- 2023-3-7
- 第二領域の話
こんにちは、中西です。
ここしばらく「第二領域」の話をしています。
(第二領域は学生・社会人などの立場や、働く業界・職種に関係なく、すべての人にとって非常に重要な話になります。
第二領域の意味がわからない方は、前回までのメルマガをご覧いただくか、今回の本文より先に、本文のあとのP.Sに転載したポイントから確認して、その後本文を読むようにしてください。)
「緊急ではないけど重要」
である第二領域は、まず第一から第四領域までの考え方を知らなければ、存在すら認識できません。
そして、第二領域の存在を認識したとしても、その実行が非常に難しいことに気づきます。
理由は「緊急ではないから」と言うシンプルな理由でした。
自分がこれまで一生懸命やっていた事は、よく考えたら、緊急性の高い第一領域・第三領域ばかりで、(重要だけど)緊急性が低い第二領域はほとんどやっていなかった。
やったとしても、ごくごくわずかだった。それが自分の人生を停滞させていた。
そのことに気づいて、ようやく「第二領域をいかにして実行していくか」と考えるわけですが、
ここでそういうノウハウ的な対処法を考える前に、もう一つ大事なポイントがあります。
「自分にとって本当の第二領域は何か?」
を考えないといけないということです。別の言い方をすると、
「自分にとって本当に重要なことは何か?」
を考える必要性が生じる、ということです。
ここをあいまいにしていると、根底から全ておかしくなっていきます。
第二領域のタスクが「偽物」だった場合、自分の人生なのに、他人の人生を歩んでいるような状況にもなりかねません。
多くの人は、緊急性の高い目の前の仕事や勉強(第一領域・第三領域)に追われているわけですが、それをこなしているうちに、
なんとなく「やってる感」を感じて満足したり、場合によっては「充実感」まで感じてしまいます。
実は自分にとって「本当に重要なこと」は他にあるのに、上から言われたことや、やらないといけないとされている緊急性の高いタスクをやって、気づいたら、1日が終わっている。
会社や学校で、上から言われたことを言われた通りにやっていれば大体怒られませんし、それで日中はそれなりのことをやった感じがして、帰宅したらYouTubeやSNSを見て寝る。
この繰り返しでも、人生の時間がどんどん普通に過ぎていくんですよね。
しかも、それであまり問題が発生しないように感じます(本当は潜在的に状況が悪化しているのですが)。むしろ優秀だと思われることすらあります。
しかし、これでは第二領域はいつまでたっても実行できないままなので、第二領域をスケジュールに、何らかの形で
「無理矢理ねじ込む」(ブロッキング)
と言うことをしないと、確保するのは非常に難しいわけです。
いわば「ちょっとだけ無理をする」ということをしなければいけないわけですね。
ところが、その無理矢理ねじ込んだ第二領域が、そもそもの話として、
「偽物の第二領域」
だった場合、それをどれだけ実行できるようになったところで、充実した納得のいく人生を送れないわけです。
例えば、前回第二領域の例として、大学受験生が「英語の文法」を毎日の勉強に組み込む話をしましたが、
そもそも目指している志望大学が偏差値だけで決めたり先生から言われて決めるなど、自分の行きたい大学ではなく、別の基準で決めてしまったのであれば、「英語の文法」の前に
「自分が本当に行きたい大学はどこか」
を考えることが、「本当の第二領域」のタスクになるかもしれないわけです。ようは
「今の自分にとって第二領域ってなんだろう?」
としっかり考えることは、その行為がそのまま、自分自身の未来について問い直すきっかけになるということですね。
学生・社会人に限らず、これまでそういうことをよく考えずに、上の人から言われたことだけ受け身的にやってきた人ほど、
「本当の第二領域は何か」
を考えることが重要になります。
そうでなければ、見せかけの「偽物の第二領域」をやることに必死で時間を作ることになり、
そんな第二領域を頑張ってやり続けていたら、かりそめの他人の人生を歩んでいるような、違和感を感じる毎日にしかならないからです。
第二領域を実行するテクニックを考える前に、まず、自分の「本当の第二領域」は何かを、ごまかさずに本音ベースで考える。
第二領域というのは、そういう自分の人生の根幹に関わる部分に、ダイレクトにつながっているということです。
To Be Continued
P.S
以下は、これまでの話の復習用です。
学生・社会人、業種業界・職業に関係なく、誰もが理解しておくべき非常に重要な話なので、
「第二領域」の重要性
がまだピンとこないかたは、以下を必ず読んでおいてください。
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<人生の命運を決めてしまう
「第二領域を実行できない問題」とは?>
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基本的に、すべてのタスクは「4つの領域」に分けることができます。
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【第一領域】緊急かつ重要なタスク
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
