカードの見解の相違で毎晩のようにもめている。ただ忌憚なく胸襟を開いて政策の議論はできている。」
有本「議員の数ではなく党員の数を増やしていく」
河村「議員を家業でやっていくことを変えないと、日本は良くならない。議員であることの集団的自衛権。必ず裏切る。コロッと。強い民主主義を作って行く。全然違う政党になると思う。市民並みの給料にすること。」
百田「日本の議員の給料がビックリするくらい高い。こんな儲かる商売は子にも孫にも継がせたいとなっている」
河村「議員の非家業化を目指す。市民並みの給料を目指すと言った政党は初めて。今までずっと言ってきたが孤独だった」
有本「議員の給料を減らし家業化を防ぐ。その代わりに国民の所得と可処分所得を上げて行く。そこを目指したい」
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以上ですが、彼らの主張にどこかおかしいところがありますかね?
大きく間違った部分は、私には見当たりません。
しいて言うなら、先ほど書いた通り、経済政策については、今の認識レベルのままだと政権を取った時に、高い確率で財務官僚に言いくるめられることです。
自分たちに都合の良い嘘の戯言をほざいてくる財務官僚たちを、完全論破して一蹴できるだけの知識武装が必要です。
百田氏・有本氏だけではそのレベルに到達する可能性は低かったと思いますが、
「国債は借金ではない」
と認識している河村名古屋市長が共同代表になったことで、希望の光がわずかに見えてきました。
日本保守党の百田氏・有本氏・河村氏は、
少なくとも国民の感情を1ミクロンも理解できない自民党のボンボン世襲議員たちや、
少しでも長く総理大臣でいたいために、今頃中小企業やスーパーを視察する明らかなパフォーマンスで国民に寄り添っているフリをし、
(骨太の方針で)今後大増税をしていくことが確定しているのに、選挙前には減税をすると見せかけるような、
同時にインボイスで日本中の年商1000万円以下の免税事業者を廃業に追い込むような、
人手不足のせいで70歳で老人介護という重労働をしている私の母のような介護職の人たちに、たかが月6000円ごときの賃金アップ策でドヤ顔をしているような、
物価高を抑えられて、全国民の生活に恩恵が得られるガソリンの減税ではなく、
トリガー条項の約束を平然と破り、自分たちの選挙での組織票と天下り先の確保のために補助金でしか対応しないような、
側近の木原誠二の権力乱用による〇人事件の隠蔽を国民に隠し続けるような、
党内の議員が中身のない海外研修に行くだけで数百万円のファーストクラスを使わせ、
ガザ地区への1000万ドル支援を始め、海外にはカッコつけて平気で大金をバラまくのに、
海外で自国の国民が命の危険にさらされたら、その国民に帰国のチャーター代を請求するような、
やること成すこと全てが、「国民を救う」ことなど一切眼中に無く、
「自分の政権を長く維持する」ことしか頭にないことがはっきり分かる、
正真正銘、本物の「国民の敵」と断言できる岸田総理などより、
権力にもお金にもまるで興味が無いと公言している、
日本保守党の人たちは100兆倍は信用できる人たちだと思います。
それではまた。