こんにちは、中西です。
あなたが今までに、もっとも印象に残っている授業をしていた先生を思い出してみてください。
その先生は、かなり高い確率で、
「雑談」
が面白かった先生ではないでしょうか。
私は浪人して予備校に通いましたが、予備校でも人気講師の多くは、「雑談」が面白い先生でした。
これは学校や予備校の先生に限らず、実は「雑談」する力、いわば「雑談力」があるかどうかは、あなたの人生においてとても重要な意味を持つのです。
今回はそんな話を。
お笑い界でも、長年トップに君臨し続けているタモリさんやたけしさんは、「雑談」の多さにその魅力があります。
お二人とも芸人なので「面白い話ができる」のは当たり前で、彼らはそれ以上に「雑談」の引き出しの量が、他を圧倒するほどすごいわけです。その「雑談力」が多くの人を魅了し、尊敬すらされている理由でしょう。
タモリさんの雑学のすごさは有名ですし、たけしさんの博識さはテレビでの彼の発言からも十分わかると思います。私は彼の本を少なくとも10冊以上は読んでいますが、もはやヘタな大学教授などはるかに凌駕している大量の知識・教養を持っていることがわかります。
同じビッグ3のさんまさんも、以前何かの番組で「芸人にとってももっとも重要な資質は?」という質問に対して、他の芸人さんが「センス」などと答えているのに対し、彼は「引き出し」と回答していました。この「引き出し」というのは、つまりは雑談力のことです。
実際、彼自身の引き出しの多さ・雑談力はずば抜けていますし、何より彼はタモリさんと一緒に「笑っていいとも」で、日本で初めて「雑談で笑いを取りに行く」スタイルを確立した人ですね。
私がこれまでお会いしてきた方、薫陶を受けてきた方で、魅力的だと思った方・尊敬できる方は、ほとんど例外なく「引き出し」が非常に豊富な方ばかりでした。
自分の専門領域のことだけしか知らないような人は皆無です。社会人の方なら「尊敬する上司」の方などを思い浮かべてもらえれば、共感できる人も多いはず。
実はこの「雑談力」が高いか低いかという点は、どんな道に進む場合でも、非常に重要なポイントになると私は考えています。
この資本主義社会で生きていくためには、単に資格を取ったり、単に専門家になるだけでは足りず、それにプラスして自分の「売り」や「付加価値」を高めていく必要があるのです。ちょっと前にも、そんな話を何度か書きました。
自分の「売り」や「付加価値」をつけるといっても、自分の「専門領域」の知識をより深めていくのは、もう“当たり前”なので、それ自体は大きな差にならないことが多いのです。差がつくとしたら、“専門領域以外の部分”です。
日本初のオンライン証券の会社「マネックス証券」を創業した松本大さん(最近某人気女子アナと結婚した人)の本を先日読んでいたら、その方は四六時中、ニュース・雑誌・新聞・本・ネットなどから、ジャンルを一切問わずに、ありとあらゆる知識を仕入れているとおっしゃっていました。ビジネスパーソンのトップに君臨している方といえますが、その人ですら「雑談力」なのです。
いきなりグッーっと話のレベルが下がって申し訳ないのですが、私自身もこれまでブログやメルマガを面白いと言っていただいたことが少なくないのですが、
それは私の「専門領域」における知識量というより(そこは当たり前。ただ私の名誉のために言っておくと、専門領域における知識・問題解決能力・実際に解決してきた人数において、控えめに言っても私は日本トップクラスだと自負しています)、
私の中の「専門領域以外」の部分の雑多な知識量が人よりも多いから、もっとも伝えたい専門領域の話を、面白く伝えられるのではないかと思っています。
そういえば3日ほど前にも、ある浪人生からこんなご感想をいただきました。
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いつも見てます!他のこの手のメルマガとは一線を画す、かつ知らないことばかりを教えてくださることをとても感謝しています。日頃の生活にどんどん取り入れていきたいと思います。これからもお体にお気をつけてメルマガよろしくお願いします!
浪人1年生さん
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この感想も、私の専門知識以外の「雑談力への評価」に近いと思います。
ちなみに昨日は、こんなご感想もいただきました。
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飛行機の中で、「若いぼくらにできること」を読みました。
中西さんがこの前メルマガで紹介していた本です。メルマガ読んでから即アマゾンで買ったので、1円+送料で240円くらいだったかな?で買えました。
この方素晴らしい方ですね・・・そんな一言では言い表せないですけど、
というかこの方について私なんかがコメントすることはできない!しちゃいけない!
次元が違いすぎます。
熱くなりました。
私のこれからの生き方が確実に変わりました。
中西さん、教えてくださりありがとうございます。
本当に感謝しています。
大学生Mさん
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先日、俳優の今井雅之さんが亡くなったときに、即座に今井さんの本が非常にすごい本だったことを思い出し、あの本を風化させてはならないと思って、高校生・大学生に彼の本の素晴らしさを真っ先にご紹介したわけです。
今思えば、今井さんの訃報に接した数千万人の方のうち、私のような対応をした人はどれくらいいたのかなと思います。たぶんほとんどいなかったのではないでしょうか。代表作の「ウィンズオブゴッド」の話をした人ならいくらでもいると思いますが。
今井さんの本の話は、私の十数年も前の「引き出し」から出したものですが、そういう雑多な「引き出し」がたくさんあるので、「専門分野」の話も人と違う切り口でいくらでも話せますし、専門の話自体も面白いと思ってもらいやすくなるのです。
もし私が大学に入学してから「勉強の集中力」の知識しかインプットしてこなかったらと思うと、ゾッとします(笑)おそらく雑談や冗談の一つも言えない、まるで面白くも何ともない、教科書か辞書みたいなブログになっていたでしょう。
それではいくら素晴らしい知識やノウハウを持っていても、言葉が人の心に響かないのです。もっとも伝えたいはずの素晴らしい専門知識が、伝えたい人の心に響かない。これでは専門家の悲劇です。いわゆる「専門バカ」になってはいけない理由というのは、ここにあります。
「雑談」というのは、とくに真面目な人ほど軽視しがちですが、実は恐ろしいほど自分自身の「売り」や「付加価値」と密接に関連しているのです。
あなたが自分の専門性を高めて、多くの人の役に立ちたい、世の中に貢献したいと思うならば、専門知識をたくさん仕入れるのはもう当たり前。
それにプラスしていかに「雑談力」をストックしておくかが、あなたの価値・魅力を高めるのです。
その「雑談力」が、結果的に専門分野においても、自分を人より深いレベルの見識を持った人間に導いてくれる。私はそう信じています。
意外と気づいていない人が多いのですが、「雑談力」というのは一般的に思われている以上にものすごいパワーを持っています。
本当の意味で、あなたの専門能力を最終的に高めてくれるのは、専門知識ではなく、「雑談力」なのです。
P.S
ただし、受験期間中は、受験勉強に集中してくださいね。期限が区切られている受験期間中に「雑談力だ!」とか言って関係ない本ばかり読んでたらア○ですよ。念のため。。
P.S2
ちなみに私は今、将来のためにこんな方法↓でも「雑談力」をつけています。この引き出しはまだ全く使っていないですが(笑)