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【第一領域】緊急かつ重要なタスク
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→すぐ実行する必要がある「問題・課題のタスク」
例)
今日中に締め切りの仕事
明日提出しないと大変なことになる宿題(課題)
突発的なクレームや問題の対応
壊れたパソコン・スマホの修理
突然の体調不良・病気への対応
危機や災害からの避難
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【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
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→「将来への備え」になる「質の高いタスク」
将来に向けた準備・行動(仕事の改善、読書、運動など)
今後について考える時間
予防やリスクへの対策(PC内部の整備、パスワードの変更、歯の検診など)
勉強や自己啓発(副業や投資や資格など)
研究開発や各種の投資(事業者の場合)
豊かな人間関係づくり
家族・友人・恋人らとの交流
好きなことをやる時間
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【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
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→「無意味」だがやる必要がある「見せかけのタスク」
例)
重要ではないメールやLINEの返信
重要ではない今日〆切の提出物・宿題
重要ではない会議・打ち合わせ
突然かかってきた電話の対応
受験とは無関係な授業への出席
強制的な友人知人先輩との会合
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【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
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→楽しいだけで何も残らない「無駄なタスク」
例)
暇つぶしのSNSのやりとり
無目的のネットサーフィン
ダラダラとテレビを視聴
嫌なことからの逃避でやるゲーム
友達との無駄話
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■あらゆるタスクは「緊急度」と「重要度」で4つに分けたマトリクスの“いずれか”に分類できる。
■多くの人は、緊急性が高い「第一領域」(緊急かつ重要)と「第三領域」(緊急だけど重要ではない)のタスクを大量に抱えている。
■そのせいで多くの人は、「重要度」が高いタスクより、「緊急度」が高いタスクばかり手を付けてしまいやすい。
■しかし、心理的に取りかかりやすい緊急性の高い「第一領域」「第三領域」のタスクばかり処理していると、
なんとなく「仕事(勉強)をした気分になる」
なんとなく「充実した時間を過ごした気分になる」
が、その裏で少しずつ「第二領域をやらない」ことによる事態の悪化が進行している。
■気づいたら、いつのまにか「第二領域」のタスクが、事態の悪化で緊急性が高まり、「第一領域」のタスクに変わってしまう。
→結果的に、いつも「第一領域」のタスクに追われている。これでは状況(人生)が良くならない。
■状況(人生)が良くならない理由は「緊急性は低いけど、重要性が高いタスク(第二領域)」を、いつも放置し続けているから。
■「第二領域」をどれだけ実行できるかが、人生を好転させるカギを握る
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「緊急ではないけど重要なタスク」=「第二領域」
を先延ばしせずに実行できるかどうかが、人生を好転させていくカギを握る。
例)
「宿題」ばっかりしていたら、「受験勉強」ができなくて不合格になる。
「目の前の仕事」ばかりに追われていたら、「自分の価値を高める仕事」をする時間がなくなり、気づいたら市場価値のない人間になってしまう。
帰宅後に「YouTube」ばかり見ていたら、将来の2つめの収入源になる「副業」「投資」を始めることができない。
「歯の定期検診」に行くのを放置していたら、気づいたら痛み出して「虫歯」になることがある。
「人間関係を維持する時間」を作らなければ、気づいたら「孤独な老人」になってしまう。
有酸素運動や筋トレなどの「運動」を習慣にせず放置していたら、気づいたら「体力のない人間」になってしまう。最悪、「病気」にもなる。
シンガーソングライターの「歌手」になりたいのに、締め切りがないからと「作詞」「作曲」もせず、「仕事(勉強)と睡眠と遊びだけ」で毎日過ごしていたら、永久にシンガソングライターにはなれない。
すべては、
【「緊急ではないけど重要」な「第二領域」をおろそかにしたこと 】
が原因で起こった問題。
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以上