- 2018-10-12
- おすすめ記事, 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
前回は、自分が朝型タイプか夜型タイプかを無料で診断できるサイトをご紹介しました。こちら。
前回も書きましたが、このサイトは国立精神・神経医療研究センターによって全国の代表的な睡眠医療施設、大学・研究機関と共同で作成されたものになります。
このサイトと研究センター自体も、厚生労働省等からの公的な助成金で運営されているので、信頼性はかなり高いです。
余談ですが、昨日のこのサイトへのリンクと、私の診断結果の画像が確認できるリンクが、とんでもないクリック数になってました(;゚ロ゚)マジカ
企業秘密なので数字は伏せますが、もの凄い数の読者さんがご覧になってます。同サイトの方でもアクセスが一時的に激増したはずなので、突然何が起こったのかと心配されてたらすいません<(_ _)>
「自分は本当は朝型か夜型か中間型なのかを正確に知りたいニーズ」がすごいってことでしょう。しかも無料なので余計興味を引いたのかなと。
さて、前回の流れで本日も睡眠の話を。
睡眠に関して、受験生にもっともありがちな失敗パターンがあります。
それは「睡眠を削る」ことです。
何度この話をしてきたかわかりませんが、私は「時間がほしいから睡眠を削る」のはもっとも安易かつ効果の薄い方法だと考えています。
もっというと効果が薄いどころか、「やってはいけない最低最悪の方法」なのです。
私の知る限り、高校3年生(つまり大学受験生)あたりが、この「睡眠を削る」ことに対する誤解がもっとも多いピークの年齢だと思います。
(ある程度の年齢になると経験値が増えるので、経験的にその愚かさに気づく人が多い)
日中何の工夫もせず、いきなり睡眠を削る人は、だいたい「寝ている時間」=「何もできないムダな時間」と考えています。これがそもそもの間違いなのです。
その思考によって「睡眠時間を削る」=「起きている時間が増える」=「勉強時間が増える(゚▽゚)/」という、おぞましいほど安直な図式が脳内で成り立ってしまうと。
上記の「睡眠さえ削ったら、使える時間が増えるじゃん」的な発想は、もうどこから突っ込みを入れたらいいのかわからないほど突っ込みどころが多いので泣きたくなるのですが(つД<)・゚。
一つだけポイントを言いますと、勉強の生産性は「単純な時間の足し引き」で成立するわけではない、ということです。
「毎日7時間寝てるから、4時間睡眠になれば使える時間が3時間も増えるやん。(゜∀゜)ステキヤン」
と、おそろしく表面的な数字だけで考えてしまうわけですが、そんな単純な足し算・引き算の通りにはならんよと。
この間違った思考を改善しない人は、最終的に行き着くのは
「そうだ!短眠法をマスターすればいいんや(^▽^)」
みたいな発想です。
巷の短時間睡眠法というのは、たとえば4時間、3時間という時間です。エグいのになると1時間半(1日の睡眠時間です)、さらに行くと45分(昼寝か!)なんてものまであります。
私もその手の本やサイトを調べたこともありますが、一見それっぽくもっともらしく説明はされてるので、睡眠の知見が無い人が読むとコロッと信じてしまうかもしれません。
が、少しでも睡眠について科学的に勉強したことがある人なら、「アホくさすぎて読むに堪えない」というものばかりでした。少なくとも私にはそう思える内容ばかりでした。
大体が個人的な経験談だけで結論出してるものばかり。これほど人の命に関わることが明らかな重大な論を展開する際に、調査もデータも出さず、自分の経験だけで結論出すとか、完全にどうかしてます。
そんなのに限って、講習で何十万円も取ってたり。まあそのノウハウが「科学的に認められた本物なら」、そりゃあ何十万でも払う価値はあるでしょうね(。´Д⊂)
ちょっと笑ってしまったのは、短眠法のある専門家が思いっきり目の下にクマが出来てたことです。たまたまその写真だけでなく、どの写真も両目の下にはっきりクマができてました(゚o゚;)
人間の体は正直・正確なので、これは私の考えですが「身体に出る反応がすべて」なんですよ。
一般的にクマの原因は寝不足以外にもあるようですが、極端な短眠を長年している人が常にひどいクマがあるということは、本人がなんと言おうと身体は正しい反応をしているのであり、体にとっては不健康な寝不足の状態だということです。本当に健康的な方法なら、身体はそんな反応をしないのです。
