- 2025-3-26
- 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
前回は、
「昼寝が問題を解く力(問題解決力)を高める」
と判明したテキサス州立大学の最新の研究をご紹介しました。
今回はこの流れで、昼寝の別の効能についての研究をご紹介します。
結論から言いますと、
【 昼寝は老化のスピードを遅らせる 】
ということが判明していました。
※参考:本記事下部に記載
これはイギリスのUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)の研究ですが、
イギリスの40歳から69歳の健康情報を収集した大規模なデータベース「UKバイオバンク」から、約35,000人分のDNAサンプルと脳スキャンを分析しました。
この分析は、睡眠医学の専門誌『スリープヘルス』にも発表されたものになります。
この分析の結果、昼寝の習慣がある人の脳の体積は、昼寝の習慣がない人よりも平均で15.8立方センチメートル大きいことが分かりました。
脳というのは年齢とともに小さくなるため、この結果から分かるのは、
【 昼寝の習慣がある人は、習慣がない人に比べると老化のスピードが2.6歳から6.5歳も遅い 】
ことに相当するようです。
ちなみに、昼寝の時間は30分以内にとどめることが良いとのこと。
ざっくり言うと、毎日短めの昼寝をとることで、老化のスピードを約3年から6年も遅らせることが可能になるということです。
また脳の体積は老化だけでなく、大きいほど認知機能が高く、認知症などのリスクも低くなることがデータで示されているようです。
したがって、昼寝をすることによって、認知症などのリスクを低下させることも可能ということになります。
私の見解としては、お昼になると眠くなるということは、つまり「脳がそれを求めている」ということだと思っています。
その眠気に逆らうように、我慢して時間を過ごすよりも、その脳の眠気という信号に素直に従って、短い昼寝・仮眠をとった方が自然な状態ではないかと思いますね。
前回の研究では、昼寝によってその後の問題を解く力(問題解決力)がアップすることが分かったわけですが、その結果と合わせると、
パフォーマンスの面でも老化スピードを数年遅らせる意味でも、昼寝を習慣にした方が圧倒的に良さそうですね。
ちなみに、優良企業で昼寝を推奨している企業は少なくないですが、有名どころでは、Google、 Apple、 Microsoft、 Nike といった超一流どころの企業もあります。
科学的には健康面でも、生産性の面でも、昼寝をしたほうが良いのは間違いありませんので、
あとは「昼寝」に対する悪いイメージ(「昼寝は怠けている」みたいな世間の誤った認識)を払拭するのが、何より大事になるのかもしれませんね。
※参考
Regular napping linked to larger brain volume
https://www.ucl.ac.uk/news/2023/jun/regular-napping-linked-larger-brain-volume