- 2016-9-13
- おすすめ記事, その他・雑談, 受験が終わった後について, 受験の意味を考える, 受験を突破するマインドセット, 大学生活について考える
こんにちは、中西です。
このブログでは集中力のテクニックや
勉強法などを中心にお届けしていますが、
前からの読者さんはご存じの通り、折に
触れて「受験後の話」もしています。
それは仕事論や個人のキャリアや働き方の
話だったり、雇用情勢をふまえた経済の話
だったりしますが、そういった
「受験後の話」も私がするのは、
「勉強の集中力」というテーマを広義で
解釈したときに、そこまで踏み込んで
知っておく(考えておく)必要があると
思うからです。
だって勉強に集中しなければならない理由
を突き詰めれば、
「よりよく生きるため」
「豊かな人生を送るため」
「充実した仕事をするため」
ですからね。これを否定する人はいないはず。
にもかかわらずそこを全く考えずに、ひた
すら勉強に集中していても本末転倒になり
かねません。
少なくとも私はそういう考え方ですので、
このブログでは集中テクニック・勉強法
はもちろん、それに加えて働き方論・仕事
論なども折に触れてお届けしています。
ちなみに、半年ほど前にまとめてこんな
シリーズもやりましたね。
▼「好きなことで生きていく!」を徹底検証する
好きなこと論シリーズ
で、今回の本題ですが、受験勉強というの
は受験後に役立つ部分と、役立たない部分
があります。
役立つ部分は、たとえば目標を設定して、
計画を立てて、きちんと実行していくプロ
セスだったり、集中力のテクニックをはじ
めとする自己管理能力だったり、
勉強法のような要領よくポイントを押さえ
て物事を進める力だったり、やるべきこと
を継続する能力だったり、まあいろいろ
あるわけです。
一方で、役立たない部分も少なくありませ
ん。とくに今回お伝えしたいのは、
【 受験勉強の要領で仕事に取り組むと、
豊かになれない可能性が高い 】
という点です。
どういうことかというと、受験勉強という
のは、
「弱点を補強して、トータルで点数を上げ
て、合格最低点を目指す」
という戦略を取ります。
90点の実力を95点に上げるより、30点の
実力を60点に上げる方が簡単です。上げ
幅は前者は5点、後者は30点ですから6倍も
違います。
なのに労力は後者の方が楽なことが多い。
であれば簡単に30点上がる方に力を入れる
のは当然です。
受験というのは「受験日までの限られた
時間内」に身につけた「トータルの総合点」
で合否が決まるわけですから、この戦略は
正しいのです。
ところが、社会に出たときの「仕事」でも
この思考をしてしまうと、限りなく高い確
率で豊かにはなれません。
この場合の「豊かにはなれない」とは、
平均的な収入すら維持するのが難しい
(もしくはそこまで到達できない)状態に
なる、という意味になります。
なぜなら、仕事というのは「トータルの総
合点」ではほとんど評価されないからです。
これに気づかずに、いつまでたっても
「ごくごく普通の人」の状態から抜け出せ
ない人は社会人でも本当に多いです。
もちろん“人間として”は普通でもいいん
です。人間性とかではなく、その人の
“社会人(プロ)としての売り”
を見たときに、その“売り”が普通のまま
では、絶対に豊かになれないのが、この
資本主義社会の法則なのです。
あれもこれもと「一通りのことを満遍なく
できる能力」なんて、なんの価値も無いん
ですよ。
こう聞いてもし「中西さん、ずいぶんキツ
いこと言うな」と思った人がおられたら、
失礼ながら今まで「自分は豊かで楽しい
社会人人生を送れているヾ(´▽`)ノ」
と感じたことが無いはずです。
世の中には、「これからの時代は英語と
ITと会計くらいは最低限マスターすべきだ」
とか、「誰もがプログラミングやHTML
の基礎ぐらいは知っておくべき」
「MBA(経営学修士)を取っておく方がいい」
「パワポできれいな資料を作ってしっかり
プレゼンできる能力は必須」
・・・みたいな話が山ほどあるわけです。
そして全部大事そうに見えます。ここが
落とし穴なのです。
人間の時間や使えるパワーは限られている
ので、それらすべてにできるだけ対応して
身につけておこうとすると、確実に
「すべてが満遍なくそこそこできるだけの、
よくいる普通の人」が出来上がります。
繰り返しますが、業界に関係なく、そんな
何の尖った“売り”もない、
「なんでも満遍なくそこそこできる
(知っている)普通の人」にはほとんど
価値が無いのが資本主義社会なのです。
まあ年齢が新卒(大学卒業年齢)くらいの
人なら、そんな状態でもまだ若いですし、
人手不足の時代ですので雇ってくれる会社
はあるでしょう。
が、その方向性の戦略で行って、自分とし
て心底納得できる給料をもらえることは
まずありません。
くどいですがそういう“売りのスキル”の
無い人には高給まで払う価値はないからです。
だって、そんな人はちょっと探せばいくら
でもいるわけですから。
よって、受験時代そのままの思考・戦略が
頭から染み着いて離れない人は、永久に豊
かさを感じることは無理でしょう(「一生
年収200万くらいでいい」という人は別ですが)。
というわけで、受験においては「トータル
で自分の総合点を上げる」という戦略は
とても有効(というかほぼ必須)ですが、
それが人生における“勝利の方程式”の
ように思いこんでいる人は危ないです。
そういう「弱点を補強してトータルで自分
の総合点を上げる」やり方が社会でも当た
り前だと思っていると、長期間(もしくは
死ぬまで)苦しいままの人生が待っています。
そしてそういう人生を歩んでいる人は、
本当に多いのです。
この「受験と仕事では“勝つための戦略”
が全く逆になる」という点については、
きわめて重要かつ基本的な人生戦略のポイ
ントですが、学校でも塾でもこの重要性を
語られることはまずありません。
このブログの読者さんには、受験勉強を
しながら頭の片隅に入れておいてほしいと
思います。
この資本主義社会では
「得意科目をひたすら伸ばした人」
に、豊かな人生が待っているのが
知る人ぞ知る暗黙のルールです。
そのルールを理解し、時間をかけて着実に
実践して行った人ほど
「仕事って楽しいなヾ(´▽`)ノ」
「いい時代に生まれたな~」
としみじみ思えるようになるわけですね。
それではまた。
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