- 2023-2-25
- 第二領域の話
こんにちは、中西です。
ここ数回、「先延ばし」の克服方法をテーマにお話ししています。
先日は、今話題のChatGPTに「先延ばしの原因」について聞いた回答を紹介しました。
悪くない回答でしたが、いまいちな部分があったので、私の方で科学的に認められている先延ばしのベースにある
「ネガティブな感情」
(嫌い、怖い、面倒、不明確など)
の話など、より突っ込んで補足してきました。
で、さらに「先延ばしの原因」ではなく
「先延ばしを防止する具体的な方法」
もChatGPTに聞いてみたのですが、
こちらも「原因」の時と同じで、やっぱり悪くはない回答なのですが、どうもいまいちなんですよね。
前回もお話しした通り、手っ取り早く「先延ばしの具体的な解決方法」だけ聞いても、実は先延ばしが発生するベースには(後述しますが)少し複雑な問題も絡んでいて、
「やり方」だけを聞いても、それですぐ解決するほど、簡単にはうまくいかないことが多いのです。
このChatGPTが出してきた「先延ばしの具体的な防止方法」は、項目としては5つあったのですが、今回はChatGPTには説明できなかった部分の話をするので、
「具体的な5つの防止方法」
については、午前中にお届けしているプチメルマガの方で紹介しようと思います。
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では、ここから本題。
ここまで色々と「先延ばし」について解説してきましたが、そもそも「先延ばし」が全て悪いわけではありません。
「先延ばしをしても特に問題ない」
という場合も普通にあります。
まず、このことを頭の中でしっかりと「構造的に」理解できているかどうかが重要です。
おそらくわかっている人は、この「構造的に」と聞いただけで、すぐピンとくるかと思います。
なぜなら、そういう人は自分が抱えているタスクを、日ごろから
「ある非常に有名な枠組み」
で分類しているはずだからです。
何でもかんでも「とにかく先延ばしはダメ」だと思っているとしたら、その「枠組み」でタスクを認識できていない可能性が高いです。
その「枠組み」とは何かといいますと、
「緊急度」と「重要度」
の2種類の組み合わせで、自分のタスクを4つに分類する、世界的大ベストセラー「7つの習慣」で解き明かされた、いわゆる
「緊急・重要マトリクス」
と言われる分類方法のことです。
その4つの分類方法は、以下の通り。
—————————————–
【第一領域】緊急かつ重要なタスク
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
—————————————–
もし初めて聞いた方は、まだピンとこないかもしれませんが、上の4つの分類は、
「必ず一生覚えておくべきマトリクス」
なので、これを機会にぜひ頭に叩き込んでおいてくださいませ。
で、「先延ばしをしても特に問題ないタスク」はどれに当てはまるかと言うと、「第四領域」の
緊急でも重要でもないタスク
です。簡単に言うと「無駄・無意味なタスク」で、具体的には、たとえば
暇つぶしのSNSのやりとり
無目的のネットサーフィン
ダラダラとテレビを視聴
嫌なことからの逃避でやるゲーム
友達との無駄話
などなど、「緊急性」は全く無くて、「重要性」も全くないタイプの行為ですね。
こんなのを先延ばしにしても問題ないのはわかると思います。
で、ここから超重要な話をしますので、よく聞いて下さい。
上の4つのマトリックスで、どれが1番
「人生に大きな影響を与える領域」
かというと、間違いなく
「第二領域」
なのです。つまり、
「緊急ではないけど重要なタスク」
です。これが死ぬほど人生のカギを握ります。
『え?「緊急かつ重要なタスク」である「第一領域」の方が、人生に大きく影響与えるのではないの?』
と思った人もいるかもしれませんが、それは違うんですね。
なぜなら、「緊急かつ重要なタスク」と言うのは、ほとんどの人が自然に実行することができるからです。
例えばどういうタスクかと言うと、
今日中に締め切りの仕事
明日提出しないと大変なことになる宿題(課題)
壊れたパソコン・スマホの修理
突発的なクレームや事故の対応
危機や災害からの避難
突然の体調不良・病気への対応
…あくまで一例ですが、こんな感じで「緊急度も重要度も高い」のが第一領域。
こういうタスクはすぐに対応しないと大変なことになるので、ほとんどの人が実行できます。
当然、先延ばししてしまうリスクも非常に低いわけです。
だから、ほとんどの人は「緊急かつ重要」な「第一領域」の先延ばしでは悩みません。
繰り返しますが、第一領域は「すぐにやらざるを得ない」からです。
問題は残りの
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
の2つです。この2つをどう判断するかで、大袈裟ではなく、人生が決まります。
イメージしやすくするために具体例を書くと、こんな感じ。
—————————————–
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
—————————————–
→「将来への備え」になる「質の高いタスク」
将来に向けた準備・行動(仕事の改善、読書、運動など)
今後について考える時間
予防やリスクへの対策(PC内部の整備、パスワードの変更、歯の検診など)
勉強や自己啓発(副業や投資や資格など)
豊かな人間関係づくり
家族・友人・恋人らとの交流
好きなことをやる時間
—————————————–
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
—————————————–
→「無意味」だがやる必要がある「見せかけのタスク」
重要ではないメールやLINEの返信
重要ではない今日〆切の提出物・宿題
重要ではない会議・打ち合わせ
突然かかってきた電話の対応
受験とは無関係な授業への出席
強制的な友人知人先輩との会合
—————————————–
…こんな感じです。(あくまで一例なので、具体的にこれらのタスクと言うことではなく、あなた自身にとっての「第二領域」「第三領域」のタスクが必ずあります)
そしてほとんどの人は、
【第一領域】緊急かつ重要なタスク
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
の2つの領域のタスクは、自然にやれてしまうのです。
共通点は「緊急」(の度合いが高い)という点。
つまり、多くの人は第一領域・第三領域と言う
【 「緊急」のタスクばかりに手をつけてしまう 】
ということです。理由は簡単で、「緊急」だと実行しやすいから。
それでもタスクは実行しているので「なんとなく時間を無駄にしなかった気分」「なんとなく仕事をした気分」にもなれるから。
しかし、実はそれが原因で、
【 いつまでたっても「緊急じゃないけど重要」な第二領域のタスクに取りかかれない 】
という状況が生み出され、「先延ばし」が発生しているのです。
つまり、人生をより良くしていく鍵は、実は
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
を実行できるかどうかに、すべてがかかっているのです。
To Be Continued