まあクマはともかく、これは人の命にも関わりかねない重大な内容なのです。にもかかわらず、その程度の判断基準で結論を出せる人、さらには商売までやれる人たちって、普通に考えて詐欺師か無責任かバカだと思いますな。
私が珍しく(?)ここまで辛口になる理由は、「人の命に関ること」だからです。
そういうテーマでなければ、どの専門家がどう間違ったこと言ってても関知しないし、ましてメルマガで取り上げるなんて面倒なことしませんよ。
この短眠法の是非については、これまで(とくに高校生から)よく質問・相談を受けているのですが、結論からいいますと、
「短眠法なんてやるだけムダ。それどころか命を危険にさらすリスクも高いので、やってはいけない」
という見解になります。
工夫しまくって睡眠効率を高めて、いつもより少し短い時間でも気持ちよく起床できるとか、そういうレベルなら普通に可能です。(その方法も本メルマガで過去何度も説明してきました)
短眠法というのはそのレベルではなく、夜の睡眠時間を4時間、3時間、2時間、1時間以下(;゚ロ゚)といった単位の睡眠を目指す、ということです。くれぐれもこんなのに引っかからないように。
そのほとんどが科学的エビデンスが0に近いのですが、一見もっともらしく解説していることも多いので、睡眠についてある程度科学的に理解してない人だと“騙される”人も出てくると思います。実際私のもとに連絡くれた受験生からもそういう話が多々あったので。
短眠法の主張にはあまりにも突っ込みどころが多いので、一度まとめてドカーンとしっかり長い記事で完璧に否定しておきたいのですがね。めちゃ時間がかかるので<(_ _)>
ただ過去記事で小出しでかなり書いてるので、興味のある人は「睡眠」とかでブログ内検索したら大体わかると思います。
そういえば4年ほど前にこんな漫画も紹介しましたね。ゲゲゲの鬼太郎の水木さんが睡眠について描いた2ページの漫画。これ個人的に名作だとおもうんですよね。
中西の解説記事「1日10時間寝る漫画家」
とにかく短眠法についての私の上記の結論は、世界中の1万を超える膨大な睡眠のエビデンスと、個人的な経験則・知見等にもとづく総合的な私の見解で、
私なりに責任を持って調べて考え抜いた「最終回答」とも言えるものです。
なので、今後よほどとんでもないコペルニクス的転回・驚天動地の大発見でも起こらない限り、見解が変わることはまずないです。
つまり思いつきで適当に「短眠法?よくわからんからやめとけそんなもん」的なノリで言ってないってことでございます。
ちなみに冒頭で紹介した「睡眠医療プラットフォーム」を作成した国立精神・神経医療研究センターの精神保健研究所で、睡眠・覚醒障害研究部長をされている三島和夫さんという方がいます。
ひらたくいうと「睡眠医学の専門家」の方なのですが、この三島さんが短眠についてこんな見解を述べておられます。
「多くの研究が重ねられてきましたが、安全で効果的な短時間睡眠法はないというのが結論です」
「必要な睡眠時間は個人差が大きく、短い人と長い人では3時間以上違う。それは体質であり、短くする方法はありません。」
(引用:日経スタイル2018年10月5日)
もうこれが「結論」なんですよね。これは三島さんの見解というより
「睡眠時間は遺伝的な要素が大きいため、体質を大きく変えることはできない」
というのは、睡眠について長年研究している世界的な権威・専門家たちの一致した共通見解です。「見解」というか科学的に人体がそうなってるという話。私の“見解”も単にそれに準じてるだけです。
個人的に信頼している精神科医の方も、「短眠法は危険で早死にリスクも高まるからやってはいけない」という見解でした。
短眠法は一見すると「実現できたらお得だ!人生が増えるのと同じだ!」などと思ってしまいそうになりますが、これはもっとも安易で愚かな考え方になります。
元々の体質は変えられませんし、免疫力も低下して命を危険にさらすリスクまで高まりますし、何より受験生にとって大事な集中力も記憶力も著しく低下しますので、
「自分は早死にしてもいいし、頭が悪くなってもいいし、不合格になっても全然いいっす(゜∀゜)」
という奇特でク〇イジーな人だけ、頑張ってやってみてください。
最終結論:「短眠法なんてやるだけムダ。控えめに言っても、あらゆる観点で害悪でしかない方法論である」
それではまた。
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