- 2016-6-29
- 効率的な勉強法~基礎編~, 参考書学習テクニック
こんにちは、中西です。
前回までの続き。
前回までは、受験勉強は、仕事や投資で
可能な、いわゆるレバレッジと呼ばれる
「かけ算」的に成長できるものとは違い、
一足跳び二足跳びの成長はのぞめない。
こういう「足し算」的に成長していく
取り組みにおいては、(とくに大学受験においては)
【 どれだけ余計なことをやらないで済ませるか 】
のほうが、結果を左右するポイントになりやすい。
「余計なことをやらない」には2段階があり、
1、参考書・問題集など“冊子”ごと
2、冊子内における“分野”ごと
に、余計なことをやっていないか
チェックをしていく必要がある。
・・・・という話でした。
つまり、いかに「捨てる」ことができるか
が勝負だということですね。
それくらい“いいコンテンツ”であふれている
受験においては「捨てる」というのは難しく、
「あれもこれも、やっておいた方がいいかな」
と思いやすいのです。
とくに2の「冊子内」における特定の
分野(ページ)を捨てるというのは、
これまでの冊子(本やテキスト)をどう
扱ってきたかという“習慣”が、その人の
無意識レベルで作用しているので、
ちょっとやっかいになります。
たとえば、これまで冊子を読むときに
こんな習慣があった人。
1、冊子(本・テキスト)は、必ず「前から順番に」読む
2、冊子(本・テキスト)は、必ず「全部」読む
小説や漫画ならいいのですが、
他の本やテキストでも、こういう読み方の
習慣で今まで来たという人は、少し
注意したほうがいいかもしれません。
その“習慣”があなたを
「捨てられない人」
にしてしまう可能性があるからです。
なぜわかるかというと、
私自身がそうだったから(ノд-。)。
なんかこう、
前から順番に読まないと気がすまない。
本は全部読まないと気がすまない。
そういう精神的な呪縛があったのです。
そしてその呪縛は、過去の習慣から
できてしまっていることが多い。
もう習慣的に、
冊子は「前から順番に」読むもの
必ず「全部」読むもの
・・・という考え方というか
“体質”になっちゃっているわけですね。
そういう人は、理屈ではなく、もう体質的に
「前から順番に読みたい」
「全部しっかり読みたい」
という衝動が深層心理で働いてしまうわけです。
読書でも「捨てる」のに慣れていない人ほど、
この衝動に負けて、
「前から順番に」「必ず全部」
読まないと気がすまなくなります。
気がすまないということは
つまりこれは“癖”なのです。
読み方の癖。
スポーツなどでも
「悪い癖がついてると成長が遅い」
とよく言いますが、まさにこれも
読み方の「悪い癖」といっても
過言ではないですね。
受験する大学で、日本史は近現代から半分
くらいが出題され、縄文・弥生なんて
ほとんど出ないのに、
1ページ目の縄文時代から
じっくり丁寧に独学していくようなもの。
まあそれでもうまくいく可能性もありますが、
「近現代が終わらない」という大きなリスク
をかかえることになるわけです。
それなら、まずは近現代からやって、
あとで残った時間で縄文・弥生をやる、
という順番の方がリスクが低くなります。
そうやって、自分の「読み方の悪い癖」を
乗り越えないといけないわけですね。
というわけで最後にまとめると、
冊子を
「前から順番に読む」
「必ず全部読む」
という習慣(体質・癖)がある人は、
その癖が呪縛となって
「余計なこと」をやるリスク
が高くなりがち。
結果、勉強計画が受験に間に合わなかったり
受験で出題される分野の知識が薄く、
あまり出ない分野の知識が豊富になるなど
“知識がムラだらけ”
の状態になりかねませんので、
とくにこの体質の自覚がある人は、いつも意識して
「余計なことをやっていないか」
に注意しておいたほうがいい、ということですね。
それではまた。